記事タイトル:ACR報告 


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お名前: 梶山   
ユ02 ACR 報告
英語の聞き取りが難しく、理解できたのは3-4割程度でした(英語を理解していたとして
も、皆さんに有益な報告ができるかどうかは疑問ですが)。こちらから積極的に話し掛けな
かった為か、内容がminorな為か、私の演題には、外国の方は質問してくれませんでした。
日本人の方が数名来て下さり、フロリダ大学のSatoh先生と日本語でdiscussionしました。
以下にできるだけ誤認事項の記載を避けるよう、報告に努めます。

1 (ACR Medical Aspects of Rheumatic Diseases Lecture)
Hyperuricemia:speaker; Richard J Johnson, Baylor College of Medicine, Houston, 
Texas
(Johnson先生は、もとはWashington University の腎臓学のCouser先生の所にいた方で、
腎臓の分野では御高名な先生です。群大第3内科の私の先輩も留学していた所です。)
(summary)
高尿酸血症ratではsalt independentに収縮期血圧があがり、alloprinol投与群では収縮期
上昇は見られなかった。そのメカニズムは、RA系の活性化と輸入細動脈でのPDGF,COX-2な
どを介した平滑筋細胞の増殖の関与が考えられた。また、腎硬化モデルにおいても
alloprinolは硬化の抑制効果を示した。

(もっと詳しく)
高尿酸血症が高血圧そのものの危険因子となりうるという臨床研究が日本より最近だされ
ているが(Iseki et al. J Hypertens 2001)、実験的に高尿酸血症と高血圧との関係を検証
した豊富なdataを提示していた。NaClの影響を除外するため、low salt diet (以下LS)に
したratにoxonic acid(uricase inhibitor)(以下OA)を投与して高尿酸の状態にすると、2
週間程で収縮期血圧が上昇してくる。同時にalloprinolを投与した群では血圧は上がらな
かった。このラットでは、腎臓間質に、単核球浸潤と、De Galantha染色で、尿酸一ナトリ
ウムのCrystalが見られた。尿酸が高血圧をおこすメカニズムとして、LS+OA+ratでは糸球
体内のレニンの発現が亢進しており、R-A系の活性化による、尿細管からのNa再吸収亢進
と、GFRの低下があげられる。更に、このLS+OA+ratには、輸入細動脈レベルの平滑筋細胞
(SMC)の増殖が認められた。この変化はessential hypertentionにはみられない。実際、in 
vitroのdataは、尿酸がSMCのMAPKやCOX2やPDGFの発現を亢進させ、SMCの増殖を促進させ
た。また、この増殖はprobenecidやMAPK inhibitor, COX-2 inhibitorが抑制した。このこ
とは、LS+OA+ratにおいて輸入細動脈レベルの平滑筋細胞(SMC)の増殖が、高血圧に関与す
る事を示している。更に、腎機能の低下した状態でOAを投与し、糸球体硬化に対する影響
を見た実験(Ratの片方の腎の血流を遮断、残腎に対しても、幾つか動脈を結紮したものに
OAを投与した。)では、alloprinol投与群で、糸球体硬化が軽減した。ここでもSMCにおけ
るCOX-2発現の亢進を認めた。
>>COX-2 inhibitorで血圧がさがる?
[2002年11月4日 15時48分1秒]

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