少し前の症例検討で診断基準で診断してはいけない?というのが話題になった
と思います。実際のところ、RA、SLE等については分類基準です。私自身は分類基準に
ついての考え方はArthiritis Rheum 1976 vol19 243-248のdiscussionに示されている
と考えています。ここでは、ARA criteriaは予後や治療の比較のために患者集団の
均一性を示すために作成されたものである、というようなことが書かれています。
しかし、最近、たとえばシェーグレン症候群のヨーロッパ分類基準の文献を見ても
「この基準を用いて診断すると...」などという記載が出てきますので、混乱があるの
かもしれません。(しかし、この場合でも決して個々の患者の診断にこの分類基準
を使っているわけではないと思われます。)(ARD55:116-,1996)
「この分類基準には除外基準が設けられていないから...」という話がときどき出ますが、
これはむしろ当然と思われます。「予後や治療の比較のために患者集団の
均一性を示す」には除外基準が必要であるとは思われないからです。
最近ではseronegative spondyloarthropathyのESSG分類基準(A&R34:1218-、1991)というのがありますが、
この基準が発表されてから最初に行われたのはサラゾピリンのseronegative
spondyloarthropathyに対する治療効果の検討でした。
[2000年5月26日 9時4分47秒]