記事タイトル:Felty症候群 


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お名前: 陳 じ仰   
またこの症例に追跡を続けます。
新しい発現があれば、皆さんに報告しますので、宜しくお願い致します。
[2002年2月5日 14時0分22秒]

お名前: 赤真秀人    
陳先生:

1)梶山先生のコメント中の感染症による、とは、感染性関節炎というより、反応性関節炎
(reactie arthritis)一般により近いのではないでしょうか?

2)私はあくまで想定でですが、本症例がRAであるならば、「RAに原因不明の好中球減少を伴
ったFelty症候群」なのか、と考えます。
[2002年2月2日 13時31分52秒]

お名前: 陳 じ仰   
梶山先生こにちは。先生のことをちょっと思い出しました。この症例の病歴については、関節痛
の発症前に白血球減少を認められたことがなく、発症してから認められました。ヴィルス感染に
よる好中球減少の可能性が否定できないが、現在この症例は熱や咽頭痛や好中球減少が治りまし
たが、関節炎はまだすごくひどいですから、感染性関節炎の可能性がちょっと低いかなと考えて
います。この症例の好中球減少は自然寛解に入れず、MTXの投与による治るのは、私の文献調
査によってFelty症候群の他、どな病気が可能でしょうか?もしこの症例は赤真先生のおしゃっ
た通りRAに原因不明の白血球減少であれば、MTXの有用性も今後白血球減少の治療に参考に
なれるでしょうか?
この問題について、宜しくお願いいたします。
[2002年2月1日 12時58分35秒]

お名前: 赤真秀人   
以上の議論を通じて、私は突如、Felty syndromeの専門家?になれた気分です。

陳先生、これからもどんどん発言をお願い致します(本症例に限らずなんでも)。
[2002年2月1日 11時48分14秒]

お名前: 梶山浩   
陳先生こんにちは。梶山です。直接お話したのはあまり多く
無いので私のことがidentifyできないかも知れません。
学会などで寺井先生の傍でうろうろしているちょっと太めの、横綱貴乃花
に似ている男です。宜しくお願いいたします。といっても普段相撲をして
いるわけではありません。フットサルというミニサッカーを少々しており
ます。

先生の症例に関してですが、具体的にはいつ頃から好中球減少があったの
でしょうか。ウイルス(とくにparvoB19)感染症による好中球減少と関節症
状が自然軽快した可能性は考えられないでしょうか。また、現在までの既
往で同様な関節痛を自覚したり、白血球減少を指摘されたことがありまし
ょうか?

さて、好中球に関わる抗体に関してですが、血小板のPAIgGとPBIgGと同様、
NAIgG(IgGが付着している好中球の比率で表現します。従って患者さんの
抗凝固剤入の全血を解析します。)とNBIgG(患者さんの血清中に、どれだけ
標準好中球に付着するIgGが存在するかで表現します。)があります。実際
本当に特異的な好中球に対する抗体をみているかどうか評価が難しい場合も
ありますが、私は以前SLEで好中球減少症を呈し、NAIgG 70-90%で
NBIgG陰性の方を経験しました。ちなみにこの症例も脾腫はありませんでした。
過去の報告によると、免疫機序により好中球減少を呈する場合はNBIgG+NAIgG-
の場合が多いようですが、上記症例では治療によりNAIgGが著明に低下し、
血清IgGや血清免疫複合体の動きにくらべてもその低下は非常に大きかったた
め、NAIgGが好中球減少に関与したと考えました。
 その他、NBIgG+NAIgG-の自己免疫性好中球減少症で、発熱、再発性口腔
内アフタ、陰部潰瘍を呈した症例も経験しました。
 私が以前所属していた群馬大学第3内科の症例で、やはりfeltyで白血球
減少で、若干NAIgGが陽性であった症例があったと記憶ししています。この
症例は確かしっかり脾腫もあったと思います。ただし、NBIgGのdataは知り
ません。 

あくまで、この臨床経験だけで話をしていますのでエビデンスとしては質の悪いものです
が、NAIgG,NBIgGの測定が病態の考察の一助になる場合もあるかも知れません。
[2002年2月1日 11時37分29秒]

お名前: 赤真秀人   
陳先生へ:

1)私はフェルテイでないと言っているわけではありませんので,念の為。少なくとも,
典型的なフェルテイーとはいえないだろう、と考えただけです。

2)上野征夫先生著のフェルテイー症候群には、脾臓の大きさは巨大なものからシンチや
CTによってようやく確認されるものまでさまざまであるが(Semin Arthritis
Rheum21:129-142,1991)
脾臓の大きさは好中球減少と並行しない(Ann Rheum Dis30:359-374,1971)、とあります。
同症候群の定義に,脾腫が必要かどうか疑問視され、RAに原因不明の好中球減少を伴っ
たもの、と定義する論文も出はじめている(Arthritis Rheum 38:1252-9,1995)、そうです。

3)私は,本証例は上記の「RAに原因不明の好中球減少を伴ったもの」に近いと思いま
す。ただ、その前にRAの診断を確実にする必要がありそうです。

4)G−CSF投与は,実際例の報告でも、また理論的にも(好中球が増えるので)RAが
悪化する可能性はもちろんあるわけですが、なかなか好中球が増えなくて重症感染の危険
が高い場合には、やはり使用をためらうべきではないような印象(あくまで印象)を持っ
ています。

5)抗好中球自己抗体について、梶山先生,一言,お願いします。
[2002年1月31日 16時56分20秒]

お名前:   
鎌谷先生と皆さんお久し振りです。
私の文献調査によっては、Felty症候群の診断基準に脾腫は必要な条件ではない論文もありまし
た(1)。一部の症例は白血球減少と抗顆粒球抗体があっても脾腫が認められませんが(2)、
一部の症例では白血球減少と脾腫が同時に出現でしません(3)。その原因はまだ不明ですが、
私は個人的に罹病期間との関連があると考えています。RAの罹病期間が長いほど、三つの診断
基準に満たす比率も高くなり、リウマトイド結節などの関節外病変も合併しやすいと思っていま
す。この症例は初発四ヶ月目ですから、もし一年以上追跡すればすべての病変が認められるかも
知れません。
Pseudo-Felty syndromeの診断については、LGL細胞が認められないので、可能な診断では
ないと思っています。
Reference:
1. Campion G, et al. The Felty syndrome: a case-matched study of clinical 
manifestations and outcome, serologic features, and immunogenetic associations. 
Medicine (Baltimore)69:69-80, 1990
2. Logue GL, et al. Felty's syndrome without splenomegaly. Am J Med 66(4):703-
6,1979
3. Spivak JL. Felty's syndrome: an analytical review. Johns Hopkins Medical 
Journal 141(3):156-62,1977
[2002年1月29日 18時27分23秒]

お名前: 鎌谷直之   
陳先生こんにちは。

私のみた典型的FeltyではRAはStage III、脾臓は肥大、好中球減少著明で
好中球特異的な抗核抗体がありました。
その後、二人くらいFeltyではないかという症例がありましたが、十分満足
できる証拠が無く、よくわかりませんでした。
昔なら、脾腫もはっきりせず、またRAも初期ならFelty症候群とは
確定診断しないと思いますが、赤真先生最近の考えではどうでしょう。
診断基準のようなものはあるのでしょうか。
[2002年1月28日 17時17分12秒]

お名前: 陳 じ仰   
この症例に関して一部の検査データを書き込まずすみませんでした。
この症例は発症からわずか四ヶ月で、レントゲンはまだ骨破壊がなく、Stage I と分類しまし
た。その他、抗DNA抗体および抗ENA抗体はすべて陰性で、蛋白尿や胸膜炎などのSLE所見がな
く、SLEの診断は付けられないと思っています。
好中球(顆粒球じゃなくて、書き間違えました!!)減少の治療について、G−CSFを投与す
ると関節症状がひどくなる研究が多いので、この症例に適応できないとおもっています。
[2002年1月28日 9時58分41秒]

お名前: 赤真秀人   
陳先生、お久しぶりです。台湾はクロロキンを使えるのですね!

 Felty症候群の定義に関しては、いろいろな考えがあると思いますが、私は基本的に少なくと
も典型例に関しては、
SLE的でやや重症なRA、とまずとらえます。(しかし、学会などで、このようなことを、うかつ
にしゃべってはいけません。あまり臨床ができないのに難癖をつけたがる医師か、逆に臨床ので
きすぎる本当に優秀な医師にたたかれてしまうかもしれませんので・・・。)

 よって、陳先生の症例は、もちろんFeltyなのでしょうが、念の為、非典型的な
SLEでないか、ないしRA-SLE(いわゆるrhupus)でないかを、再考してみてはいかがでしょう
か? リウマトイド結節はありますか? 脾腫はなくても良いでしょうが、やはり欲しいところ
です。顆粒球減少は、ひょっとして抗顆粒球抗体によるのではないでしょうか?(この点につい
ては、当センターの梶山先生が非常に詳しいはず)、常に鑑別すべきとされるpseudo-Felty
(large granular lymphocyteが増える疾患)も考えておく価値はあると思います。

 私は比較的長く?リウマチ科におりますが、定型的Feltyの経験は1例しかありません。貴重
な症例の今後をまた教えてください。あと、今後、顆粒球減少に困ったら(やはり感染症がこわ
い)、G−CSF投与もご考慮下さい。
[2002年1月26日 10時20分11秒]

お名前: 谷口敦夫   
陳先生、お久しぶりです。
ところで、この症例はレントゲンでも明らかな骨病変がありますか?また、罹病期間はど
のくらいでしょうか?
[2002年1月25日 23時48分46秒]

お名前: 陳 じ仰   
最近、私はFelty症候群の一例を経験しました。
症例は50代の女性が急に発熱、多関節痛、咽頭痛がありました。この患者はまず台湾大学の外
来を受診し、RAと診断され、NSAIDおよびHydroxychloroquineを投与しました。血液検査に
WBCが2300まで低下すると発現されましたが、何かの診断も付けられませんでした。治療
が無効で、私の外来に転院しました。当院の血液検査ではWBCが1800と低下し、腹部エー
コでは脾臓腫脹がなく、ANA 160倍、RF陽性でした。白血球の分類では顆粒球の減少を
認め、Felty症候群と診断しました。最初は白血球の減少を心配し、DMARDはメタルカ
プターゼを選択し、ステロイドは10mg/dayを投与しました。投与後一週間に症状が改善し
ましたが、翌週また再燃し、全身関節の腫脹がひどくなりました。メタルカプターゼを三ヶ月投
与しても症状や白血球減少が改善できず、文献調査によるMTXが白血球減少に有効性の可能が
あるため、MTXを週5mgから治療を始めました。投与後2週間白血球数が6000代に上昇
し、有効性を認め始め、MTXを7.5 mgまで増量しました。投与後四週間白血球数が正常範囲
を守り、関節症状も大分改善しました。今この症例の追跡が続いて、他のDMARDを合併治療
しようと思っています。
この症例について何か御意見があれば、是非教えて下さい!
[2002年1月25日 16時26分52秒]

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