16日に第2回ステロイド治療研究会に出席しました。
基礎的な話は、難しくてあまり理解できませんでした。
臨床の話では、京都府立医大整外科の久保助教授が、ステロイド性骨壊死を生じても、
ステロイドを減量する必要は無い、と話しておられました。壊死領域が拡大することはなく、、
再発率が低いとの報告があるし、自らの経験でもそうだとのことでした。つまり、
evidence は有るようです。しかし、そのevidence の強さがどの程度なのかは、はっきり
わかりませんので、以上、あくまで参考まで。寺井先生も参加されていましたが、この話に
どういう印象を持たれましたか?
その後、懇親会で埼玉医大の医療(投薬)ミスの件が話題になりました。
抗癌薬(ビンクリスチン)を週1回のところを毎日点滴したことが多分原因となり、
高校生患者が亡くなられたわけです。そもそも研修医が指導医にコンサルトしていなかった
のはおかしい、研修医が無知なのがいけないし許されない、薬剤部が気づかなかったのも
おかしい、看護サイドを責めるのは無理があるが、気がついてもよかったのではないか、
3−4日ぐらい連続して投与すれば麻痺性イレウスがほぼ必発なのできちんと患者を診察して
いなかったのではないか、など色々な厳しい意見がでました。
しかしながら一方で、あるドクターから、事故は信じられないことが原因で起こりうるのだ
とのエピソードを伺いました。フォリアミン5MGを週1回投与、と研修医に
指示したところ、なんと処方箋にホルマリン5MLと記載したそうです。当然、
薬局から問い合わせがあったとの事ですが、ホルマリンを内服させるなど、通常では
考えも及ばないことが実際には起こりうるわけです。
他山の石として、我々も気を引き締めなければいけないと痛感させられました。
[2000年10月16日 12時21分11秒]