記事タイトル:医師と製薬業界の癒着? 


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お名前: 山中 寿   
マスコミで医療記事を書く人の背景は様々です。新聞でも取材をする人は、科学部だった
り文化部だったり社会部だったりするわけで、それぞれの記者の視点は異なります。
私が言いたいのは、医師が取材に応じるときにそのことを理解して話さねばならないこと
です。このことが解らずに取材に応じて墓穴を掘った例は一杯あります。
鍵穴に正しい鍵を入れればドアは開くのです。
[2001年2月26日 10時53分24秒]

お名前: 赤真秀人   
皆さんの意見とほぼ同じですが、以下の点は異なるかもしれません。

私は、日本の製薬企業が外資系に取って代わられても、仕方ないと思います。それ
どころか、いくつかの企業は早くそうなった方が目がさめるのではないでしょうか。
(もっとも銀行を見ていると、長銀、日債銀が外資系になっても日本の大衆や政治家、
大手銀行の目がさめているとは言えないように感じますが)

もちろん心情的には、日本企業にがんばってもらいたいですが、global standard (これ
とて、American standard に他ならないのだが)について行けなければ、脱落も
やむをえないでしょう。そうならないように、日本人、日本企業はがんばらなければ
ならないでしょう。

もし、いざ、戦争が起きたとき、日本人はよい薬が使えなくなる可能性はあります。
これも仕方ないことでしょう。そういう風に考えられない危機感のない人が上に立っていては
日本の未来は危ないでしょう。そうなって欲しくはないですが、そうなってしまうかもしれ
ません。
[2001年2月26日 10時10分2秒]

お名前: 谷口敦夫   
マスコミで医療関係を担当する人はある程度決まっているのでしょうが、
どの程度勉強されるのか、ということはいつも疑問に思います。マスコミの既定路線に
沿って、単に、記事になるようなことに飛びついているだけのようにも思います。
[2001年2月26日 9時12分22秒]

お名前: 山中 寿   
医師と製薬業界のつきあい=癒着=悪徳 という図式が過去(現在も?)にあったのは事実でしょう。
「悪貨は良貨を駆逐する」原則に従ってこの図式が一般大衆に染みついたのはごく自然なことだと思
います。ただし、これからは違うのだということを我々が示したいものです。東京女子医大はその意
味では行動しやすい組織で、私はJ-ARAMISは民活であるとの思いも込めてきましたが、実際、
J-ARAMISに寄せられる民間のパワーに驚いています。

マスコミの姿勢は問題かもしれませんが、医師が「良質でしかも大衆にわかりやすい」情報の提供を
怠ってきたことも大きな理由ではないでしょうか?我々は、情報を伝える相手のことを常に考えるべき
で、相手によって目線の高さを常に微調整するべきです。「我々がマスコミを育てる」のです。

「この程度の国民とこの程度の政治家」とは渡辺美智男が言った心に残る言葉でした。
[2001年2月25日 11時39分37秒]

お名前: 岡本 完   
鎌谷先生の意見に大賛成です。アメリカでは、大学などのAcademyと製薬会社をはじめと
したBio-Tech companyとが協力して新しい薬や治療法を開発するのはあたりまえで、
マスコミもそれを当然、国民のためになる事として理解し評価しています。Academyと
Bio-Tech companyの人材の交流も盛んで、製薬会社ですばらしい仕事をした人が大学の
教授になる事もよくあります。このようなAcademyとBio-Tech companyの協力関係が、
医療を発展させ、また国全体の産業を支えるのだと思います。やはり、日本のマスコミ
は、レベルが低いとしか言いようがないのでしょう。残念ですが。
[2001年2月24日 21時41分33秒]

お名前: 鎌谷直之   
日本の医療が大きな変革期を迎えようとしていると感じる。というよりも、
それは日本全体の、より大きな潮流の一部を構成しているにすぎないのであろう。
古い医療の考えでは、象牙の塔の偉い先生方が良心に従って患者に医療を施し、
製薬会社は偉い先生方におもねることによって甘い汁を吸う。国は患者の利益
よりも製薬会社の利益をはかり、それによって政治家や官僚は私腹を肥やす。
このような構図の中では政治家、官僚、製薬会社は、唯一患者の立場に立つ
良心的マスコミの攻撃のための永遠のターゲットであった。医師もまた、
専門的知識や専門的技術を仰ぐときは別として、特に政府や製薬会社と協力
する者すべては憎むべき存在であったのではないか。
このような古い医療の考えは急速に変わりつつあり、またもし変わらないとすると、
日本の医療の未来(あるいは日本そのものの未来も)は極めて暗いものと言わざるを
得ない。現在、生命科学が産業にも影響を及ぼす可能性が高まっており、中でもゲノム
研究はその中心的存在と目されている。古い医療の考え方では、それは患者を
食い物にする、憎い医師、科学者、製薬業界、官僚、政治家の陰謀である。
これについては、あるマスコミ人のインタビューを受け私が、彼に次のように
言った時の事を思い出す。「ゲノムの重要な特許を外国に取られると、日本の
患者は高い医療費を払うことになる」それに対するそのマスコミ人の答えは
「日本の製薬業者であろうと外国の製薬業者であろうと、患者が製薬業者から
収奪されることには変わりがない」というものであった。私の反論は「もし、
日本の製薬会社に収奪されたら、そこに自分や親族、友人が勤めて給料として
取り返せばよい、外国に行ったお金を取り返すのは難しい」というものであった。
現代医療において、その目的が患者さんの幸せであることはもはや当然の事である。
医療体制の充実や、研究体制の充実はそのためのものでなければならない。
そのような事を理解しない医師がいたら、それは徹底的に糾弾されるべきである。
以上のように考える人々は医師の間にも、国、製薬会社においても着実に増えて
いることは確実である。しかし、患者さんの幸福のためには良い薬が開発、
供給されねばならず、また国民が働く場としての企業の発展も当然大切なのである。
医師と製薬会社の協力が何もかも悪いというような考えはマスコミも一般の方々も
是非あらためていただきたいと思うのである。
[2001年2月24日 10時29分29秒]

お名前: 鎌谷直之   
以下は、ある雑誌にたのまれて書いたものです。


日本の医療が大きな変革期を迎えようとしていると感じる。というよりも、それは日本全体の、より大きな潮流の一部を構成しているにすぎないのであろう。
古い医療の考えでは、象牙の塔の偉い先生方が良心に従って患者に医療を施し、製薬会社は偉い先生方におもねることによって甘い汁を吸う。国は患者の利益よりも製薬会社の利益をはかり、それによって政治家や官僚は私腹を肥やす。このような構図の中では政治家、官僚、製薬会社は、唯一患者の立場に立つ良心的マスコミの攻撃のための永遠のターゲットであった。医師もまた、専門的知識や専門的技術を仰ぐときは別として、特に政府や製薬会社と協力する者すべては憎むべき存在であったのではないか。
このような古い医療の考えは急速に変わりつつあり、またもし変わらないとすると、日本の医療の未来(あるいは日本そのものの未来も)は極めて暗いものと言わざるを得ない。現在、生命科学が産業にも影響を及ぼす可能性が高まっており、中でもゲノム研究はその中心的存在と目されている。古い医療の考え方では、それは患者を食い物にする、憎い医師、科学者、製薬業界、官僚、政治家の陰謀である。これについては、あるマスコミ人のインタビューを受け私が、彼に次のように言った時の事を思い出す。「ゲノムの重要な特許を外国に取られると、日本の患者は高い医療費を払うことになる」それに対するそのマスコミ人の答えは「日本の製薬業者であろうと外国の製薬業者であろうと、患者が製薬業者から収奪されることには変わりがない」というものであった。私の反論は「もし、日本の製薬会社に収奪されたら、そこに自分や親族、友人が勤めて給料として取り返せばよい、外国に行ったお金を取り返すのは難しい」というものであった。
現代医療において、その目的が患者さんの幸せであることはもはや当然の事である。医療体制の充実や、研究体制の充実はそのためのものでなければならない。そのような事を理解しない医師がいたら、それは徹底的に糾弾されるべきである。以上のように考える人々は医師の間にも、国、製薬会社においても着実に増えていることは確実である。しかし、患者さんの幸福のためには良い薬が開発、供給されねばならず、また国民が働く場としての企業の発展も当然大切なのである。医師と製薬会社の協力が何もかも悪いというような考えはマスコミも一般の方々も是非あらためていただきたいと思うのである。
[2001年2月24日 10時27分43秒]

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