記事タイトル:太ると腎障害? 


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お名前: 梶山 浩   
進行性腎障害の危険因子としての肥満

片側の腎を摘出しても多くの症例では長期に渡り
腎機能は維持されますが、一部には尿蛋白が出現し、
腎機能障害が進行する例もあるようです。

Pragaらは、片側腎摘出術を施行された症例を対象とした
cross sectional studyで 進行性腎障害の危険因子として
肥満が関与する可能性を指摘しています。
(Kidney International 58:2111-2118, 2000)

手術時に反対側の腎機能や画像所見に問題が無く、蛋白尿
も認めなかった73例がエントリーされた。平均13.6年の観
察期間で、53例は尿蛋白陰性で腎機能も正常であったが、20例
は蛋白尿を認め、蛋白尿出現までの期間は平均10.1年であった。
20例中13例には腎機能障害も認められ、尿蛋白出現から腎機能
障害発現までの期間は4.1年であった。この2群では、年令、生別
血圧に差は無かったが、腎機能障害例では、BMIが有意に高かった
という。さらに片側腎摘出時にBMI30以上の症例では、14例中13例
がタンパク尿と腎機能障害を呈したのに対し、BMIが30未満の症例
では、59例中7例にすぎなかった。

肥満に伴う蛋白尿の成因については
1)インスリン抵抗性や高インスリン血症が輸入動脈を拡張させ、
糸球体高血圧を助長させる
2)肥満に伴う高脂血症、高血圧の合併
3)レプチンが糸球体内皮細胞の増殖促進に作用したり、糸球体で、
TGFbの発現を亢進させ、4型コラーゲンの沈着を促進する。
ことが考えられている。
(モデル動物にレプチンを腹腔内投与すると、蛋白尿が出現すると共に
糸球体硬化病変を認める)

(以上最近の内科論文のreview集より)


私も若い肥満の女性で、持続性尿蛋白と軽度の腎障害
を経験したことがあります。ACEIと抗血小板剤を処方
しましたが、内服をいやがり、病院にほとんどこない
(学校も休みがちで家で遊んでることが多く素行にも問題があった)
ので治療はうまくいきませんでした。
[2002年2月11日 21時31分39秒]

お名前: 梶山浩   
ここで皆さんに問題です。

太ると腎臓がわるくなることってあるでしょうか?
あるとすると特にどんな時に悪くなることが分かり
やすいでしょうか?

この件に関しても最近面白い論文が出ていますので
後ほど御紹介します.
[2002年2月7日 0時6分8秒]

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