ラジカットの項で、ONOO-の話が出てきました。
私がいまとりくんでいる分野の1つでありますが、
ONOO-はNOとsuperoxideが化学反応をおこして
できるreactive nitrogen speciesの1つで、
強力なラジカルであり、ペプチドやたんぱく質
のチロシン残基をニトロ化し、(-NOをつける)
nitrotyrosine（NT）にします。

ニトロ化された蛋白質は、その機能を失います。
（PI3Kやantitrypsineなど)

当センターのlupus nephritisの腎組織の検討で
は、組織障害度,特に間質線維化などの変化に、
腎組織中のNTの陽性度が相関しておりました。
('02日本腎臓学会総会ポスターセッション、
'02ACR-poster)
また、血清中のNTは、活動性腎炎のあるSLE症例
で高いという報告もあります。

CNS関連では、虚血再還流やactiveMS, Alzheimer
などでCSF中のNTが上昇しているようです。

CNS lupus の病勢とCSF-NTは何らかの関係があ
りうるでしょうか。

[2003年1月13日 0時58分5秒]