記事タイトル:日本リウマチ学会後記 |
1.以前から七川先生たちのグループでの疫学調査で有病率は0.3%でしたよね。統計手法だ けでなく、用いた診断基準自体にも問題があるのでは?最近はむしろ低下しているような 報告が多いように思います。 4.松田剛正先生のデータによればRAの患者さんの通院以外の費用の約50%が代替医療に使 われていることになりますね。さらに通院費用でもevidenceの全く無い漢方薬が処方され ている場合もあります。これも加えれば50%を越えるのではないか。 患者さんにしてみればワラをもすがる思いですが、そこにつけ込もうという商法もあるわ けですよね。先日も私の外来に通院する患者さんがパイロゲンという、飲むといかにも発 熱しそうな飲料がRAに効くというのでもってきてもらいました。成分表によると中身はあ まりたいしたものは入っていなくて、発熱はしないだろうと思われました。さらに、これ を勧めてくれた人の話によると、花にあげても効くらしい。もっとも、パイロゲンをかけ られた花はほかの花よりも一時きれいな花が咲いたものの、より早く枯れたそうです。患 者さんはこれを聞いてからパイロゲンを飲むのをやめたそうです。製造地は、なんと、三 重県津市でした。私は多少がっかりしました...。[2001年6月9日 13時21分58秒]
遅ればせながら、私が聞いた中で、皆さんとだぶっていないと思うことを書いて見ます。 シンポジウム リウマチ性疾患の疫学 1)居村先生:RA有病率は、人口の0.33%で30年前に比べほぼ50%の増加。 −−−統計の手法に疑問がある印象を持ちました。 2)広畑峻成先生:リウマチ性疾患と抗核抗体 RAにおいてFANA40倍以上は91%で陽性。カットオフ値は160倍にすべき。 RAでは、リウマトイド因子とFANA320倍以上との間に、相関はなし。これらの自己抗体の 出現機序は単一では説明できない。 RAでのFANAのパターンは、Speckledが最も多く、中でもSS-Aの頻度が高く、 Sjogren synd合併例が多かった。 以上よりRAにおけるFANAは合併する膠原病の病態を反映していると考えられる。 3)山田昭夫先生:RAの死因 感染症、呼吸器、悪性腫瘍、消化器、脳血管障害、循環器、腎、血液の順。 4)松田剛正先生:RAの社会経済的インパクト 主婦患者の家事における損失時間は年718時間=61.3万円。 男性RA患者ーー30%はRAのため減収。 発病が収入に影響ありーー58%。 通院以外の費用ーー内訳は27.9%が健康食品、7.4%整体、プール11.3%、鍼灸4.9%、 健康器具、温泉など5.9% 以上です。 松田祐子[2001年6月4日 19時54分59秒]