いわなの日記 2003年11月1日〜12月31日
![]() 2003年12月31日(水) トラ猫のダンちゃんが家に来て二日目。 ダンちゃん、怯えてしまってケージに6時間こもり、その後は机の後ろから出てこない。大好きなカルカンも食べず、水も飲まない。今朝、思いついて、マタタビ入りグルーミング・ブラシを柱につけてみた。マタタビの効果てきめんで、すぐ出てきた。少し慣れた。 2003年12月30日(火) 我が家に猫が来た。 ダンちゃんという名前の3歳くらいのトラ猫。T田さんの飼い猫で、きちんとしつけされていて、とてもお行儀がいい。お正月の間、預からせてもらうことになった。仲良くなるコツは、こちらからちょっかいを出さないこと、知らん顔して猫が寄ってくるのを2、3日待てと言われる。待てるだろうか? 2003年12月29日(月) 城之崎温泉に行った。 城之崎には7つの温泉場があり、旅館に泊まると、無料温泉券が使えて、ただで回れる。年末なのに大変な混雑で、まんだら湯の桶風呂など、ぎゅうぎゅうに混み合っていた。それでも、みな白熊のような身体を(ごめんなさい!)お湯に浸して、満足そうだった。来た甲斐があった。 2003年12月28日(日) 行きつけのお好み焼き屋さんへ。 牡蠣入りお好み焼きを注文して今年の締めくくり。野菜と高野豆腐の煮物をサービスしてもらう。ありがとう、Mさん。猫レンタルしてくれるT田さんを紹介していただいたお礼も。T田さんはさっぱりした人で「可愛がってくれるなら謝礼は受け取らない」と言うので、謝礼の相談も。 2003年12月27日(土) 猫のレンタルをしてくれるというT田さん宅へ。 案内された猫部屋は掃除が行き届いて冷暖房完備。8匹の猫たちはテーブルの下から、ドアの陰から、じっとこちらを見ていた。みな野良猫だったのを拾ってきて世話しているそう。シャムやアメショーの雑種もいる。心に傷を負った猫は姿を現さない。人懐こい猫は二匹、そのうちのダンちゃんというトラ猫を借りることにした。 2003年12月26日(金) 行きつけのお好み焼き屋さんへ。 「お客さんの中に猫のレンタルをしてくれる人がいる」と奥さん。大の猫好きの女性で、猫を8匹、犬を3匹飼っている。ただ相性があるから、面接してから決めるそう。猫への愛には自信がある。ただかわいがり過ぎて、甘やかしてしまうかもしれない。 2003年12月25日(木) メリー・クリスマス! と言っても私にとっては普通の日。普段と違うのは、コンビニのイチゴショートケーキを買って食べたくらい。近所に”TVチャンピオンのケーキ職人選手権”で優勝したM本シェフのお店”コンチェルト”があるけれど、疲れて行く元気なし。でも、コンビニのケーキもとてもおいしくて満足。 2003年12月24日(水) カトリック教会主催のクリスマス会に行った。 飲めや歌えや踊れやの宴会騒ぎを予想して行った私は、アフガニスタンの学習会の後、厳粛で真面目なミサが始まったことに驚き、不見識を恥じた。日本のクリスマスは意味不明のイベントだが、本来のクリスマスは精神的なものだった。この後、暖かい鍋パーティが始まり、夜は更けていった。 2003年12月23日(火) 久しぶり1時間もお風呂に入った。 普段の私にとって、お風呂というのはお茶碗洗いと同じくらい機能的な行為。所要時間はだいたい3分から10分、カラスも驚く行水 (a quick dip in the tub) だ。今日は久々の休日、昨日で仕事が一区切りついて、険悪状態だったF江さんが謝りに来た。それでほっとしたのかもしれない。 2003年12月22日(月) 和気あいあいと昼ごはんを食べた。 お昼はたいてい一人で食べるので、他の人と和気あいあいで食べるのは久しぶり。一緒に食べたのは I 木市で活動している「英語で語る会」の I 森さんとA田さん。英会話学校NOVAのエッセイコンテストの大賞受賞者や、ウェブ上で音読マラソンを主催しているKさんもこの会のメンバーだそう。みな、がんばっているなあ。 2003年12月21日(日) 今年度の「わけわからん大賞」(Foot In Mouth trophy)。 受賞者は米国防長官のラムズフェルド氏。"There are known knowns; there are things we know we know. We also know there are known unknowns; that is to say we know there are some things we do not know. But there are also unknown unknowns - the ones we don't know we don't know."「知 っていると知られていることがある。知っていると知っていることがあり、知らないと知られていることもある。つまり、知らないこともあるということを我々は知っている。しかし、未知だと知らないこと、つまり、知らないと知らないこともある」が評価された(?)。 次点はカリフォルニア州知事のA.シュワルツネガー氏。"Gay marriage is something that should be between a man and a woman."「同性愛の結婚は男女間で行われるべきものだ。」 彼は同性愛結婚に反対の立場のため、つい口がすべった(?)。 2003年12月20日(土) 昨日は寒かった。 昼間から木枯らし1号が吹きすさび、夜はさらに激しさを増した突風に煽られた。あちこちで看板や観葉植物が倒され、仰向けにひっくり返っていた。マフラーなどプレゼントしたら喜ばれる季節。好きな人からもらったマフラーはその場で首に巻き「ありがとう」と言おう。好きでない人からもらったマフラーは、もちろんもらうわけにはいかない。 2003年12月19日(金) Y先生の通訳ワークショップへ。 NHKラジオの『ビジネス英語』テキストを使って練習。英語を聞いてテキストを見ずに再現する、リプロダクション練習。シャドーイングが軽いランニングとすれば、リプロダクションは古タイヤをお腹にくくって走るくらい、きつい。Y先生、「それにしても、このテキストは難しい。日本全国で真剣に聞いている人は3人くらいちがう?」と言い、思わず噴出す。 2003年12月18日(木) A月さんと仲良くなる。 A月さんは、人の背後に色が見えると言う。人柄のいい I 上さんはオレンジ色の後光。変人のM上さんは青い後光。私は何色?と聞きたかったけど、聞く勇気がなかった。色が見えるから、心の中まで見えてしまって、とても疲れると言っていた。人の心が読めたら、とても疲れるだろうなと思う。 2003年12月17日(水) 朝からいいお天気。 太陽光がまばゆいばかりに明るい。窓の外の木々もすっかり葉を落とした。白い実だけが、きらきらと枝の上で光っている。色とりどりで地面を埋めていた落ち葉も色を失い、地面の上で踏み固められた。寂しいかというとそうでもない。色を控えた冬枯れの景色もいいものだ。 2003年12月16日(火) 鏡を見て気がついた。 私の髪はもともと真っ黒なのだ。ここしばらく、オレンジがかった茶色にカラリングしているので、ずっと忘れていたが、カラリングする前は、漆黒色の髪の毛だった。自分の本当の姿を忘れていたことで、軽いショックを受ける。 2003年12月15日(月) 人との出会いは宝くじに当たるようなもの。 稀有な偶然が積み重なった結果として、人と出会う。稀有な出会いだなあと思うたびに、貴重な時間を生きているような気がする。出会えてよかったと思う人が何人かいることが、今の自分を作っている。3年ぶりに、突然、知り合いが訪ねてきた。以前より元気そう、こんな再会もあるのだ、と思った。今年の4月まで、同じ職場で働いていた I 上さんにも会った。たくさん話をした。 2003年12月14日(日) I ヶ丘駅のプラットフォームで。 イタリア人のL氏に呼び止められる。「ヘイ、イワーナ・サン」と呼んで大きく手を振ってくれた。以前に一度、会ったきりなのに、よく私のことを覚えてくれていたものだ。「これからコンサートに行く」と言う。二駅ほどの間、電車で一緒。L氏はジョークの冴えるジェントルマン。短い時間だけど、楽しかった。 2003年12月13日(土) 今日は寒かった。 気温がぐんぐん下がって、ガスストーブをつけても、小さな部屋がちっとも暖まらず、火が消えたんじゃないかと何度も確かめに行ったほど。「今日は寒いね」が合言葉の一日だった。面白いのは「寒いけど、これが普通だよね」と、寒さにはみな寛容なこと。夕食には豚味噌鍋を作った。大量の白菜を入れて食べた。おいしかった。 2003年12月12日(金) Tさんにも困ったものだ。 頼んでないことは勝手にする。頼んだことはしない。私の顔を見るや、小走りで逃げていく。決めた役割分担はすっぽかす。机上に置いてあるメモは解読不可能。作ってくれた書類はミスだらけ。ミスを訂正しようにもコミュニケーションできない(逃げていくから)。これでも50歳を超えた男性です!対応策として、無視することにしました( いろいろ考えた末)。 2003年12月11日(木) 礼儀のレベルには、人によって差がある。 誰もがみな、自分が期待するレベルの礼儀を尽くしてくれるとは限らない。特にこういうご時世だから、無礼であることも普通になってしまった。この時代を生き抜くには、他人の無礼を許す大らかさが必要なのかもしれない。無礼な人も多い代わり、他人の無礼を許せない狭量な人も多い。無礼で狭量、今の日本人を理解するキーワードかもしれない、と思うと怖い。 2003年12月10日(水) 「自分が背負っている荷物の重さは他人にはわからない。」 ウェブ日記巡りをしていて、見つけた。いいことばだ。人が大荷物を背負っていたら「重そうだな」と想像することはできる。少しだけ、手を貸すことはできる。でも、代わりに全部持ってあげることはできない。「わかったつもり」にならず、親身なコミュニケーションが取れて、しかも相手に感謝されたら、どんなにいいだろう。でもそれは調子がいい考えかもしれない。 2003年12月9日(火) アメリカ人Kさんが荒れている。 "My life is a hell."(ぼくの人生は地獄だ)、"Only bad things happen to me."(ぼくには悪いことばかり起こる)。「彼女に振られ、職場を首になり、日本の滞在ビザが取れず、おせっかいな他人が余計に事をややこしくした」と言う。"That's not the end of the world."(この世の終わりじゃないよ)。"You have nothing to lose."(ダメモトだよ)。"You can still try your luck."(まだ運を試せるよ)。励ますつもりで言ったことばが全て、機嫌を損ねてしまった。みんな敬遠気味。だから余計に孤独なんだろう。 2003年12月8日(月) 久しぶり6時半起床。 空が晴れていて薄日が差している。空が明るいのはいい。昨日は休日出勤した後、Hさん主催のポトラックパーティへ行った。イタリア人のLさんのジョークは冴え、アメリカ人のKさんの歌は聞かせ、サンタクロース姿のBさんはパワー全開。飲めや歌えやの騒ぎが終わったのが午後10時。このあとカラオケへ行こうという誘いを断り帰宅。とても疲れた。 2003年12月7日(日) ガーデンシクラメンの鉢をもらった。 濃いピンク色の可憐な花が2輪、咲いている。ポインセチアを小さくしたみたいで、我が家にも少し早いクリスマスが来た。これから4月にかけて、どんどん花が咲くそうなので、楽しみだ。今のところ、まだ2輪。 2003年12月6日(土) エレベーターの中で女子高生2人連れ。 「エレベーターがいいよな」「うん、エレベーターがいい」「階段で行ったら、倒れるわな」「うん、倒れる」という会話を交わし、1階から乗って4階で降りて行った。なぜ倒れるのだろう?体力が無いのだろうか?女子高生の会話を久しぶりに聞いた。 2003年12月5日(金) 自分が他人からどう見えるか。 パート勤務30数年のM本さん(女)、私には嫌味しか言わないのに、男性には淑女のようにしおらしい。今日はTさん(男性)がおらず、「Tさんは、Tさんは」とずっと探し回っている。「どうでもいいでしょ」と言いたいが、言うと百倍くらい嫌味が返ってくる、我慢、我慢。見苦しいけど、微笑ましい。自分が他人からどう見えるか、忘れてはいけない。 2003年12月4日(木) アメリカの俳優、ジョニー・ディップ(Johnny Depp )。 雑誌 People で「故人を除く、今年最もセクシーな男性」(this year's Sexiest Man Alive)に選ばれた。ディップと言えば映画『ショコラ』(Chocolat)で無国籍風のさすらい人を演じていた。「少し危険で、秘密があって、とても暖かい−彼の目が全てを語っている」(He's a little dangerous, he has a secret, he has great warmth−all those things you can see in his eyes.)。参考にしよう。 2003年12月3日(水) 久しぶりによく晴れた。 晴れるとやっぱりうれしい。干しっぱなしだった洗濯物も乾くだろう。忙しくて、お風呂に入る暇もない。今朝、やっとお風呂に入った。100円で買った備長炭の墨をお湯に入れて、温泉気分に浸る。本当の温泉に入れる日はいつ?昨日は職場の忘年会だったことも忘れていた。 2003年12月2日(火) NHKラジオ英会話番組『レッツスピーク』。 いい番組だが、「ノリがよすぎて、ついていけない」という声も。確かに、英語のノリは、ハイ・テンションで、ハイ・パワー。「もっと、しっとりと落ち着いて、英語を勉強したい」という気持ちもわかる気がする。実は私も、「もったいない」と思いつつ、聞き流していた。真面目に聞くようになったきっかけは、尊敬しているY先生に「表現を拾いなさい」と言われてから。途端に番組が宝の山に見えてきた。 2003年12月1日(月) カラスを目の前1メートルの間近で見た。 駅前の自転車置き場のフェンスに止まっていた。そばで見ると迫力があり怖い。すぐ近くのベンチに、から揚げ弁当を食べている男性がいて、カラスにから揚げを盗られないかと他人事ながら心配だった。あとでH田さんに「それはハシブトだったか、ハシボソだったか」と聞かれる。そんなこと、わからない。 2003年11月30日(日) H庄さんと電車で一緒になる。 H庄さんはだんじり祭りで有名な岸和田出身。同じ岸和田出身の人は、「しゃべり」を聞けばすぐわかると言う。私には全部同じ大阪弁に聞こえるが、天下茶屋の大阪弁、堺の大阪弁、岸和田の大阪弁、みな微妙に違うそうだ。きめ細かいことばの世界があるのだなあと思う。 2003年11月29日(土) 雨の中、かっこいい猫に会った。 猫にもかっこいい猫とそうでもない猫がいる。年の頃なら2、3歳の男盛り。引き締まった身体つきにくっきりした縞模様。キリリとした表情。あまり愛想はなかったが、首のところを撫でさせてもらい、無理やり写真を撮った。赤い首輪をつけていたから飼い猫だろう。 2003年11月28日(金) Y田さんが前髪を切った。 眉毛の上、2センチくらいでカットして、サザエさんの漫画に出てくるワカメちゃんみたいになっている。ブラウンだった髪の色も黒く染め直している。「どう?」と感想を聞かれて、「若くなったみたい」と言うと、「今日はそれだけで幸せだあ〜」と言って去って行った。そんなもんだろうか。 2003年11月27日(木) S今宮駅のプラットフォーム。 目の前に警察の訓練所があって、いつも犯人逮捕の練習などしている。電車待ちの間、見学。犯人役と捕まえる役に別れており、白い手袋をはめた人が犯人役のよう。今日は全員、白手袋をはめていた。何の訓練なのだろう、と考えているうち、電車が来た。 2003年11月26日(水) 久しぶりに赤ちゃんを見た。 まだ十代のような若いお母さんが抱っこしていた。生後四ヶ月の女の子。つぶらな目がクリクリして、髪の毛がボワンと膨れていて、とてもかわいい。じっと見ていたら、何と向こうからニコッと笑ってくれた。あわてて笑顔を返した。 2003年11月25日(火 ) 昨夜は台風のような豪雨。 朝起きたら、窓の外の紅葉がほとんど落下、木々は白い実をつけただけの裸木になっていた。一瞬、ショックを受ける。でも紅葉の落ちた地面は、色鮮やかな赤と黄のじゅうたんで敷き詰められた。この景色が毎朝見られるのは幸せなこと。雨は上がり、風がヒューヒュー鳴っている。今日も寒そう。 2003年11月24日(月) カトリック教会主催のパーティに行った。 私はキリスト教徒ではないけど、英語が好きなので誘ってもらった。神父さんはフィリピンの人なので、参加者はフィリピン人、アメリカ人、カナダ人、日本人等々。みんなすごく陽気で、ずっと踊りっぱなし。フィリピンはラテン系であると知った。誘ってくれたHさんは、私が着いた時、すでに酔いつぶれていた。 2003年11月23日(日) 朝からいいお天気。 秋も深まってきた。窓を開けると、冷たい空気と、暖かい日差しと、木々の紅葉が目に飛び込んでくる。どこかへ出かけたい気持ちと、目の前の景色で十分という気持ちとが葛藤する。こうやって時間は過ぎていく。ふと、また引っ越そうかなあと思う。今住んでいるところもいいけれど、ペットが飼えないから…。 2003年11月22日(土) 今年最後の三連休が始まった。 今までの三連休を無為に過ごしてきた私にとって、今年最後のビッグ・チャンス。絶対に有意義に過ごすと決意し、小旅行のパンフレットを収集。「エビ・カニ食べ放題のバス旅行」を目指して、いろいろ検討しているうち、はっと気がついたら、もう三連休が始まっていた。 2003年11月21日(金) 美容師のM味さんが紹介してくれたヘアジェリー。 アリミノというメーカーのもので、ものすごい粘着力。ほんの少し、小指の先ほどの量をつけるだけで、髪の毛がバリバリに固まる。私の髪はもともと固めのくせ毛だけど、このジェリーをつけるとストレートヘアになった気分。ほんのり桃の香りも、いい。 2003年11月20日(木) コタツを出した。 ほっとした。インド人のロイさんに、通訳したお礼として、みかんをもらった。コタツに入って食べた。コタツとみかん。コタツにはみかんがよく似合う。 2003年11月19日(水) 急に冷え込んだ。 日が照っていても寒いし、日が暮れてからはもっと寒い。今朝も曇っていて寒い。窓の外の紅葉も震えているみたい、と思っていたら、大きな鳥が一羽、目の前の枝に止まった。鳥と同じ目線で、朝ご飯を食べた。 2003年11月18日(火) 京橋駅で雑誌『ビッグイシュー日本版』を買った。 売っているのはホームレスの人たち。定価200円で、うち110円が彼らの収入になる。オリジナルの英語版はイギリスで発行されている若者向けの雑誌。どこで売っているのかと、ずっと探していた。買った時、「ありがとうな、ありがとうな」と二回言われて、涙が出そうになり、「がんばって下さい」と言えなかった。また買いに行く。 2003年11月17日(月) 元ホームレスの人専用のシニアハウス(老人ホーム)を見学。 経営者M地さんの一番の喜びは元ホームレスの人たちが、「ふつうのおっちゃん」に戻っていくことだそう。ホームレス暮らしは孤独で、恐怖感が一杯で、身体も心も深く傷つく。畳のある一室を確保し、少しずつ隣人と打ち解け、新聞を購読したり、小泉内閣の批判をしたり、当たり前のおっちゃんたちに戻っていく。それが大きな喜びだと言う。 2003年11月16日(日) スリランカのシバさんとメール交換した。 正式な名前はシバパキヤム。苗字は長くて覚えられない。「スリランカ人の名前は覚えにくいね」と言うと「日本人の名前はもっと覚えにくい」と言われた。 2003年11月15日(土) アジア学院生徒の研修ツアーに随行。 日本最大の日雇い労働市場と呼ばれる釜ヶ崎を歩く。経済大国の日本になぜホームレスの人々がいるのか、アジアからの留学生には理解しがたくて、ショックな様子。でも支援している人たちの話は感動的で、通訳しがいがあった。ちょっとしたニュアンスをもっとうまく訳せるようになりたい。支援している人たちの心が伝わるように。 2003年11月14日(金) Y先生の通訳ワークショップへ。 始めの1時間は、NHKのラジオ英語講座『レッツスピーク』を使って練習。『レッツスピーク』なら毎日聞いている。最初、憮然としたが、不思議なもので、Y先生の『レッツスピーク』絶賛のことばを聞いているうち、やる気が出てきた。a look of surprise(驚いたような顔)、piece together(まとめる)などの基本表現が大切と言われる。おかげで、前より熱心に聴くようになった。 2003年11月13日(木) 久しぶりにヘアカット。 最近、ヘアサロンが増えた。行きつけのヘアサロンの周囲にもライバル店が軒を並べている。カットの料金設定を相場の3,700円にするか、4,000円にするかで、迷った末、あえて4,000円の高料金にしたと、美容師のM味さん。その代わり、他とは違うカット技術でお客さんの心をつかもうと決意したそうだ。そしてそれはうまくいった(拍手)。 2003年11月12日(水) 駅から職場に向かう途中のペット屋さん。 私がひそかに「お父さん」と呼んでいる、由緒正しいロシアンブルーのオス猫がいる。なぜ「お父さん」かというと、数年前、同じロシアンブルーのメス猫との間に生まれた5匹の子猫を、ペット屋さんに見せてもらったから。 その「お父さん」が最近、外のカゴに入れられて、大声でワオワオ鳴いている。カゴから出して欲しいんだろうけど、私の猫ではないので、どうすることもできない。ずっと気になっていたが、今日の「お父さん」はおとなしかった。 2003年11月11日(火) 最近は気が若い女性が多い。 「気が若い」というのは誉めことばだと思っていたが、そうでもない。自分が客観的に見えてないとしたら、危険でさえある。自分は若いつもりでも、世間は、分別盛りの中年の姿を期待する。客観的な世間の目と、自意識とのギャップに傷つくことになる。自分の年齢、容姿を客観視することは自分を傷つけないことでもある。 2003年11月10日(月) 一日、雨。 か細く降ったり、急に激しくなったり、先が読めない。今朝は、思いがけず寝過ごして、1時間仕事に遅刻。雨で心がしめりがちなので、いいことを考えよう。太刀魚の切り身を買ったら、卵がぎっしり入っていた。荷物掛けを玄関に移動したら、部屋が広々した。 2003年11月9日(日) 久しぶりに月を見た。 みごとにまん丸。平山郁夫画伯の描いたシルクロードの月を思い出す。今夜の月は、地上のどこから見ても、同じように丸いのだろうか。ぽっかりと、鮮やかに、唐突に、屋根の上に浮かぶ月を見ていると、突然、別の地上から同じ月を眺めてみたくなった。 2003年11月8日(土) K和田のだんじり祭り。 怪我人や死者が出る。興奮して、喧嘩、木刀を持っての殴り合いになったり、もっと危ない武器が登場したり・・・。日本の話ではないみたいだが、そういう世界もあるということ。血の気の多いF江さんが「俺なんか、穏やかな方やで」と言っていた。 2003年11月7日(金) 韓国の映画を見る。 社内研修の一環らしい。前の席の人の頭で字幕がよく見えず、叫び声だけ聞こえる。最後は性転換の話も出ていたようだ。ストーリーが追えず退屈なので、カーテンから漏れるかすかな明かりを頼りに、こっそり新聞を読む。「小泉内閣に何を期待するか」について読者の投稿をまとめたもの。消費税を上げるなとか、国民の立場に立てとか、隣国との友好とか、当たり前のことが熱く語られている。 2003年11月6日(木) 結婚生活は舞台に上がるようなもの。 観客はいなくても演じ続けねばならない。よき妻として、よき夫として、せりふを吟味して…。M木さんのアドバイス。結婚前は、楽屋裏でくつろいでいるようなもの。お付きの人が(親などが)世話をしてくれる。でも結婚したら、楽屋裏のことは忘れて、自分の舞台は自分で演出、そして守る。 2003年11月5日(水) F江さんが謝罪に来た。 3ヶ月くらい前、大喧嘩をして険悪な雰囲気になった。今日はしみじみ「短気はあかんわ」と言っている。この3ヶ月の間、私を含めて3人とモメたと言う。すぐカッとなってしまうからあかんわ、と血の気が多いことを嘆いていた。素直なところもある。 2003年11月4日(火) 口と口を触れ合う軽いキス。 西洋文化では、男性同士でもする、挨拶代わりの気軽な行為。日本人のZ氏はイタリア人のL氏と挨拶代わりのキスを試みたが、I 田さんの冷たい視線を感じてやめた。後で、西洋文化を理解するためにも、やはり試みるべきだったかと悩んでいる。日本にきたら、やはり納豆を食べるべきかというような、難しい問題だ。 2003年11月3日(月) 久しぶり天王寺界隈を歩いた。 今度随行する、アジア学院生徒の研修ツアーの下見。コアでディープな大阪を案内する。「ソースの二度付け禁止」で有名になった串カツ屋さんの前も通過。昼間なのに満員だった。屋台、露店はstall、立ち飲み屋さんはstand-up bar、串カツはfried pork on a skewer、青空カラオケはoutdoor karaoke stageでいいだろうか。 2003年11月2日(日) 巨大な猫を見た。 普通の猫の倍くらいある。野良かもしれない。まるまる太っている。猫に詳しいS垣さん曰く「これはオス猫」。顔のほっぺたを見れば、オスかメスかわかると言う。黒猫の子猫も見た。「まだ生後数日くらい」とS垣さん。私が持っているヌイグルミとそっくり。他にも3匹くらい猫を見た。 2003年11月1日(土) 木々の葉が赤く色づき始めた。 今、住んでいるマンションの周囲が木立になっていて、朝、起きるたびに窓の外の紅葉が目に入る。朝は光が当たって、特にきれい。鳥もあまり鳴かないし、カラオケの大音響も聞こえないし、木々だけが、赤く照り映える。静かで、ほっとする時間。 |