記事タイトル:第17回臨床リウマチ学会-民間療法 


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お名前: 梶山   
山中先生、貴重なsuggestionありがとうございました。
早速検討したいと思います。
[2002年11月19日 1時12分31秒]

お名前: 山中 寿   
この数年間でRAにおけるCAMは劇的に変わると思います。
理由1:よく効く生物製剤やDMARDがでてきて患者さんのQOLは改善する(だろう)。
理由2:医療費負担が増える。政策的に増える分+生物製剤で増える分。

わが国における生物製剤導入による医療費の費用対効果を考えるうえで、CAMの存在は無
視できないと思います。そこで、今からデータを蓄積し、以下の仮説を証明していただ
くと素晴らしい仕事になります。

仮説1:CAMに消費する(出来る)金額は減少するが、CAMを含めた医療費で検討する
と、生物製剤導入は十分な費用対効果を有する。

梶山先生、宜しく。
[2002年11月18日 10時8分2秒]

お名前: 赤真秀人   
梶山先生:お疲れ様でした。

結局、ランダム化比較対照試験をするしか、効果や副作用を検証するのは無理と思っています。
ただ、医薬品でなくほとんどが「食品」なので、試験の方法に治験のような厳格さを求めるとす
ると何もできないでしょう。それでも何かするのかしないのかについては我々(梶山先生も赤真
も)が決められない問題と思っています。

鍼灸に関しては、blind化に問題がどうしても残ってしまいます。医師側がblind化されること
は可能でも(施術者と評価者を代える。できればカルテも2つ作っておく)、患者はblind化
できないからです。施術者に「つぼ」をはずして施行して対照群とすれば良いのでしょうが、そ
のような試験は患者、施術者ともに了解を得られそうにありません。

(clude は crudeでしょう)
[2002年11月18日 9時54分38秒]

お名前: 梶山 浩   
11/15日、甲子園で行われた臨床リウマチ学会に出席し、モリウマチの民間療法モのセッショ
ンで、モ当センターの関節リウマチ患者の補完代替療法(CAM)モを発表して参りました。

今回は、今年のリウマチ学会のデータに加え、第3回J-ARAMISから調査を開始しているCAM
の月額のデータ、CAM利用がGOT,GPT, Crの変化に与える影響について報告しました。
audienceは20名程。月額は、リウマチ友の会や、横浜南共済病院の長岡先生の報告による
15,000円を大きく上回り、当センターでは24,000円となっておりました。男女差はありま
せん。最高額は65万円!!!。10万円以上が20人くらいいました。肝機能腎機能の変化に対し
ては、CAM利用は大きな影響は与えなかった、という結果でした。

当センターのRA患者のCAM利用者の特徴として、従来の報告より、RA患者全体に対するCAM
利用者の割合は若干少なめだが、金はかける人が多い、といえると思います。国内のRA患
者は海外の報告にくらべCAM利用者はやや少ないと思います。

私のCAMに対する発表が、現状報告になっているのに対し、その他の4演題は、いずれもあ
る特定のCAMの効果を積極的に認め、RAに応用しようという発表でした。そのためか、私が
発表した後の質問に、女子医大としては、RA患者に対してCAMをどのようにしているのか、
また、RAの治療の一環として、relaxationを目的とした何かをやっているか、という質問
がありました。私は、特に否定も肯定もしていないし、また、relaxationを目的として何
か、という事も無い、と答えました。

1.      関節リウマチに対する鍼治療-RA活動性とQOLの変化に付いて- 
       粕谷大智先生 東京大学医学部アレルギーリウマチ科
class2のRA患者で薬物治療を受けている患者10名とclass2のRA患者で薬物治療に週一回の
鍼治療を併用している10名を対象にしてACRコアセットとQOL自己記入式質問紙AIMS-2で一
年間観察し評価。ACRコアセットのなかで有意差を認めたのは、患者および医師の疼痛評価
とADL、QOL項目の中では手指機能、痛み、緊張の項目は、鍼併用群が有意に改善を認め
た。

2.     慢性関節リウマチに対する施灸治療の臨床免疫学的効用
    山本喜信先生 甲風会有馬温泉病院
まず、御発表していらっしゃる山本先生が、失礼では有るが、かなりの御高齢で、背中を
まるくして、牛歩よろしく演台に登り、しわがれ声で悠然と発表を始めたのが一番のイン
パクトであった。
内容は、RAの経過の長い患者さん43人に、自己点灸を足三里という部分に行ってもらった
所、臨床症状が好転したもの10例、不変21例、増悪2。副作用はなし。点灸直後はCD4+
cellが低下、一ヶ月後に回復。この現象が、点灸の効果に関連が有るのでは?というも
の。
会場からの質問に、山本先生は、私は耳が遠いので、はっきりと大きな声で話すように、
と話された。御高齢になっても学会に出席され、発表をするというエネルギーに脱帽! 私
もこう有りたい。しかし山本先生程長生きはできないと思う。

3.      関節リウマチ患者の民間療法(サプリメント)利用における地域差
    小池達也 大阪市立大学大学院 医学研究科 リウマチ外科学
    大阪と和歌山に在住するRA患者153人に対し、サプリメント利用の有無と臨床情報
を調査した。全体で39%がサプリメントを使用。(J-ARAMISでは23.2%) サプリメント利用者
と非利用者との間に、年令、罹病期間、stage、class、CRP値、CRP変動率に有意差を認め
ず。地域差(和歌山のほうがサプリメント使用多い)のみ有意差認めた。CRPと有意差が無
い、というのは、我々と同じデータ。
この先生は鮫の軟骨はRAにいいので患者さんに勧めているとのこと!フロアから鮫の軟骨
はcludeなもの。コンドロイチン硫酸など、成分をすすめるのはいいが、cludeなものをす
すめるのはどうか、との意見も。50歩100歩か?

4.    生薬粉防已の関節リウマチ(RA)に対する有効性・免疫調節作用の検討
   新沢 敦 鐘紡記念病院 和漢診療科
RA患者29名に粉防已(有効性分はtetrandrineというアルカロイド成分)を追加。投与前後12
週で、ACRコアセットやIgM-RF、リンパ球数の変化を検討。また、collagen induced 
arthritis (CIA)を作成し、これに粉防已を投与し効果をみた。RAでは、24%の症例で
ACR20%の改善、IgM-RFの有意な改善、CD19, CD3CD8陽性細胞数の有意な増加、CD/4CD8比の
低下傾向を認めた。CIAは治療群で、無治療群に対し、有意な関節炎スコアの低下を認め
た。無治療群では、末梢血由来、リンパ節由来B220陽性細胞増加、CD3CD8陽性細胞減少が
あり、粉防已治療により、リンパ節でのみ、CD3CD8陽性細胞の有意な増加が見られた。
[2002年11月16日 21時29分3秒]

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