先々週の医局会での宗定先生の症例報告は大変興味深いものでした。私は特に前半の
psoriatic arthritis(PA)の症例が面白かったです。問題になった点をいくつか書きま
す。
PAの分類:
一般的には Moll & Wrightのものが使われます。
1.predominant DIP involvement
2.ムチランス
3.RA様のsymmetrical polyarhtiritsでRF-
4.Asymmetrical oligoarthritisあるいは単関節炎
5.ASを主たるfeatureとするもの
しかし、Helliwwellらにより次のような分類も提唱されています。
1.peripheral arthritis resembling RA but commonly involving the DIP joits. Other
characteristic findings include dactylitis, unilatteral limb edema, enthesopathy,
arthritis mutilans
2.Sacroiliitis and spondylitis may be asymmetrical and the spondylitic features
include chunky syndesmophytes and paravertebral ossification
3.Extra-articular osseous manifestation include the SAPHO syndrome
PsAの関節炎の分布については多くがpolyでありその半数以上非対称である(要するに
asymmetrical poly)、とするものや、asymmetrical oligoが43%でsymmetrical polyが33
%とするものがあります。oligoarthritisを呈する症例の多くはpolyに移行するようで、
結局はasymmetryが大事、ということでしょうか。Moll & Wrightの分類のpredominant DIP
involvementは1-2%ですが、poly-あるいはoligoarthritisとともにDIP関節炎が見られる
ので、DIP関節炎が見られるケースは40-50%になります。PsA患者の67%に爪病変があり、
特に爪のある指のDIP関節炎と関連するといわれています。爪病変の種類としては
onycholysis(爪剥離症))とpittingがあり爪の20個以上のpitsはpsoriasisの存在を強く
示唆します。
ところで、宗定先生の提示された症例では手指の多くの関節が強直していたわけで、PsAで
はbony proliferationは当然あってよいのですが、極端であるようにも思いました。手掌
にも皮疹があったようにも思えたのですが、Helliwwellらの分類の3に当たる症例であった
かどうか、興味深く思いました。
[2002年6月13日 22時43分17秒]