読んでみました。
強皮症の皮膚硬化の程度、経過は様々であり、皮膚硬化の経過と生命予後が関連するか
prospectiveに検討しています。
<方法>
発症3年以内で2年以上経過観察できた、び慢性強皮症を対象とし、登録時と2年後にskin
score (modified Rodnan skin score)をとり、25%以上または5units/年以上改善を改善
群とし、改善なし群と、臨床経過、臓器障害、生命予後等のつき比較検討した。
<結果>
278例のうち改善 174例(63%)、改善なし99例(36%)で、両群間で登録時のskin scoreを含め
た臨床所見、検査値、罹病期間に差はなく、改善群、改善なし群の登録時→2年後の平均
skin scoreは25→16、22→31であった。予後は改善なし群で悪く、改善群の5年、10年生存
率が90%、80%に対し、改善なし群は77%、60%で、最終観察時の臓器障害(FVC<65%、心、腎)
も改善なし群で有意に多かった。始めの2年間に使用した薬剤でPSLやMTX、CY、CyAなどは2
群間で差はなかったが、改善群でd-PCの使用頻度は高く、使用期間は長かった。皮膚硬化
改善の予測因子として有意であったのはd-PCの使用期間(1年以上)のみであった。
<結語>
発症早期に死亡しなかったび慢性強皮症で、皮膚硬化が改善した例は予後が良好であり、
皮膚硬化の経過で予後が予測できる。
これまでd-PCが強皮症に効くのか、ちょっと怪しく思っていましたが、これからは堂々と
使いたいと思います。(もちろん副作用に注意して)
[2002年2月9日 15時30分53秒]