理論的には薬剤の影響を受けた精子は受精能力を失うか、受精してもその卵は着床しな
かったり、妊娠早期に流産として消失する。出生に至るkの迂生があるとすれば染色体異
常が遺伝子レベルの異常で、いわゆる催奇形のような形態的な異常は発生しない。また、
薬剤の影響があるとすれば精子形成期間はおよそ74日とされるので、受精以内3ヶ月以内
の投与された薬剤である。射精の直前にはすでに精子となって蓄えられているので、受精
1-2日前に服用した薬剤の影響はむしろ考えられない。男性側の投与で胎児に以上が生じる
可能性が指摘されたのは、エトレチネート(チガソン)、コルヒチンぐらいである。男性
側に投与された薬剤の影響に関するデータはほとんどないが、女性側と異なり抗がん剤で
さえ胎児に及ぼす影響はほとんどないと考えられている。前述の2つの薬剤も現在は否定
的な見解が多くなっている。精液には20%ぐらいまでの一見して形態的に奇形のある精子
が含まれている。もともと受精は何億個かの精子のうち1個が選ばれる選択だから、たと
えばある薬剤で奇形精子が50%になったところであまり影響しないと考えれば理解しやす
い。
出典は不明です。教科書の一部のコピーをもらいましたので。
[2001年8月7日 21時44分6秒]