記事タイトル:Dr. SinghによるJ-ARAMIS評価
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お名前: 鎌谷直之
それから、最近、統計学会などのほかの分野の人と議論することも多いのですが
(そのようなことがこれから最も大切なことだと思います)、そのとき最も
困るのが、「あなたのそのことばの定義は間違っている。なぜなら、うちの
業界ではそうなっている」という議論です。
業界の違う人が議論するときは、それぞれの業界のしきたりを持ち出してはいけません。
もっと、それが定義された理由の根本から話し合わないと議論はかみ合うはずは無いのです。
事前確率や尤度比の問題も、これまでの業界のしきたりでなく、その定義の根本から
考えないとどちらが正しいということはできないでしょう。
[2002年3月4日 15時12分24秒]
お名前: 鎌谷直之
赤真先生、ありがとうございました。私も臨床疫学で用いられる用語の概念を勉強したい
と思います。しかし、私はそれを理解しているつもりです。しかし、問題があると思って
いるので、問題の無い形でも使えるということを言いたいのです。
[2002年3月4日 12時55分13秒]
お名前: 赤真秀人
私も短時間ながらSingh先生と話せて勉強になりました。非常に親切にいろいろ教えて下さいま
した。気づいたことを書くと、
1)Singh先生が何と思おうが、何と言おうが、J-ARAMISとARAMISの結果が異なる場合こそ、
面白いと思います。ただし、適切な解析方法を用いた結果でなければ何も言えないのは当たり前
ですが・・・。
例えば、仮にですが、日本ではアメリカほどNSAIDによる上部消化管障害が多くない(しかもも
し極めて少ない)のであれば、それは非常に興味深い結果でしょう。人種差、用量差、外来で内
視鏡をすぐできるかなどの差もさることながら、実際に予防効果があるかは不明ながら、胃粘膜
保護剤をアメリカで日本ほど処方しているとは思えませんし。
2)相補・代替療法に関して、Singh先生が「非常に」興味を持っておられたことを、私はうれ
しく思いました。良い、悪いは別にして、現実に多くの患者が代替療法を使用していることは事
実であり、このことに関心のない医師は、患者のことをあまり考えていない良い臨床医ではな
い、か逆に真の科学的臨床医である(ただしありすぎる)、のどちらかだ、と私は常々思ってい
ます。
3)今まで何回か書いてきましたが、疫学における統計学では、事前確率はたとえば有病率
prevalenceであることが多いです。もちろん、事前確率はいろいろ変えられますが・・・。
また、尤度比、との用語一つをとっても、鎌谷先生の直観的かつ理論的に考える 尤度比 とは
異なる用い方がされることがあるのではないでしょうか? よって、一般医師(我々のこと)が
使う用語を、鎌谷先生にも是非、勉強していただかないと、今後、私たちとの議論がかみ合わな
い危険性が生じかねません。・・・・以上、生意気なこともあえて記載しました。
文責 赤真
[2002年3月4日 12時12分4秒]
お名前: 山中 寿
研究デザインがいかに大切かがわかりましたが、実際に動きだしてからでないと問題点
がわからないこともあります。今回はそれを実感いたしました。
皆さん、臨床疫学をもっと勉強いたしましょう。
[2002年3月3日 16時50分17秒]
お名前: 鎌谷直之
これを機会に、疫学に使われる統計学を皆で勉強しましょうよ。
Case-cotrol studyとcohort studyの本質的な違い、case-controlではodds ratioが
疾患頻度が小さいときにはrelative riskに近いことはこの掲示板でも議論されましたよね。
Censoringの問題も、冨田さんが得意です。Bootstrapなどの最新の手法も使えます。
私もMarkov chain Monte CarloのDA algorithmによりcensoringを解決するプログラム
を書いたことがあります。
これらの問題は実際のデータを扱う中で勉強していけばよいと思います。
私も疫学に関しては経験が薄いので勉強していきたいと思いますので、山中先生
よろしくお願いします。
[2002年3月3日 6時58分34秒]
お名前: 山中 寿
すみません。Right censorinigとLeft censoringが逆でした。
Left censoring:過去と現在の事象のこじつけなど
Right censorinig:追跡不可能によるデータのバイアス
[2002年3月2日 9時3分30秒]
お名前: 鎌谷直之
解析に冨田さんか、統計学者を加えたらどうでしょう。
少なくともアドバイスをしてもらったら?
[2002年3月1日 22時45分38秒]
お名前: 山中 寿
追加分です。
2002. 2/28-3/1 Dr. G. SinghによるJ-ARAMISの評価と問題点
1.システムは回っている
2.J-HAQ論文は良い出来である
3.脱落例の追跡が必要。ARAMISでは99%追跡している(電話にて)
4.Eventの発生の確かさについての認識が必要:入院を必要とする重症例に限る?
5.Descriptive data(現状調査)については十分なデータがあるが、解析してはいけな
い。相関を性急に求めてはいけない。変動しないもの(性・身長など)との相関は出して
も良いが、変化するもの(体重・HAQなど)との相関は同時期でなければならない。
6.心血管病変の頻度などはARAMISでも評価できていない困難なテーマである
7.解析方法には問題が多い
1)J-ARAMISは、Case control studyではなくCohort studyであることを認識するこ
と。両者の混同が見られる
2)IncidenceとPrevalenceの違いの認識:
Incidence:過去にeventのない集団を対象にprospective studyを行って発生率を算出
する
Prevalenceの違いの認識:Cross sectionalな解析における頻度
3)ORとRRの違いの認識:ORはCase control study、RRはCohort study
Right censoring:現在の事象と過去の事象のこじつけ
Left censoring:追跡不
[2002年3月1日 15時37分20秒]
お名前: 山中 寿
Dr. Singhが2日間滞在し、J-ARAMISについて評価と有意義な指摘をくれました。
1.システムに関しては脱落例に関しての追跡調査が必要であること
2.解析に関しては、疫学的に無理があるものが多いこと
が主な指摘でした。
特に2.に関してはJ-ARAMISデータを解析しているDr全員でもう一度解析をやり直す必
要があります。
続きを書きますので、今日はここまで
[2002年3月1日 14時16分49秒]
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