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お名前: 梶山
赤真先生のお答えとほぼ私の意見と
同じです。
一応私が答えとするものは、
1) Vit D高値の場合:一応VitD内服(この前の異常行動をとった症例)、サルコイドーシ
ス、真菌感染症(本例の場合、meningeal cryptococcosis)など。肉芽腫がVitDを活性化し
ますので、高カルシウム血症が高値となる事があります。サルコイドでACEやリゾチームが
活性化したりするのも同じ機序だったと思います。
2)VitD低値の場合:赤真先生のおっしゃる通り、悪性腫瘍に伴うLOHです。本例ではVitDは
低値でありました。本例は20年前に手術したbreast cancerが骨転移で再発し、もともと腎
障害があり、排泄も低下していたため、高Ca血症も呈していました。Norvadex内服で一年
半で、ribs,左足のhot lesionが消失しました。ALPも正常範囲内ではありましたが、
Norvadex内服後徐々に低下。当初200台後半であったのが100台くらいに下がりました。本
症例は私が群大時代にclinical nephrologyにcase reportしたものです。
[2003年1月6日 23時20分22秒]
お名前: 赤真秀人
クイズに回答(解答ではない)します。
1) 活性型ビタミンD3高値なら、サルコイドーシス(もちろん他疾患かもしれませ
ん)。本症と仮定すれば、肉芽腫が活性型ビタミンD3を生成すると考えられます。夏に多
い(紫外線に浴びた後に皮膚のビタミンDのもとが活性型ビタミンD3になりやすい)かと
思いますが、夏ではなかったでしょうか? 夏だったら興味深いのですが。
夏に多い傾向がある、とは私の発想でなく、かつて内分泌学会で教えられたことです。
私は何々学会の学会員や学会専門医だから偉いわけではないこと、正しいことを言うとは
限らないことをもちろん認めます。しかし、コツ、を教えてもらうことは「臨床」で非常
に重要と考えます。科学的根拠と並んで重要と思っています。ですから、鎌谷先生がどの
ように主張されたとしても、どこどこで(学会でも出身医局でも病院でも良い)、あるい
は誰から、そのように教えられた、という事実も重要だし、それを皆に公表することにも
意義があると思います。何々学会に所属している人はそんな見方もするのか?、というこ
とを知るだけでも、世界は広がります。正しいのかは各自で判断するしかないけれども、
結果的に皆が、新たに異なった視点から物事を考えることができるようになると期待され
ます。
2) 活性型ビタミンD3低値なら?、ですが、悪性腫瘍に伴う、local osteolytic
hypercalcemiaはいかがでしょうか? クリプトコッカス髄膜炎は健康でも罹患することは
あるのでしょうが、何か基礎疾患がありそうです。悪性腫瘍と推測しますが、根拠はあり
ません。ちなみに、女性なので、喫煙歴無し、と勝手に想定すると、肺癌(扁平上皮が
ん)の可能性は低そうです。
[2002年12月31日 13時25分27秒]
お名前: 梶山
補足します。この症例は、血中VitD値によって、
その原因として考えられるものが変わってきます。
血中Vit Dが高値なら何が、また、低値なら何が考
えられるでしょうか。
[2002年12月29日 22時56分28秒]
お名前: 梶山 浩
症例は50才女性。中学校の美術の先生。G大学病院腎臓内科入院し、腎生検を試行、慢性間
質性腎炎と診断。Cr=3台であり、腎機能障害に対し、内服のイムランを投与され、退院後
は外来で経過観察されていた。大学病院腎臓内科より3ヶ月程前から、頭痛、後頚部痛出
現。次第に悪化し、1ヶ月程前から悪心、嘔吐出現。37-38℃台の抗生剤無効の発熱も伴っ
ていた。1週間程前より意識障害出現。再び同大学病院入院となった。
入院後、項部硬直認め、髄液墨汁染色にて、クリプトコッカスを認めた。髄液中のクリ
プトコッカス抗原も認め、クリプトコッカス髄膜炎と診断、AMPHの経静脈投与、髄注行う
も、意識状態改善せず。Brain MRにて髄膜肥厚所見あり。どこかに炎症性の癒着を生じ、
髄注ではより中枢側に薬剤が届かないと判断、脳神経外科にてOmaya reservoirを脳室に設
置。AMPHの経脳室投与を髄注と静注とあわせ行ったところ、急速に意識状態は改善。体温
も平熱に戻り、治療開始1.5ヶ月程で、会話と食事が可能となった。しかし、このころか
ら、高Ca血症出現。各種検査を行ったところ、
イオン化カルシウム 3.20 mEq/l(2.21-2.52)
intactPTH <3pg/ml (15-50)
PTHrP <1.0pmol/l(<1.1)
わざとkeyとなる情報を伏せてあります。このひとの高Ca血症の原因
として、考えられるものは何でしょうか。実際に私がG大で経験した
症例です。
[2002年12月29日 22時53分14秒]
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