順天堂大学膠原病内科30周年記念講演会に参加しました。
順天堂大学医学史 酒井シヅ教授の「リウマチ史話」の一部
1.関節炎らしき症状の日本最初の記載は山上憶良74歳時の記載で、10年前から罹患している。
すべての関節が針に指されるように痛むと述べているが変形については書かれていないようだ。
RAかどうか不明。
2.RAの罹患患者としては、ルーベンス、ルノワール、ノーベルらが有名だが、すべて男性。
女性ではアガサクリスティ。またシェークスピアも?。
3.中世ヨーロッパのリウマチは痛風や他の関節炎疾患を含む概念。RAを規定したのは
Guillaume de Baillou (1538-1616)で、ここで初めて痛風が分離。ただし、一般的には
西洋でも東洋においてもリウマチ、RA、痛風の区別はずっと不明確なまま来ている。
4.明治11年に順天堂第3代当主、佐藤ススムがオーストリアのビルロートのもとから
帰ってきて、「リウマチス性関節炎」と記載した文書がある。これが日本のRAの最初の
記載かもしれない。
歴史の流れからもリウマチ学における痛風の重要性を再認識する必要性を改めて感じました。
何らかの機会に酒井先生には是非、お話いただきたいと思います。
[2000年6月25日 14時38分2秒]