松田祐子先生が留学されていたStanford大学のARAMISのDr. Singh が、来日されており
昨日、NSAIDS潰瘍とH.pylori潰瘍のmini lectureがありました。
H.pyloriによる潰瘍では炎症が強く、痛みが強いが、潰瘍の深さは深くないのに対し、
NSAIDs潰瘍では炎症や痛みに乏しいが、潰瘍が深く出血が多い。アメリカでは、消化管出
血の8割NSAIDs潰瘍、2割がH.pylori潰瘍。出血のリスクはO.R.でH.pyloriが1.7、
NSAIDsが4.8、H.p + NSAIDsではadditive effectがあり5.8。
治療はH.pylori潰瘍(NSAIDsなし)では、除菌OK。PPIもOK。NSAIDs使用があり
H.pyloriもある場合、除菌による治療効果はPPIによる効果より低い。しかし、長期間PPI
による治療をするなら、PPI治療に先んじて除菌療法をすべきである。なぜなら、PPIによ
り低・無酸症になるとH.pyloriが増殖し、胃癌のリスクが増すから。従って、H.pyloriは
除菌治療するべきであると考える。
というような内容であったと思います。日本では、どのようなのでしょうか。
4月に行われる予定の第4回目のJ-ARAMISでは、H.pyloriに関する質問事項が入る予定
です。
[2002年3月1日 8時29分0秒]