記事タイトル:EBM(2) ベイズの定理 


書き込み欄へ  ヘルプ
お名前: 鎌谷直之   
赤真先生の言われる
検査後オッズ=L x 検査前オッズ
について考察してみました。

先生の言われる通り、これはベイズの定理の(確率:即ち危険率ではなく)オッズ比(リスク比)に
よる表現だと思います。
[2000年8月19日 9時22分19秒]

お名前: 赤真秀人   
以下は、あくまで私の思考経路を記したものであり、妥当か否かはわかりません。

ベイズの定理から、陽性予測値=分子/分母(式Aとする)とすると、

分子=感度X有病率、
分母=(感度X有病率)+(1-特異度)X(1-有病率)となります

(この式(A)は間違っていないと思います)。集団における陽性予測値や有病率は、
個人における検査後確率や検査前確率に各々相当するとわたしは考えています。感度や
特異度は、あるカットオフポイントでの値ですし、定義上で0以上1以下しかとりえない
指標です。さらに、もし感度と特異度を一緒にしたようなパラメータがあれば、便利と
考えられます。そこで、いろいろ工夫して(と私は思っています)みたところ、

検査前オッズ X 尤度比 = 検査後オッズ

の公式が出てきたのだと思っていました。具体的には、式(A)で、陽性予測値=検査後
確率、有病率=検査前確率とおきかえ、さらに検査前確率=検査前オッズ/(1+検査前
オッズ)、検査後確率=検査後オッズ/(1+検査後オッズ)として、ただただ式を整理
していくと、検査前オッズ X L = 検査後オッズ
となります。
 Lは、ちょうど疾患のある人での検査値異常の割合/疾患のない人での検査値異常の割合
を表し、これを(陽性)尤度比ということにした、と私は解釈していました。

つまり、検査前オッズ X 尤度比 = 検査後オッズ(式B)が導かれたわけです。

式Aから式Bが導かれたということは、やはり式Bもベイズの定理によるものと考えてよい
のではないでしょうか?

 どのようなときに尤度比を用いるとその効用がはっきりするかの具体例の中で最も
良いと私が感じた例を、いずれまた紹介します。
[2000年8月14日 10時10分57秒]

お名前: 赤真秀人   
以下は、あくまで私の思考経路を記したものであり、妥当か否かはわかりません。

ベイズの定理から、陽性予測値=分子/分母(式Aとする)とすると、

分子=感度X有病率、
分母=(感度X有病率)+(1-特異度)X(1-有病率)となります

(この式(A)は間違っていないと思います)。集団における陽性予測値や有病率は、
個人における検査後確率や検査前確率に各々相当するとわたしは考えています。感度や
特異度は、あるカットオフポイントでの値ですし、定義上で0以上1以下しかとりえない
指標です。さらに、もし感度と特異度を一緒にしたようなパラメータがあれば、便利と
考えられます。そこで、いろいろ工夫して(と私は思っています)みたところ、

検査前オッズ X 尤度比 = 検査後オッズ

の公式が出てきたのだと思っていました。具体的には、式(A)で、陽性予測値=検査後
確率、有病率=検査前確率とおきかえ、さらに検査前確率=検査前オッズ/(1+検査前
オッズ)、検査後確率=検査後オッズ/(1+検査後オッズ)として、ただただ式を整理
していくと、検査前オッズ X L = 検査後オッズ
となります。
 Lは、ちょうど疾患のある人での検査値異常の割合/疾患のない人での検査値異常の割合
を表し、これを(陽性)尤度比ということにした、と私は解釈していました。

つまり、検査前オッズ X 尤度比 = 検査後オッズ(式B)が導かれたわけです。

式Aから式Bが導かれたということは、やはり式Bもベイズの定理によるものと考えてよい
のではないでしょうか?

 どのようなときに尤度比を用いるとその効用がはっきりするかの具体例の中で最も
良いと私が感じた例を、いずれまた紹介します。
[2000年8月14日 10時10分4秒]

お名前: 鎌谷直之   
検査前オッズ X 尤度比 = 検査後オッズ
この意味を詳しく教えて下さい。

直観的には

尤度比= 検査後オッズ/検査前オッズ
となりますよね。
従って、検査をすることにより尤度がどの程度変化するかを示しているだけのような
気がしますが。
[2000年8月4日 12時28分17秒]

お名前: 赤真秀人   
「臨床現場に統計学」に関してですが.............

EBMを学んでいると、そして連鎖解析の基本中の基本を理解するうえでも、ベイズの定理を
理解しないわけにはいかないことには気づいていました。

P(Hi|A) = P(Hi) x P(A|Hi)
/((シグマP(Hj)) x P(A|Hj))
P(Hi) はHiの事前確率、P(Hi|A) は事後確率です。

今年の日本リウマチ学会で神戸大学の塩沢教授が、ベイズの定理を用い自らの研究成績の
妥当性を考察されていました(原教授が座長をされていました)が、だれも質問しませ
ん、いやできませんでした。私はそのとき、鎌谷先生と同じような(程度の差こそ大きい
かもしれませんが)思考回路を持たれた臨床医が実際に存在するのだと知りました。
私もそうありたいと思っていますが、なかなか頭がついていきません。15年ぐらい前だっ
たらもっと頭が軟らかくて良かっただろうになあ、などと今更ながら後悔していますが、
今、少しずつでもと思い、頑張って勉強しています。

ところで、あまりEBMの本ではベイズの定理を取り上げていない印象があります。

検査前オッズ X 尤度比 = 検査後オッズ

の公式は必ずEBM関連の本に出てきますが、これこそはベイズの定理(の結果)と私は解釈
しています。そして僭越ながら、もっとこのことを、著者は本や総説にも書くべきだと
思います。そうすればベイズの定理がもっと親しみを持てる定理となるのではないでしょ
うか? EBMの総説を読んでいると、ただ英語の文献をそのまま訳しているだけのよう
なものが多いように思います。もちろん、きちんと理解して書かれている著者も沢山
おられることは事実でしょうが。

ベイズの定理の証明も、いろいろと書かれており、自分なりにいくつか読みました。私が
もっとも簡単で理解しやすいと思った証明法は以下の通りです、と紹介しようと思いまし
たが、ワープロで打つのは結構面倒なので、声をかけていたいたければ喜んでお教えしま
す。やはりこれからは、臨床医にも統計学的思考は必須と感じています。それにしても、
数学が大好きだったはずの私が、なんでこんなに頭が固くなってしまったのかなあ?
[2000年7月31日 12時13分25秒]

このテーマについての発言をどうぞ。
氏名
E-mail URL


半角カナは使用しないようにしてください。文字化けします。
記事一覧に戻る