坪田先生に聞きました
2018年1月~3月
ここここここも。



2018年3月
 社会人の独学のモチベーションを保つには。
勉強がつまづく瞬間は難易度調整に間違いがある。〇が6割、×が4割の教材がいいが、4週目にスランプに陥った場合、難しくなり過ぎているかもしれない。そういう時は複数の教材を持ち、同じ内容でも違う角度からページを見比べて、ちょっと例えが違ったり、視点が違うものを3種類くらい買っておく。そうすると、1章に関してはAの参考書がいい、2章に関してはBがいいと比較できる。ひとつの指針に対してつまづいてもうだめとならないよう、複数の依存できるものを用意しておく。

2018年3月
 46歳で記憶力を上げてベトナム語を修得する方法。
言語は声に出すことが重要だが、初学者はインプットを多くしがち。お勧めは、ステップ法で、1、12、123、1234、12345と繰り返すと、ある時点で、1はもういいわという気になる。このもういいわと思えるまで暗記する。アウトプットの量を増やすと記憶量は上がる。

2018年3月
 就職試験を落ち続けて自信を失っている人は。
起業すればいい。今はネットで無料HPを作れる。文章を書くのが好きならラブレターの代筆、字がきれいなら書道教えます、声がきれいなら目覚まし時計の声代わり、鉄棒が好きなら子どもに逆上がり教えます、何でもいい。そういうところから始めて、徐々にお客さんが生まれてくる。その人と誠心誠意つき合ってたら「あなた、こういうこともやってくれ」と言われるようになる。それが起業。自分が好きなこと、得意なことを極めていくための修行の場だと思って起業すればよい。

今は個を発信できる時代。起業する時、客がいる状態から始めるといい。PTAの会長なら、すぐ喫茶店を始められる。バイトをやりながら自分を信頼してくれる人のネットワークを広げていけば、すでに客がついている。客とは信頼関係の上に成り立つ。人付き合いが苦手だけどコーヒー作りが上手なら、喫茶店を始めても客がつくのに時間がかかる。資金に余裕があるならそれでもいい。

2018年3月
 問題の一問目から「わかりません」と言う子は。
まず、問題を読んでない。「一緒に読もうか」と言うより「どこから読んでみる?」の方がいい。「一緒に読もう」と言われた時点でどこから読んでいいかわからなくなっているから。多くの生徒は「次の問に答えなさい」を飛ばし、いきなり「Xの二乗プラスの」と言い始める。「そうじゃなくて、タイトルの因数分解から読むんだよ」と教え、「そこを読んでごらん」と言う。「インスウ」とか読み出したら「あ、ちゃんと読めてるじゃん」と誉める。実況中継のように、途中でフィードバックしてあげる。やっていることを誉める。「気楽に読めてる感じがいいね」とか。読んでいる途中に声をかける。このくらい読めるわと本人が怒ったらしめたもの、それこそ自己肯定感につながる。

多くの人はできたら誉めてあげる、つまり、結果に対してのフィードバックをしている。または「どこからわからないか言ってごらん」になりがちだが、これはいろんな作業をした後の話。

2018年3月
 勉強は本来面白いはずなのに。
いつの間にか勉強嫌いになるのは世界的傾向。ひとつには、フィードバックがないことが原因。適切なコーチングをちゃんとしていけば誰もが勉強は楽しいと思える。でもけっこうなりがちなのは、漢字が苦手な場合、問題文を読むのが嫌、だから入ってこないというのも原因だったりする。文章を読むって楽しいよと思えるよう、小さい時から読み聞かせをたくさんしてあげるとよい。自分から文字をたくさん読みたくなるようにすると、意外に勉強のハードルは低くなる。

評価を簡単にし過ぎているのもある。3歳の娘もドリルを喜んでやっているが、難しい箇所に当たるとぷいっとする。その時は無理強いせず、「違うところやろうか」と声をかける。3ページやったから次は4ページ目をせねばならない根拠はない。自分が一番やりたいことはどこ?と聞いてやると、そこをやり出す。やらなかった箇所が残り、9割でそのドリルが終わったとしたら、残った1割もやりたくなる。宝物を取りたくなるように。

2018年3月
 道を歩いていて、バンとぶつかってこられた時。
いいや別にといちいち怒らない人と、なんだこいつ、わざとしやがって!といきり立つ人がいる。この違いは何か。心理学では敵意帰属バイアスと言い、何事にも相手には殊更悪意があると解釈しがちな傾向のこと。夫婦間でもある。他人の悪意を感じる傾向があると自覚している人は、他人の悪意を感じた時、気のせいかもと振り返った方がいい。

帰属とは「何らかのせいにする」こと。オーストラリア出身の心理学者、ハイラーは、何らかの原因がその人の内部にあると考えられることを内的帰属、環境、運など外部にあると考えられることを外的帰属と言う。基本、みな、両方を持っているが、特に難しい人、上司で特に腹立つと思う人には、「この人、本当に私のことを虐めている気がする」と思うが、だいたい、敵意帰属バイアスなので、そうじゃないよということをちゃんと話合わないとずっとしこりが残り、強くなる。

世の中、自分の親を殺されたでもない限り、そんなに敵意を持たない。1回、何かされたからずっと恨み続ける人こそ敵意帰属バイアスの人。「この人はわざとやっているに違いない」と思っているが、思っている当人の内的帰属が強く、相手の性格が相手のはこういう人だと思っている。

本来、何か嫌な行動をした時、何かの動機とか途中経過で仕方なくそうなっていたりするが、上司や部下に「あの人はああいう人だから」と思っている時点で、けっこう敵意帰属バイアスが強い。常に悪意を持っている人はなかなかいない。なので、こういう発想をしがちな人は、私、敵意帰属バイアスが強いかもしれないと振り返るといい。

特に親子関係で、母親が子どもにやりがち。「あんた、わざとやってるでしょ」「お母さん、怒らそうとしてるの」と子どもを責める。本質的に子どもが母親を怒らそうとするわけがない。なので、そこを自覚することが重要。

自分の命にかかわりそうな時など、どうしても叱らないといけない場合、「やったらだめ」と叱るが、叱る時のポイントは「借りてきた猫」の法則を用いる。かは感情的にならない、相手が委縮してしまって大事なポイントを受け止めきれないから、りは理由を話す、ては手短に(1分以内に)、きはキャラクターに触れない、キャラクターとは本来関係ないのに、「遅刻ばっかりして、あんた、ほんと、そういう子よね」という言い方をしない、たは他人と比較し過ぎない、「俺が新人の頃はそんなことしなかった」「あいつは同期だけどできている」など、ねは根に持たない、「3年前もこうだったわよ」など、こは個別に叱る。

理由を話す場合、クライマックス法(背景から話す)、とアンチ・クライマックス法(結論から話す)がある。ビジネス場面ではアンチが多い。関心があればクライマックス、関心がなければアンチ。女性はクライマックス法を好む。相手が関心を持っているか、相手が女性か男性かでどちらでいくかを決める。叱る場合、手短がいいので、アンチがいい。プレゼンのようにみんなが興味を持って集まっている時はクライマックス法、背景からじわじわ話してもみんなついてくる。

2018年3月
 家庭の中で習慣づけをしたい時。
文脈効果を利用。銭湯に行ったらお風呂上りにコーヒー牛乳、映画館ではポップコーンというように、家庭でも文脈を作る。帰宅するとうがい、手洗い、夕食を食べたら必ずドリルをするなど。「お前やれ」と子どもだけにやらすのでなく、親も一緒にする。継続さえすれば習慣になり、伝統になる。ただ「~しろ」「~するな」と言う教育は効果が無い。親は我が子にエピソードトークをするとよい。つまり、「俺が若い時、食後に英単語覚えたらめちゃ覚えられた」と自分の体験談を自己開示して、ありのままに打ち明ける。

「うちの子は学習習慣がついてなくて」と嘆く親は、自分が我が子に学習習慣をつけてない。

自己開示に似て非なるものに自己呈示がある。相手に誉めること、見返りを求めるなど承認欲求があるもの。美人が誉められたくてわざと「私、ブスやねん」と言うなど。周囲には「誉めて欲しいだけやん」とばれている。

2018年3月
 塾選びの基準。
合格実績は低いより高い方がいいが、知り合いのA君があの塾に行って志望校に受かったからうちの子もと選ぶのは×。

本人に合うか合わないかが一番大事。実際に行って話を聞いて子どものテンションが上がるかどうか。最初から子どものテンションを上げられない塾は多分成績も上がらない。

実際、「ええらしいで」と評判で決めてしまうケースが多い。いろいろ行くのが面倒くさいから、つい、身近でいい評判のところを選びたい、大きくははずれへんやろと思ってしまうが、これは心理学でいう認知の歪み。A君によければB君にもいいだろと思ってしまうのも。ひとつ悪いところがあれば、あそこは全部だめと切り捨てるのも認知の歪み。

2018年3月
 定期試験3日前なのに全然勉強しない子どもにどう声をかけるか。
相手に何かやって欲しい時の主張の仕方は3つ。aggressive(攻撃的主張)は、自分が正しいと信じ、「勉強しろ」と頭ごなしに言い、人間をこじらせる。自分が上だと思っている。passive(非主張的反応)は相手を優先し、自分を押し殺す。「しなくていいけど、あとで面倒なことにせんといて」。ストレスが溜まりやすく、病気になりやすい。assertive(主張的反応)は、自分の状況を伝えつつ、相手も配慮し、相手の意見を建設的なものにする。「勉強したくない気持ちわかるよ。でも3日あれば、いくらでもできる」。

aggressive な人は強がり、自分本位に他人の欠点を指摘、一方的に主張し、問題が起きた時、責任転嫁をしがち。passive な人は、引っ込み思案、他人本意、相手の意見に黙る、弁解がましい、すぐ謝れない。assertive な人は正直に気持ちを表現、自己主張しつつ相手を尊重、苦手な人でも柔軟に対応、自分の責任で行動できる。

もちろん、assertive がいい。こうなるための4つの前提があり、1.誠実であること(本当に思ってないことは言わない)、2.率直であること(回りくどく言わない)、3.対等であること(相手がマウントしてきてもマウントし返さない、下手に卑下しない)、4.自己責任を持つ。卑下しがちな人はつい人のせいにする。「親が決めた」「妻がうるさい」など。

この4つを意識して、職場でも aggressive にも passive にもならないようにする。上司に一方的に仕事を押しつけられた時、多くの人がpassive になり、「こんな量が多かったら無理だろ」と思っていても「わかりました」としか言えず、「何でできてないんだ」と責められても、ひたすら謝るが、ある瞬間、aggressive になり裁判沙汰になったりする。途中で「無理です」と言えれいいのに。自分がどのタイプかを意識して、できるだけ assertive を心がけるといい。たいてい、関係性が爆発する場合、どちらかが aggressive か passive になっている。喧嘩が嫌な人は人間関係に怯えていて、ストレスが溜まっている。

assertive とは、自分の状況を伝えつつ、相手のことも配慮し、お互いの意見を建設的なものにすること。「あーしたい」「こーしたい」と一方的に主張するのでなく、「海に行く?」「山に行く?」「海がいい。サーフィンしたいから」「山がいい、ハイキングしたい」「一緒にご飯食べたいし」「あ、一緒にご飯食べたいは一緒」「じゃあ、今回はピクニック行く?」というのが assertive な話し合い。

今の教育は基本的に「文科省に従え」「学校に従え」と aggressive になり、みんな、passive に従っているから、せめて、家庭内では assertive を心がけるといい。

2018年3月
 文章問題が苦手な娘。
文が長いと、読まずにアバウトに答える癖がついている。文節ごとにスラッシュを引くとよい。文章が長いと情報量が多いと思うが、スラッシュごとにすると情報が小さなサイズになり、かみ砕きやすくなる。英文を読む時は、パラグラフごとに線を引き、読む。

2018年3月
 妻が夫の大切にしているフィギュアを捨てる。
どうすれば理解してもらえるかという夫の悩み。記憶はデジタルな情報なので、好きであればあるほど、物体として手元に置いておきたい。フィギュアを集めるのも愛情の深さ。夫婦喧嘩が一番起こりやすいところでもある。デジタルに記憶しているものを物体として持っておきたいのは人間の心理として理解する。奥さんのフィギュアをも作ってみるとよい。女性にとっては服やバッグ。同じような型をたくさん持っている。

2018年3月
 小三の息子。
成績の要は計算力だと聞いたので、計算が得意にさせたい。九九は覚えたのでインド人のように二桁掛算を覚えさせたい。どの順番で覚えさせるのがいいか。心理学者のチクセントミハイはフロー(集中)状態を研究し、適度な難易度(この調整が一番難しい)を提唱。×が4割、〇が6割の内容がいい。10×10の段が10秒で言えるとする。次のステップは、ちょっと手間取るけど、全然わからないレベルではないというのにする。間違いの指摘をするとフロー状態でなくなる。30×30の段に15秒かかるとしたら、これを10秒にするにはどうしたらいいかを言えるレベルがいい。それか、ミスが2,3個あるくらい。この程度だと、自分で自己調整して上達しようとするのでフロー状態を作りやすくなる。

百マス計算がすごくいいのもフロー状態を作れるから。1と10の計算処理が異常に速くなる。

2018年3月
 双子の娘が同じ公立高校受験。
2人とも合格すればいいけど、1人が合格でもう1人が不合格というのはよくあるパターン。潜在意識の中に同じところには行きたくないというのがあるのだろう。オリンピックでも前回の覇者は怪我をする可能性が高い。そのままやっていてダメだったら期待はずれになるが、怪我したらうまくいかなかった場合も仕方ないとなるし、うまくいった場合は怪我からの復活になるから無意識の選択をしている可能性が高い。あまりにもプレッシャーがかかり、潜在意識レベルでそうなってしまう。

双子の場合も、いろんな事情で同じことをやらねばならなくなった時、同じは嫌だという潜在意識が働くのかもしれない。小さい時から「同じでかわいいね」と言われ続けているから、つい同じじゃないと言いたくなる。双子だから同じでしょというのは固定観念に過ぎない。今の段階から、「あなたたちは別の存在だから、高校受験がどうとかは関係ない、途中の経過なんだから。高校でうまくいっても大学でつまずく人もいる、大学でうまくいっても就職でつまずく人もいる、これはあくまでも途中経過なんだよ」と言うとよい。

今まで、別なことをやっていたのに、急に高校は同じところに行くというのは不思議だが、進学というとみんな不安になる。小中は同じ学区でも、高校は範囲が広がる。その進学のタイミングは不安になるので、別々なのよ私たちと思いつつも、近しい人がいるところがいいと思う、ある意味、かわいらしい。

フィギュアスケーター、宇野昌磨選手のメンタル・コントロールの仕方が素晴らしい。練習と本番に違いはない、オリンピックと他の大会にも違いはない、日々淡々、一喜一憂しない、そういうことを娘さんたちに伝えるとよい。

2018年3月
 いつから塾に通ったらよいか。
子どもが好奇心を全開にして、喜んでいれば、どんどん通わせたらいい。そうじゃないのに無理やり連れて行くと、勉強嫌いを作るだけ。ただ、塾へ行くと学校より進度が速いので、学校に行くのが楽になるという利点がある。

2018年3月
勉強に一番重要なのは好奇心。
大人は自分は学生の時に勉強してもうやった感があるが、30~40年の間にも人類は進歩し、教科書は変わっている。教科書には少しずつ人類の進化が記録されている。子どもの教科書を見て、「お母さんの時はこんなのなかった」と言うと、お母さんの好奇心を見せやすくなって、子どもも、また刺激される。

2018年3月
 思考力とは。
課題設定力でもある。課題がなさそうなところにも課題を設定する力。多面的にものを見る。当たり前にあることを、もしそうでなかったらと考えると、いいところもたくさん思いつく。マグカップのいいところを挙げるには、重さが1トンもない、取っ手にトゲトゲがない、飲み口がレーザー刃でない、安全に持てるなど、いいところが際限なく思いつける。

子どもを見る時も、物覚えが悪いと嘆く前に、アラビア語を話すわけではない、日本語が通じると思うようにすると、多面的に人を見ることができ、思考力の練習になる。

2018年3月
 人が自分から去って行く時。
たいていは、マウンティングといって、たとえ無意識でも優越感を持って接するから。つまり、偉そうさが鼻について嫌われる。厄介なのは、当人は善意のかたまりで、自分が何とかしてあげたいと思っていること。その「善意」の99%は余計なお世話なんだけど。

2018年2月
 社会科学者、見隅ニ不ニ(みすみじゅうじ)氏のPM理論。
上司に必要な能力はPとMのバランス。PはPerformance(目的達成能力)、MはMaintenance(集団維持能力)。大文字でPMと書くとどちらも強い、理想の上司。目標を掲げて達成もし、統率力も高いから生産性も高められる。こういう人の口癖は「この仕事終わったら打ち上げやろうぜ」。

Pm(mが小文字)は仕事人間タイプ。仕事への熱意は高いが部下への配慮が足りない。「今月のノルマは順調だな」が口癖。

pMは平和主義タイプ。部下への気配りを優先するが生産性は低い。「仕事はいいから飲みに行こうか」が口癖。

pmは遊び人タイプで人としては面白いがリーダーには向かない。「定時だから帰ろう」が口癖。

親に当てはめると「さっさと宿題しなさい」はPmタイプ。「さっさと宿題やって、美味しいご飯食べよ」はPMタイプ。親は目的達成を優先しがち。集団維持とかは家族が強いからあまりメンテしなくても大丈夫と思っているが、家族も組織だからメンテが必要。「家族サービスしよう」と言う時点でメンテに失敗している。Pが強すぎると思ったらMを意識するといい。

集団行動の基準を部下の意欲、満足度、職場のコミュニケーション、事故の発生率に置いた場合、PM上司が一番よい、次にpM、Pm、pmと続く。

集団効果の基準を生産性とした場合、短気、長期共生産性がアップするのはPM、でも、短期的にはPm、長期的にはpMがよい。叱ってお尻を叩くと短期的には効果が出るが長期的には続かない。うまくいってない集団はサブリーダーの配置を再考するとよい。夫婦も同じ。

Pmリーダーには、pMサブリーダーをつけ、pMリーダーにはPmリーダーをつけるとよい。夫婦関係も同じ。片方が片方の役割をする。結局、pmタイプ(遊び人タイプ)どうしの夫婦だと、子どもがPMになるかもしれない。子どもがしっかり者の母親はど天然のことがある。両親がともにPMタイプだと集団維持機能が高いので、子どもが極端にpmになる可能性は少ない。エンジンかけ過ぎやと気づいたらメンテができるので、子どものモデルになり、子どももPMタイプに育つ可能性が高い。

世間的には立派な親なのに子どもが委縮している場合、親がPm。成果は上げているが子どもへの共感能力が弱い。夫婦がPmペアだと子は悲劇。

2018年2月
 入試が迫っているけど塾に行ってない。
塾に行っている人は何をしているのか。過去問と面接の練習。この質問のポイントは自分が今不安な状態で塾に行く人と比べている。そのこと自体に意味がない。自分が塾に行っている人の話を聞いたところで同じことができるわけじゃない。だったら、やることは過去問を粛々とする。できなかった箇所を問題集で復習し、ぎりぎりのところを1点でも2点でも上げるようにする。面接の練習は父、母、弟、妹、友達同士でもいい、何回もやって修正しい感じよくする。結局は自分との闘いと気づき、自分を信じてがんばること。

2018年2月
 心理学的には人間は好奇心がベース。
好奇心とは奇妙なものが好きなこと。好奇心とは非日常。非日常とは自分が知らない知識も入る。そこに目を向けるのが好き。面白いのは、矛盾しているが、好奇心を心理学的に分析すると、人間はちょっと知っていることに好奇心を持つ。一切知らないものには興味を持たない。あまりにも知らなすぎると面白くない。だから、ちょっとできる、ちょっと好きという気持ちにさせるのが大前提。

2018年2月 
 自分ができてる感、成長感がわかった時。
勉強は楽しくなる。そこがわからないと本当にこんな苦痛なことはない。教養がある程度深い人は更なる教養を求めがち。理数系の科目は条件に当てはまっているのかいないのかを思考させる。例えば、タクシーという表現を使って、自動車で四輪と説明した場合、いやいや世界には三輪のタクシーもある。そういう思考ができる人が理系向き。

2018年2月
 女の子のノートはカラフル過ぎ。
35色くらい使い、一文字づつ色を変えている子もいるが、先生の言うことを一語一句書き写し、カラフルなノートを作ると、見た目はきれいでも、頭には入らない。先生が言った要点をパシパシまとめる子の方がテストの点はいい。

要点をまとめることのよさは、自分でクイズを作っているようなもの。10の情報に対し、思い出すのに必要な2ぐらいを記録しておくと、2を見た時にどんな話だったかを思い出せるようになる。

2018年1月
 子どもは構造上嘘をつく。
ある男の子がチョコを青い箱に入れて出かけた。その間に母親がチョコを青い箱から緑の箱に移した。男の子は外出先で妹かrチョコの場所を聞かれると「青い箱」と答える。これは嘘ではない。しかし、4歳から6歳の幼児の場合、妹は「嘘をつかれた」と判断する。こういう事情があったんだよと言っても聞かない。「この男の子は本当のことを言っているよ」と言っても聞かない。このストーリーを客観的に読ませると、この男の子は嘘をついたと答える。本当のことを伝えたはずでも結果的に本当のことと違うから「嘘」と考える。

幼児と大人では嘘に対する理解が違う。だから、大人が「嘘つくな」と言っても、大人が思っている嘘と子どもが思っている嘘は違う。

子どもの嘘はどう発達するかを知っておくと、その子の発達段階がわかる。子どもの背後におもちゃを置き、実験者が「見てはだめ」と言って部屋を出る。多くの子どもは覗き見するなどして見る。戻って来た実験者が「見たの?」と尋ねると、三歳はまず覗き見したことを否定する。これを「否定の嘘」と言う。

これに対し、「意図的な嘘」もある。振り込め詐欺の場合、本当は孫ではないのに電話で孫を装って「オレオレ。借金の返済で今すぐ百万円必要だから振り込んで」と言う。本当でないことを思わせようとするのは相手に誤った情報を伝えて相手を騙す、これは否定の嘘ではなく、意図的な嘘である。

嘘には大きく分けると3つある。よくわかっていない、嘘と言っている嘘、否定の嘘、意図的な嘘。

ウサギさんが「狼から守って」と言って赤い家に隠れる。狼が来て「ウサギはどこか教えろ」と言う。ウサギを守るために何と言うか。三歳児の多くは「赤い家に入った」と本当のことを言う。三歳児は単なる否定はできても、誤った情報をわざと伝える他人を騙すことはできない。意図的な嘘の方が思考レベルが高い。4、5歳になると、自分がこう言ったら、相手はこう思うだろうと考えられるようになる。5歳になると意図的な嘘が使えるようになる。意図的な嘘をついた時は、成長したと思えばよい。

自分がこう言えば、相手はこう考えるだろうと思えるのは、心理学では「心の理論を働かせた」とみなす。心の理論とは、他者の思いや気持ちを察する仕組みのこと。否定の嘘というのは、相手の気持ちを汲み取るというのが嘘の形で出ている。だけど、ふつうはできないから嘘という形で出てもすごい成長である。心の理論は4,5歳で大きく発達し、意図的な嘘がつけるようになる。

2、3歳は純粋でかわいいなと思えるが、逆に言えば、3歳までは「他人に迷惑かけちゃだめ」と言っても、相手の気持ちを考える能力が発達していないから無理。5歳頃、意図的な嘘をつけるようになったら、「相手の気持ちを考えなさい」がわかるようになる。電車の中で「靴を脱ぎなさい。横に座った人が靴をはいたままだとあなたも嫌でしょ」ということばが理解できるようになる。

3歳だと否定の嘘をよく言う。後ろにおもちゃを置いて「後ろ見ちゃだめだよ」と言われて、見てしまうが、その時に、「何で言うことを聞けないの」と言っても無理。同様に「静かにして」も無理。無理なことをやらせて、「何でできないの、この子、ほんま、我儘やわ」と責めるのは理解が足りない。

親は2~4歳で我が子をラベリングしたり、評価しがちで、嘘によってネガティブなラベリングをされがち。

大事な人からプレゼントをもらったが、自分の嫌いなものだった時、「わあ、ありがとう。大好きです」と言う。これも嘘だが、相手を傷つけないようにする意図的な嘘(英語だとホワイト・ライ)で、小学生の頃に発達する。小学校の児童期、心の論理がますます発達して相手の気持ちを深く察するようになる。こうして嘘の発達を通して社会性が深まり、大人のコミュニケーションに近づいていく。だから、嘘をたくさんつく子は、後々社会性が高まる。子ども時代の嘘つきはそんなに否定しなくてよい。子どもは全員嘘をつく。

ただ、幼児と大人とでは嘘の理解が違い、嘘の発達とは社会性の発達の現れとも言える。否定の嘘の出現は早い。心の論理が発達することによって、意図的な嘘をつけるようになり、小学生では相手を傷つけないようにホワイト・ライがつけるようになる。必ずこの段階が踏まれる。逆に3歳児が否定の嘘を言わないなら、発達がうまくいってない。

最近のコメンテーターには、意図的な嘘を言わず、嫌いなものは嫌いとはっきり言う人が多いが、相手を傷つけない、他の人の気持ちを深く察しようとする(合っているかどうかは別として)ホワイト・ライは大事な要素である。

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