J-ARAMISの成果が発表されると日本の学界に衝撃をあたえる。
それはとまどいと反発であろう。
多くの日本人医師はEBMとは外国でなされた大規模前向き研究の成果を
本で読んで、そのとおりやることだと思っている。
従って、実際にそのような研究がなされている現場には接したことが無い。
医学判断にえらい先生や教科書の記述が役立たず、エビデンスが重要だと
いうことは、実は統計学至上主義なのである。
ところが、ほとんどの医師は統計学がよくわかってはいない。統計というと
StatViewかなんかでPを出して論文に加えてreviewerを納得させるだけ
のものとしか思っていない。
統計というのは実はサンプルサイズと正確な統計理論の問題なのだ。
統計を知れば、サンプルサイズ(患者数)が、結果の信頼性
にどれほど大きな影響を与えるかが判るはずである。
ところが日本人医師のほとんどが、「大数の法則」や「中心極限定理」
の真の意味もわかっていない。
日本人医師がEBMの意味を知るのはこれからである。そこには欧米の近代
統計学に対する高い評価があることをまず知るであろう。
(しかし、私はその後に遺伝統計学がくると見る)
[2001年11月27日 19時9分36秒]