私も出席しました。
1)製薬企業の方が多かった(が、彼らは全く質問しませんでした)。遠慮されているのか
とも思ったのですが、休憩時間に私の耳に入ってくる会話を聞いてみると、質問できる
ほどの理解がなされていない人々が多かったようです。いつも私は鎌谷先生の話に
ついて行けないことも多いのですが、それでも世間一般の人よりはるかにわかっている
のだと感じ、自信を持ちました。
2)山中先生の報告のように、「ポストゲノムではなく、ポストゲノムシーケンスであり、
ゲノム研究は緒についたばかりである。」と複数の人が盛んに強調していました。
3)DR SNP, DS SNP をまとめて、DRS SNPと言っている人がいました。
ドクターズ スニップ です。
4)「連鎖不平衡」を良く理解していないと、講演で何を言っているのか良くわからない、
ということがわかりました。
5)Phamacogenomics と Pharmacogenetics は異なる概念(一部は重なるが)であるが、
最近は前者をもって後者も含めて考えることもあるとの事でした。しかし、反対意見も
あるそうです。
6)細菌にあって、線虫や酵母にはない、しかしヒトにはある遺伝子の例として、MAO
(monoamine oxidase)が挙げられていました。ヒトではイントロンもあり、細菌には
ないのでどうしてなのか?など、興味が持たれているそうです。
7)上の6)とも関連しますが、臨床医と基礎学者、そして製薬企業関係者で、興味を
持っている点が異なることの再認識をしました。これは、優劣や良悪ではなく、お互いに
協力し合っていかなければ、今後、うまく行かないのではないか、と感じました。
抗ガン薬の副作用に関係するDRS SNP例が基礎の先生から発表されていたので、私は臨床医
の立場から、やはり副作用の方が作用(効果)よりもデータがとりやすいので、適切な結果を
だしやすいのでしょうか、と質問したのですが、そこらへんの感覚を発表者は全くわからない
との事でした。
8)冗談半分でですが、ヒトの遺伝子が最終的に4万を越えるか否かを賭けようか、との話も
出ました。オッズは約9:1で圧倒的に4万以内との予想が優勢でした。ただ私なら、予期せぬ
何らかの可能性にかけて4万以上に望みをたくします。
[2001年3月5日 13時42分5秒]