記事タイトル:ARBの腎保護作用に関するエビデンス 


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お名前: 鎌谷直之   
ロサルタンは尿酸を下げます。
サイアザイドは上げるので、両方使うとどうなるのでしょう。

以前の研究ではサイアザイドは血圧は下げるが尿酸を上げるので
延命効果は無いということでした。
[2002年2月7日 9時47分2秒]

お名前: 梶山   
補足ですが、昨年秋のmedical tribuneの座談会にRENAAL(Reduction of Endpoints in 
NIDDM with the A-2 Antagonist Losartan) studyの話が乗っています。このなかで、
オランダ グローニンゲン(苦労人間?)大学腎臓内科のDick de Zeeuw先生の話も
出ていて、このようなロサルタンの降圧効果、抗蛋白尿効果を最大限にするにはヒドロク
ロロチアジド(商品名ダイクロトライド)のようなサイアザイド系利尿薬と併用するのが
一番よいとのことでした。
しかしせっかくの売りの尿酸に対する効果はどうなってしまうのでしょう?尿酸をさげる
目的のみではまず使わないので臨床的には問題にはならないでしょうが。
[2002年2月6日 23時49分51秒]

お名前: 梶山浩   
2型糖尿病性腎症におけるARBの腎保護作用として
昨年9月のNEJMにIrbesartanのRCTが2編、losartan
のRCTが1編でています。

(Irbesartanについて)

Renoprotective effect of irbesartan in nephropathy due to Type 2 Diabetes

患者)2型糖尿病による腎症を伴った高血圧患者

治療)ランダムにirbesartan300mg/daily,amlodipine10mg/daily,placeboに割り振った。

治療目標)目標血圧を135/85以下とした。

primary endpoint )a doubling of the base-line serum creatinine concentration, 
development of endstage renal disease, death from any case

secondary endpooint ) caridovascular endpoint

結果)平均観察期間2.6年。irbesartanはprimary endpoint全体について、placeboにくら
べ20%(P=0.02),amlodipineに比べ23%(P=0.006)riskが低い。a doubling of the base-line 
serum creatinine concentrationについて、irbesartanはplaceboに比べ、33%(P=
0.003),amlodipineに比べ37%(P<0.001)riskは低い。同じくESRDについて、
placebo,amlodipine群と比較して23%(P=0.07)低い。これらの違いは得られた血圧の変化で
は説明されなかった。また、血清クレアチニン濃度の上昇は、irbesartan群ではplaceboに
比べ24%(P=0.008),amlodipineにくらべ21%(P=0.02)ゆっくりである。rates of death from 
any causesや心血管系endpointについては差が無かった。

結論)ARBのirbesartanは2型糖尿病の進行に対し抑制的に働く。この効果は降圧効果から
独立している。

Effect of irbesartan on the development of diabetic nephropathy
高血圧と微量アルブミン尿を合併した2型糖尿病患者合計590例がイルベサルタン
150mg/day,300mg/day,placeboにdouble blindで無作為割り付けされたもの。
顕性腎症に発展した患者は、イサベルタンに割り付けられた患者ですくなかった。
この腎保護作用は降圧作用とは独立していた。

deathや心血管系に対する効果はもう少し長期なstudyが必要でしょうか。



(ニューロタンについて)

Effects of losartan(ニューロタン)in patients with type 2 diabetes and 
nephropathy(いわゆるRENAAL studyの原著です。)
患者)2型糖尿病性腎症患者1513例
治療)losartanの無作為割り付け、placecbo対象試験に組み入れられたが、必要に応じ
て、従来の
降圧治療(calciumu-cahnnel antagonist, diuretics, alpha-blocker, beta-
blocker,centrally acting agents.- ARBは除く)も続けた。平均観察期間は3.4年
primary outcome) a doubling of the base-line serum creatinine concentration, 
end stage renal disease, or death
secondary endpooint) morbidity and mortality from cardiovascular causes, 
proteinuria, rate of progression of renal disease.

結果)327名のlosartan群がprimary endpointに達し、359例のplaceboと比較できた。
全体のrisk低下は16%(P=0.02),a doubling of the base-line serum creatinine 
concentrationに関しては25%のrisk reduction(P=0.006),ESRDに関して28%のrisk 
reduction。死亡率に関してはno effect。この利益は降圧効果によるものを上回っ
ていた。morbidity and mortality from cardiovascular causesは2群間で差が無かった
が、心不全による初回入院率がlosartan群で有意に低い(risk reduction 32% P=0.005)
。また、placeboにくらべ35%t蛋白尿を減らした。(P<0.001)

結語)この研究はARBが2型糖尿病の患者における末期腎疾患への進行が遅れ、心不全が軽
減する可能性を示唆している。
[2002年2月6日 23時37分42秒]

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