CNS Lupusに関与する自己抗体として、従来からアシアロGM1, 抗リボソームP抗体、抗神
経細胞抗体、抗DNA抗体と神経細胞のリン脂質膜と交叉反応などが報告されていますが、
臨床的意義がいまひとつでありました。最近DeGiorgioらはマウスのmonoclonal anti-
DNA antibodyの一部が脳内のグルタミン酸受容体であるNR2に交叉反応し、神経細胞死を
誘導することを、in vivoおよびin vitroで示しました。一部の人SLE患者血清や髄液中
にも抗NR2活性を有する自己抗体が存在することもあきらかにしました。NR2をノックア
ウトすると学習、記憶などの高次機能に関与するとされています。血管炎とともに直接
脳神経細胞のアポトーシスをおこす抗体として面白い発見だと思います。
またエンドキサンパルス療法のエンドキサンの量について、ヨーロッパのSLE腎症研究グ
ループは多施設でRandomized trialを行い、従来の1g/m2/月3か月と一律500mg/2週3ヶ月
を比較し、腎症の改善に差は無かったと報告しています。
最近興味を引いた報告です。
[2003年1月20日 20時46分40秒]