記事タイトル:National Opinion Leaders' Conference参加記 


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お名前: 山中 寿   
National Opinion Leaders' Conference in Singaporeに招かれて参加しました。
1.どのような治療でも、治療開始時のリスクが最も高く、慢性期にはリスクは下がる。
つまり、早期RAでは、RAの長期罹患者より治療薬による副作用などが多くても妥当である。
2.COX-1阻害以外によるNSAIDの副作用の機序として、COOH基を含む、胆汁排泄率が高い、
T1/2が短い、蛋白結合率が低い、などがある。ピロキシカムによる胃腸管障害が多いのは胆汁
排泄率が多く、腸肝循環があるためである。
3.H. Pyloriはアスピリンによる潰瘍に関連するが、非アスピリンNSAID潰瘍には関連がない。
4.PGE2受容体アンタゴニストは次世代の抗炎症薬として有望視されている。
5.上海では、漢方薬による胃粘膜障害の頻度が極めて高い。
6.どんなNSAIDでも、関節液中濃度は、血漿濃度の約40%。
7.IL-1の多型がH. Pylori陽性の胃潰瘍と関連する(Nature)。
8.NSAIDはprostacyclinを阻害して末梢血流を低下させる可能性があるため、SLEなどの
血管炎を伴う症例には危険かもしれない。実際、SLEにNSAID投与を認めている国はひとつもない。
9.欧米ではNSAIDの補助としてアセトアミノフェンを適宜服用させている場合がある!!
10.H2アンタゴニストは多かれ少なかれ抗うつ作用がある。
11.金製剤(GST, AF)投与者にはNSAID潰瘍が少ないことが疫学的に示されている!!
などが新情報でした。
[2000年7月8日 14時18分5秒]

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