2型糖尿病性腎症におけるARBの腎保護作用として
昨年9月のNEJMにIrbesartanのRCTが2編、losartan
のRCTが1編でています。
(Irbesartanについて)
Renoprotective effect of irbesartan in nephropathy due to Type 2 Diabetes
患者)2型糖尿病による腎症を伴った高血圧患者
治療)ランダムにirbesartan300mg/daily,amlodipine10mg/daily,placeboに割り振った。
治療目標)目標血圧を135/85以下とした。
primary endpoint )a doubling of the base-line serum creatinine concentration,
development of endstage renal disease, death from any case
secondary endpooint ) caridovascular endpoint
結果)平均観察期間2.6年。irbesartanはprimary endpoint全体について、placeboにくら
べ20%(P=0.02),amlodipineに比べ23%(P=0.006)riskが低い。a doubling of the base-line
serum creatinine concentrationについて、irbesartanはplaceboに比べ、33%(P=
0.003),amlodipineに比べ37%(P<0.001)riskは低い。同じくESRDについて、
placebo,amlodipine群と比較して23%(P=0.07)低い。これらの違いは得られた血圧の変化で
は説明されなかった。また、血清クレアチニン濃度の上昇は、irbesartan群ではplaceboに
比べ24%(P=0.008),amlodipineにくらべ21%(P=0.02)ゆっくりである。rates of death from
any causesや心血管系endpointについては差が無かった。
結論)ARBのirbesartanは2型糖尿病の進行に対し抑制的に働く。この効果は降圧効果から
独立している。
Effect of irbesartan on the development of diabetic nephropathy
高血圧と微量アルブミン尿を合併した2型糖尿病患者合計590例がイルベサルタン
150mg/day,300mg/day,placeboにdouble blindで無作為割り付けされたもの。
顕性腎症に発展した患者は、イサベルタンに割り付けられた患者ですくなかった。
この腎保護作用は降圧作用とは独立していた。
deathや心血管系に対する効果はもう少し長期なstudyが必要でしょうか。
(ニューロタンについて)
Effects of losartan(ニューロタン)in patients with type 2 diabetes and
nephropathy(いわゆるRENAAL studyの原著です。)
患者)2型糖尿病性腎症患者1513例
治療)losartanの無作為割り付け、placecbo対象試験に組み入れられたが、必要に応じ
て、従来の
降圧治療(calciumu-cahnnel antagonist, diuretics, alpha-blocker, beta-
blocker,centrally acting agents.- ARBは除く)も続けた。平均観察期間は3.4年
primary outcome) a doubling of the base-line serum creatinine concentration,
end stage renal disease, or death
secondary endpooint) morbidity and mortality from cardiovascular causes,
proteinuria, rate of progression of renal disease.
結果)327名のlosartan群がprimary endpointに達し、359例のplaceboと比較できた。
全体のrisk低下は16%(P=0.02),a doubling of the base-line serum creatinine
concentrationに関しては25%のrisk reduction(P=0.006),ESRDに関して28%のrisk
reduction。死亡率に関してはno effect。この利益は降圧効果によるものを上回っ
ていた。morbidity and mortality from cardiovascular causesは2群間で差が無かった
が、心不全による初回入院率がlosartan群で有意に低い(risk reduction 32% P=0.005)
。また、placeboにくらべ35%t蛋白尿を減らした。(P<0.001)
結語)この研究はARBが2型糖尿病の患者における末期腎疾患への進行が遅れ、心不全が軽
減する可能性を示唆している。
[2002年2月6日 23時37分42秒]