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お名前： 梶山 浩
P-gp(P-glycopritein)とは、MDR(Multi Drug Resistance) gene が発現してできた、
細胞膜を12回貫通する膜蛋白のことです。（私の記憶が正しければ）恐らくは、細胞内で
異物とみなされ、なおかつglutathione-s-transferaseによってglotathioneがtagとしてつ
けられ、P-gpがこのtagを認識して細胞の外へ汲み出すといった仕組みだったと思います。
YB-1はそのP-pgの発現に関与する転写因子のことです。P-gp,YB-1ともに抗体があり、産業
医科大学ではflow cytometryで結果を出しています。
YB-1 は、細胞質にあるタンパク質なので、サポニンで細胞膜に穴をあけて、抗体を作用さ
せる様です。
PSL抵抗性P-gpにより成立していると考えられる場合、P-gp, YB-1ともに細胞での発現が高
くなっています。
[2001年5月21日 14時27分54秒]
お名前： 谷口敦夫
梶山先生へ：すみませんが P-gp,YB-1とは何かについて簡単に教えてください。
[2001年5月21日 10時15分38秒]
お名前： 梶山浩
遅ればせながら、
リウマチ学会に出席して
F 92 lupus nephritisのsession
F92-1 PSL+CY ; WHO�おイ�対象. CY pulse により各種データ改善みられ、PSL必要量
もへった。TOTALでPULSEは11~12回行っているとのこと。（始めの6ヵ月は 1/mo, その後
1/3mo.としていると。一度reissionになると少なくとも4~5moは落ち着いていることが多
い。尿蛋白が再発する前にデータ異常が出ることの方が多い。CY pulse ではmenstration
異常はなし。CY内服で生理異常の症例あり、と、大体知られているとおりのデータ。一度
CY pulse やめて再発しても再びCY pulseを行うことはしていないとのこと。本当か？）
F92-2,3 steroidミresistant あるいは副作用でsteroid使用できない例でCsA 使用。
尿蛋白とdisease activity抑制効果あり。副作用は高血圧と頭痛、眠気。Trough値は
50~200. CyA 100~150で行っている。NEJMでは5mg/kgなら（外国人では）安全といわれてい
るが、2mg/kgから始めている。
CyAをまだ誰もP-gpがらみのPSL-resistantの解除として使っている様子は無かった。CyAが
有効だった症例でP-gpを介したsteroid resistantであった患者がどの程度いるだろうか?
もしP-gpからみのものであれば、CyA trough を<50程度の低い設定でOKということにな
る。（W25-1で田中良哉先生もそうおっしゃっていました。さらに、CyAがPSL抵抗性を解除
した場合、4~5日で臨床的には効いてくるとのこと。うちのAOSDの症例についてはP-gpを介
したものの可能性もあるかも知れないがわからないとのこと。ちなみにW25-1はRAで、罹病
期間、DMARD抵抗性とP-gp,YB-1が相関した、というもの。）
CyA有効例は、中止すると再発が多いとされているため、有効であってもdose reductionが
躊躇されているようであるので、副作用を考えると臨床的にも重要であると思われる。
いわゆる,難治性膜性腎症にCyAが使われることもあり、inactive lupusに対するCyAはど
うかと思いましたが、そのような演題はありませんでした。
また、金沢大学の和田先生のケモカインの話で、腎炎の急性炎症の時、糸球体では,MIP1
α,間質の炎症ではRANTES, 腎機能が次第に悪化して行く慢性硬化期にはMCP-1という話が
興味深かったです。抗MCP-1抗体の１回打ちで、腎硬化が抑制鎖れた、というデータもある
様です。ケモカインはSScにおける線維化にも関係あるのでしょうか？MCP-1による細胞内
signalingとTGFβ,AG�△砲茲�signalingとのcross talkはまだわかっていないとのことで
す。
Symposium-6リウマチ性疾患とウイルス
1) S-6-1内在性レトロウイルスと糸球体腎炎、血管炎
全ゲノム中45%はtransposone element, 8%がLTRをもつ。何らかの形で、これらが発現すれ
ば免疫寛容は成立していないはずで、自己免疫反応が起きる。mouseの系での、gp70という
murine endogenous retrovirusと 抗gp70抗体と腎炎と血管炎の発症についてのデータ。
2) S-6-2 SLE発症におけるヒト内在性レトロウイルスの関与の可能性
HERV clone 4-1とSLEの関与について。SLEの患者血清中にはHERV clone4-1
のgagとenvに対する抗体が48.6%,19.6%で認められた。正常人血清には認めなかった。mRNA
レベルでも、正常人に比べ、SLE患者末梢血単核球中に多く発現していた。これは治療で低
下する。以前よりSLEのDNAでは健常人のものと比較しメチル化の程度が低いことが報告さ
れているが、健常人のPBMCを脱メチル化作用を持つ5-AZA中で培養すると、HERV clone4-1
gag mRNAの発現が亢進する。この脱メチル化は、drug-induced lupus syndromeの成因とも
考えられており、lupus症状を起こす薬剤は、DNAの脱メチル化作用を持つ。 また、HERVの
env遺伝子領域からのペプチドが、健常人PBMCのIL-2産生を低下させ、HLA分子細胞表面発
現増強をきたした。
3) S6-5 RAにおけるEBVの制御
RAの患者さんの白血球、リンパ球のSLAM-associated proteinのmRNA発現の低下がみら
れる。cDNAには変異無し。>> T cell NKcell機能低下 >> EBV cytotoxic T cellの機能低
下。このあたりとMTX-induced lymphoma何か関わりありそう。
最近のJRの報告によるとRAの患者さんのlymphomaはEBV(EBER-1)が28%で陽性で、健常者,
primary SSに比べ多いが、MTXの関与は不明としています。(しかし、RAのEB ミpositive
lymphomaの患者さんで、５人中４人がMTXを使用していました。) ~ J Rheumatol, ユ
01;28:47-53
[2001年5月21日 8時34分16秒]
お名前： 赤真秀人
医局員として、多分、私しか参加していなかった話題に関して。
１）COX阻害だけがNSAIDsの作用機序か？(聖マリの川合教授）
一部またはほとんどのNSAIDs には、PPARgamma活性化、proMMP-1,3阻害、IkappaB kinase
beta に対する作用などもある。よって、NSAIDといえどもDMARD的なところがある可能性はあ
る。ちなみに、岡本完先生が得意（そうな）PPARgammaについてですが、NSAIDs、15dPGJ2、ノ
スカールなどの糖尿病用薬がそれぞれ活性化する。しかし、残念？なことにNSAIDsはそのCOX阻
害作用により、15dPGJ2産生を抑制してしまうようです。
２）リウマトイド結節かリウマチ結節か、リウマトイド因子かリウマチ因子か？ などの用語に
ついてのセッションで。
リウマトイドを用いるべきとの意見が多かった。しかし、リウマチ反応はリウマトイド反応とし
ない方がよい、との意見が多かった。ただし、小児科ドクターから、リウマチ反応というと、溶
連菌感染の反応（ASO）としても使われた歴史があるのでは？とのコメントあり、それに対する
反論はなし。また、リウマチ反応に対応する英語(学術用語）はない模様。マニアックな意見や
考え方が多かったが、私はそれなりに楽しめた（ということは私もマニアックなのだろう）。
追伸：ただし、実際の学会場では（このセッション以外ではの意）、「非常に偉い先生方(複数
です）」が、RAのことをリウマチと平然と話されていたのが印象的だった。
[2001年5月18日 14時32分6秒]
お名前： 山中 寿
今年の学会は「聞く人」ではなく「話す人」状態でしたのであまりしっかり拝聴できませ
んでした。
面白かったのは、東京医科歯科大森田先生のCOX-1, COX-2のランチョンセミナーです。
１．COX-1もある程度inducibleである。
２．通常のアラキドン酸濃度ではPGは生理的にCOX-2が作っている。
３．COX-1は時間的余裕がないときに使われ、COX-2は時間的余裕があるときに誘導され
て使われる。誘導には３時間かかる。
４．したがって、COX-2特異的阻害薬は 急性炎症には弱い。
５．COX-2は腎で必要。
６．COX-1/2比は低い程よいわけではないだろう。ある至適範囲があると考える。
時代劇調に「COX-1良い者、COX-2悪者」と考えていた者には「目から鱗」のセミナーで
した。
[2001年5月18日 12時43分23秒]
お名前： 谷口敦夫
5/14：ランチョンセミナー
シェーグレン症候群における新しい知見（江口教授）
1.雪印の新しい薬（SN...)が秋ごろ発売予定
2.自験例で耳下腺にプレドニン1mlの注入が有効なことあり、一部で耳下腺造影所見の改善
例も
3.長崎では長崎一般人口の各年齢別のHTLV-1陽性率よりも長崎のSjS患者の年齢別の陽性率
が高い。HTLV-1のSjS疾患寄与率は35％くらい。RAについては14％くらい。しかし、長崎県
でSjS患者が有意に多いかどうかについての数字はない（もっとも日本人でも有病率の報告
もないらしい、外国では２％くらい）。しかし、RAについてもこのような数字は相変わら
ずなし（RAについては日本人有病率は0.3％です）。
4.弁当は中くらいか中のやや上
5/15 W-36
1.silica exposureがANCA関連腎炎のrisk factorになる。
2.オノン（トロンボキサン合成阻害）とChurg-Straussが関係する。
3.頭痛の原因のひとつに肥厚性硬膜炎というのがある。MRIでガドリニウム造影をして診断
する。この一部にMPO-ANCAが関連している。
4.VP shuntにはシリコン製tubeが使われるが、これで自己免疫疾患が起こることあり。
RR4-5。今回はVP shuntによるANCA関連血管炎の報告が有り。第１例らしい。
[2001年5月17日 10時48分54秒]
お名前： 田中 栄一
1. APS-小池先生教育講演：流産繰り返す人の予防は、低分子ヘパリン（+アスピリン）を
使うのが一般的。しかし、日本のみ使用禁忌。欧米では、成児得られていると。抗CL-ab
のみ陽性の無症侯性の人も、アスピリンやワーファリンで積極的に治療を。
2. F33-2：MTX, CsA, PSL抵抗性Adult-stillにIL-6 receptor-abが著効。
3. W34-4：掌蹠膿疱症性骨関節炎で、扁桃腺炎の既往あるものに、4/6に扁桃切除術が有
効。ダイドロネルも有効なことあり。
4. F52-1：RAで胃腸症状ある人に内視鏡。Hp感染は、びらんで多いも、潰瘍では少な
い。RAでは、Hpの除菌の必要なしと。（フロアからもちろん反論多し。）
5. F52-2：長期経過のRAでは、Hp感染は少ない。NSAIDs使用が、減らしている原因でな
いかとのsuggestion。
6. F62-2：RAのQOLにWHO/QOL-26を使用。HAQのような身体的質問だけでなく、社会
的、精神的な項目あり、15分くらいの簡単な質問で、大変有用だったと。
とりあえずの第1報です。
[2001年5月16日 0時52分47秒]
お名前： 岡本 完
5/15自分の発表も含めて１時間３０分参加しました。
RAの病因、病態のセッションで、神戸大学保健学科からの発表で
１）RAの滑膜増殖にc-fos/junの活性化によるwee1発現増加、p21発現低下など細胞周
期の亢進がある。c-fos活性化の原因は不詳とのこと。
２）Dbl変異型がDbl野生型よりもNF-kB活性を上げると報告。しかし、説得力に欠ける
データと個人的には思いました。
以上です。
[2001年5月15日 16時42分43秒]
お名前： 鎌谷直之
今日からリウマチ学会が始まりますが、この掲示板
で発表を聞いて得た知識を掲載しましょう。
会場が分かれているので全体を聞くわけにはいかないので。
それから、先週の戸松教授の講演をビデオに取っています。
医局の石垣さんに言えば医局員は見ることができます。
Landmarksや基本的な関節の動きの記載法などよくわかって
良かったですね。次回は上肢です。
[2001年5月14日 5時47分3秒]
このテーマについての発言をどうぞ。
※半角カナは使用しないようにしてください。文字化けします。
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