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お名前： 梶山
といいましても、やはり、実際スコアリングしてみると
やっぱりWHO分類で4型がactivity index, chronicity index
共に高くなります。したがって、純粋に組織の重症度を見る
スコアとしては良い訳です。
僕の考えでは、activity indexはある程度治療に反応するは
ずのものなので、確かに、組織学的にactiveなindexであろう
が、なおってしまうのなら予後にはあまり関係しないのでは
無いか。4型は予後がいい？の話もここにみそが有ると思われ
ます。4型はactiveなので全例しっかり治療して、腎組織所見
も改善する訳です。しかし５型の3,4型のsuperimposeはやはり
尿蛋白が消えにくい分、chrinicな病変が出現する確率も高い
と考えられます。
したがって実際、腎機能予後を考えるindexをつくるのなら、
組織学的には、従来のchronicity indexにもう少し重点を
置くとか、何か、不可逆な病変が生じたとき出現する細胞
やマーカーをindexに取り入れるとか、臨床的なスコアと
して、高血圧や糖尿病や高脂血症などの合併の有無やrelapseの
回数、血清学的活動性、ステロイド使用量、など、を取り入
れるなどしてindexを作ると良いのではと思います。
[2002年5月29日 23時46分49秒]
お名前： 赤真秀人
つけたしです。
好中球にはコリナージックレセプタはない（らしい）。
ChEが危険域まで低下したら、CYを減量か中止すれば、またChEは増加する。
ループス腎炎の治療に関しても，少し今井先生の意見を聞いてきました。
activity index, chronicity indexに関しては、NIHのグループが提唱していて、日本人はす
ぐ信用してしまうが、アメリカでは批判が多い。現在、反NIH派が中心となって、新たな指標を
決めようとしているようだ。NIH派は、CYパルスで1回にCYを1.7ｇも使用することがある。反
NIH派の何とかとかいう高名な先生は、0.5g/体表面積ｍ２ を基準としている。日本の現状は
こちらに近いのではないか。・・・・とのことでした。
先日の京王プラザHにおける群馬大学内科の野島教授の講演でも、activity index,
chronicity indexをあまり重要視されておられない印象を私は受けました。この点、どうなん
でしょうか、梶山先生？？！？？
[2002年5月28日 22時57分57秒]
お名前： 梶山
赤真先生ありがとうございました。
今井先生のこのCY時のChEによる副作用の判定は
論文になってますので昨日検索してたのですが、
論文を見つけることが出来ませんでした。
[2002年5月28日 19時5分11秒]
お名前： 赤真秀人
現在、京都の国際内科学会に出席しています。ポスターセッションでは、英語に加え、
日本語と関西弁も飛び交うちょっと不思議な学会です。
以下を、秋田大学今井先生にお会いできたので、直接伺いました。
CYの副作用をChEを測定し下がってくることで判断、とのことですが、CYのどのような副
作用が ChE低下で予測できるのでしょうか？
免疫不全と関連するような感染症（帯状ヘルペス、サイトメガロ、カリニなど）の発症
を予測できる。白血球減少が生じてくるのをより早く推定できる。血清総ＣｈＥは、
ＣＹを経口投与するとほぼ対数的に低下し、基準値下限の６５％あたりを切ると、その
後、感染症が生じやすい、とのデータを１００例ぐらいを解析して出した（IV時にはも
う少し複雑らしい）。ステロイド単独やアザチオプリンではそのような傾向は認めな
い。
元々は、教授回診時に、ＣＹ治療中のリンパ腫で、ＣｈＥ低値例があり、どうして
だ？、と質問された。そこで、厚生省班会議？の調査結果をみたら、１例だがＣＹの副
作用としてＣｈＥ低下が載っていた。よって、それから皆で調べてみた。
ＣｈＥが低下するとなぜ感染症が起き易いのかは現在のところ不明。しかし、リンパ球
にはコリナージックレセプタしかない（らしい）。マクロファージにはアドレナージッ
クとコリナージック双方のレセプタが存在する。このことが何か関係していないか、な
どと考えているがあくまで想像の域を脱しない。・・・・とのことでした。
本当にＣｈＥ測定が有用だとしたらですが、１症例検討から始まった有意義な臨床研究
と私は思います。
[2002年5月28日 13時58分30秒]
お名前： 谷口敦夫
有益なご報告ありがとうございます。
秋田大学今井先生のお話の中で，CYの副作用をChEを測定し下がってくることで判断、との
ことですが、CYの どのような副作用が ChE低下で予測できるのでしょうか？わかりました
ら教えて下さい。
[2002年5月27日 13時0分18秒]
お名前： 梶山 浩
第45回日本腎臓学会学術総会に参加して
5月23日，24日と日本腎臓学会学術総会に参加してきました。私の演題は24日にありposter
sessionで,ループス腎炎腎組織中のニトロチロシン（NT）形成ということで発表してきまし
た。WHO�厳燭凌娜蠅鯆茲靴心擬垠欧罵�意にNT陽性になる症例がほかのカテゴリーに分類された
腎炎を発症した症例群より多く、腎組織所見のchronicity indexや間質線維化、血清CrとNT陽
性度が正に相関したので、腎機能予後とNTが関連するかもしれないといった内容です。
個人的には今回はとても勉強になりました。その一部を紹介します。
１ イムランについて
以前医局ネットでイムランのことがちょっと出てきましたが，秋田大学の今井裕一先生から、
NIHグループのlupus nephritisのdata(mPSL pulse+ CY pulse)は死亡や感染症が多く、危険
な治療であって、Lewis先生が、PSL+CY(10w)の後AZAも考慮すべきという反論を、NIHグループ
の論文がでたAnnals of Internal Medicineのおなじ号に載せているというお話がありまし
た。
また、二日目にあった、血管炎で有名な、North Carolina大学のRonald Falk先生が
ANCA-related glomerulonephritisの講義のなかで、Wegenerの腎障害の治療でPSLに加えCY
内服した後、一部をAZAにして、また、一部はそのままCY内服を続けていても、その後数年の腎
機能や血管炎による障害度の差は出ないとした、ヨーロッパのデータを引用しておられた。当セ
ンターではあまりAZA使いませんが，寛解導入はやはりPSL, CYなのでしょうが、維持療法で
は、副作用などを考えてAZAを選ぶことがあってもいいのでは？という考えを再確認できまし
た。
秋田大学今井先生のお話の中で，lupus nephritisの組織病変の指標として、可逆的な急性組織
所見のindexであるactivity indexと非可逆的な組織所見である硬化性病変のindexである
chronicity indexより、更に、腎機能予後判定に役立つ指標を現在国際的に検討中であるとい
うのがありました。また、CYの副作用をChEを測定し下がってくることで判断なさっているとの
こと。
２ Wegenerの病態
Falk先生のlectureの中で,Wegenerの病態の新知見として、活性化を受けPR3を含む顆粒を細胞
表面に移動させた好中球が更にIL-8やANCAの働きでPR3を分泌させた後，PR3は内皮細胞に取り
込まれ、NFkBを分解し、apoptosisを引き起こすとのこと。
3 シンポジウム糖尿病性腎症から
＊スタチンは脂質を下げることからだけではなく、腎に対する直接作用で腎炎モデルの尿蛋白や
基底膜の厚さを改善するとの事。具体的にはoxidizedLDLやPDGFが引き起こす糸球体構成細胞に
対するストレスを軽減する。
＊Na感受性と糸球体高血圧
ＤＭ腎症初期では、全身血圧高くなくてもNa感受性が高く糸球体内圧が高くなりアルブミン尿の
原因となる。ACEI, ARBとともに、糸球体内圧をさげるmanidipine, benidipineも治療薬とし
て選択を。−この講演で、人の糸球体内圧はどのように測るのかがやっとわかりました。ずっと
わたしは疑問でありました。よく薬の説明で出てくるのは、恐らく実験動物のものであると思わ
れます（micropuncture法）。Na利尿と圧の関係で計算で概算している(Cir Res 69, 421-
428, 1991)のだそうです。
その他、最近尿細管細胞のbrushborderにある尿酸transporter(URAT1)が見つかった,とか、
中村祐輔先生の話の中で，IgA nephropathyの疾患感受性SNPsとして、Ｅ-selectin, L-
selectinとか色々ありました。まとまりなく書いてしまいました。もっとあるのですが書き切
れませんのでこの辺で。あと、RAGEの話が聞けたのも大きな収穫でした。
[2002年5月26日 23時15分24秒]
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