梶山先生：
oligospermia を起こしうるのは、ＭＴＸ，サラゾピリン、シクロホスファミドでした。
(Arthritis Rheum 39(5):723-31,1996、この文献は１度は目を通しておくとよいでしょう)

鎌谷先生：
私も、男性にとって催奇形性があるとされている薬剤はないと思います。乾癬などに使用される
チガソン（エトレチナート）も、男性に対しての催奇形性に関する注意書きは現在、ありません
でした。コルヒチンも多分、大丈夫なのでしょう。なお、チガソンは(女性に対して）催奇形性
の可能性が多いにあるのですが、少なくともチガソン中止後２年間は献血（妊娠のみならず）を
してはならないのだそうです。

[2001年6月28日 17時50分13秒]

1.以前、男性が服薬している場合の催奇形性について問い合わせたときに、そのような薬
剤はない、と聞いたように思いますが、記憶は今一つ定かではありません。
2.ちなみにサラゾピリンの精子異常（運動能減少、数減少、奇形精子増加）は約３ヶ月の
投薬中止で回復し、しかも5-ASA（ペンタサ）では起こらない、とのことです。

[2001年6月28日 14時42分15秒]

男性に投与して催奇性のある薬剤は知られているのでしょうか。

受精率の低下ではなく。

[2001年6月27日 8時45分13秒]

私は、MTX、サラザピリン、（ともう一つ何かでしたが今、思い出せません）では、

１）oligospermia（ちなみに正確には精液減少症と訳します。精子減少症ではありませ
ん）が生じうるので、妊よう性は低下するかもしれない。ただし中止すれば、
oligospermiaは一過性で終わる可能性もある。
２）染色体異常が発生するかもしれない。ただし通常、受精には正常な精子が使われるで
あろうから、その可能性は高くないだろう。
３）催奇形性は多分ないだろう。妊婦に投与するわけではないのだから。

と話しています。すべて断定することなく、考えられる、として話しています。

[2001年6月27日 6時5分12秒]

先日外来で、慢性関節リウマチの初発の方
の治療にMTXを処方した時、男性不妊の件
で質問されました。
先生方はどのような説明、対処をされてい
ますでしょうか？

Medlineで引いても、RAでのMTX使用時の
男性不妊のきちんとしたstudyはなかった
様です。

testosterone,やFSH, LHを測定したものや、
spermaの数をカウントして、spermatogenesis
を見たもの等有りますがRAでというのは、

J Rheumatol '94 Aug;21(8):1427-31
くらいです。しかしこの論文も、MTX
に関しては触れていません。

Arch Dermatol '80 Feb;116(2):215-7
には重症psoriasisで、MTX治療した若年男性
例で、sever oligospermiaになったが、MTX中止
で、元に戻ったとのことでした。abstractしか
見ていないので、doseやその後、子供ができたかまでは
わかりません。

[2001年6月26日 11時22分5秒]