記事タイトル:早期RAについての現在のコンセンサス 


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お名前: 山中 寿   
早期RAについてのコンセンサス会議のようなものがEULARで行われたようで、それが
J.Rheumatology別冊になっています。

簡単にreviewします。

Paul Emery: Is it time for a European consensus on the pharmacological 
management on early RA?
J Rheumatol 29 (Suppl 66) :	1-2, 2002

1.リウマチ医やRA治療の専門医を早期に紹介することが、診断、疾患の評価、適切な
薬物療法の開始について必須である。薬物治療と長期フォローアップが患者の予後を改
善させる。

2.治療のゴールは迅速かつ長期にわたる炎症の制御である。炎症が制御できなければ
関節破壊は避けられない。最適なRA治療のためには頻繁なアウトカム評価が必要であ
る。

3.有効なDMARDを用いて早期に治療を開始することが勧められる。効果発現時期や副作
用の種類は薬剤によって異なる。多くの有効なDMARDを使えることができるようになった
ゆえに、各薬剤の副作用プロフィールを理解し、効果と副作用を秤にかけることの必要
性は増している。多くの研究結果からは早期RAに対してはsulfasarazineとmethotrexate
が最も良いアウトカムをもたらすようである。

4.DMARD併用療法の恩恵は早期RAの初期治療では証明されていない。したがって早期RA
に対してはstep-up戦略が推奨される。

5.早期RAにおける副腎皮質ステロイドの有用性には議論がある。X線的骨破壊を遅延さ
せるという報告はあるが、疾患活動性や関節機能を変える確たる証拠はない。

6.Sulfasarazineはteratogenecityが低いため、妊娠可能な年齢の女性に勧められる薬
剤である。

7.初期治療に十分な反応を示さなかった患者に対してはDMARD併用や生物製剤を用いて
疾患活動性を十分に制御する必要がある。

8.新規薬剤のコストパフォーマンスや長期における副作用については、今後薬効との
バランスを見る必要がある。

解決すべき問題は多いが、明らかに言えることは、
「我々はリウマチ学の歴史の中で最も興奮すべき時代を生きている(We are part of the 
most exciting era in rheumatology)」ことである。

Primary care physicianは、以下のいずれかに該当する患者は専門医に紹介するべきで
ある。
1)腫脹関節数≧3
2)MTPかMCP関節の病変を伴う
3)朝のこわばり≧30分
[2003年1月11日 10時35分59秒]

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