5月24日夜のNHKの番組で、ハンセン病のことが語られていました。
そのとき、光田氏(ハンセン病の光田反応の発見者です、こうだ、ではなく、
みつだ、のようです。私はなんと読むのか今まで知りませんでした)の発言が
取り上げられていました。参考まで記します。
(なお、私は特別に同氏を非難するために引用するのではありません。)
昔は人権に対する考え方が未成熟であったことが伺えます。われわれも、
現在、当たり前のこととして行ったり考えていることが、決して絶対的な
事ではなく、将来は否定(ないし批判)されるかも知れないことを常に謙虚
に認識しながら行動しなければならないのでしょう。
1951年の参議院厚生委員会での光田健輔(長島愛生園) 園長の発言から
未収容患者が2,000人残っていると厚生省の統計はいっておられますが、詮索
すると余計にあるかもわかりません。その残っている患者を早く収容しなけ
ればなりませんけれども、これに応じない者がたくさんあります。そのような
者に強制的に、このらい患者を収容するということが、今のところでは甚だ
そのようなところまで至っていないのであります。この点については特に法律の
改正というようなことも必要でありましょう。強権を発動させるということ
でなければ何年たっても、同じことを繰り返すようなことになって、
家族内伝染は決して止まない。手錠でもはめてから捕まえて強制的に入れれば
いいのですけれども、ちょっと知識階級になりますと何とかかんとか逃げる
のです。そのような者はどうしても収容しなければならんという、強制のもう
少し強い法律にして頂かんと駄目だと思います。
それで患者の逃走ということですね。これはなんぼ入れてもですね。
その網の目をくぐって逃走するのでございますから、私どもは、逃走しない
ようにですね、長島というのは海の中にあって、どこへでも船でゆかねば
ならんようにしている。ところが船を買収しまして、いまでは1,000円、
2,000円ほど漁夫にやって向こうへ逃げてゆくようなわけです。そういうもの
はですね、逃走罪という1つの体刑を科するかですね。そういうようなことが
できればほかの患者の警戒にもなるのであるし、今度は刑務所もできたので
ありますから、逃走罪というような罰則が1つほしいのであります。これは
一人を防いで多数の逃走者を改心させるというようなことにもなるのですから、
それができぬものでしょうか。
[2001年5月27日 17時41分15秒]