2006 年度「計算機基礎論3B」 2006-10-13

§8 基本的なウィンドウ操作

(8.1) ウィンドウ右上の「_□×」の中の「_」をクリックすると、 そのウィンドウは「最小化」される。 すなわち、ウィンドウは画面下の帯状の部分にはいり、見えなくなる。 帯状の部分にはいったものをクリックすると元に戻る。

(8.2) ウィンドウ右上の「_□×」の中の「」をクリックすると、 そのウィンドウは「最大化」され、「」が「」のようにになる。 その「」をクリックすると元に戻る。

(8.3) ウィンドウ右上の「_□×」の中の「×」 をクリックするとそのウィンドウが閉じるが、 ソフトによってはこうやって終了することが不適切な場合がある。

(8.4) ウィンドウ上部の青い帯の部分をダブルクリックすると、 そのウィンドウが帯だけになる。 この動作は MS-Windows と違うので注意。 もう一度ダブルクリックすれば元に戻る。

(8.5) ウィンドウを移動するには、 上部の青い帯にマウスカーソルをあて、 左ボタンを押したままマウスを動かして、適当なところで離す。 (この操作を、上部の青い帯を「ドラッグ」すると言う。)

(8.6) ウィンドウの大きさを変えるには、 四隅あるいは辺をドラッグする。 (上の隅は本当の隅でなく、少し下の部分。 マウスカーソルの形が変わるのでわかるはず。)

(8.7) 複数のウィンドウが出ている場合、 ただ一つのウィンドウだけ、上部の帯が青くなっている。 そのウィンドウが「アクティブ」なウィンドウで、 アクティブなウィンドウは必ず一番手前にある。 (例外は次項参照。)

(8.8) アクティブなウィンドウを切り替えるには、次のようにいくつかの方法がある。

(8.9) ブラウザで一画面に収まらないページを見たときなどに右端に出るのが 「スクロールバー」である。

することで、 画面に表示されている範囲が上下に移動する。 動きはそれぞれ異なるのですべてを試すこと。 ほかに、 Home キー、End キー、PageUp キー、PageDown キー、 マウスの二つのボタンの間の灰色の豆のようなもの(手前あるいは向こうへずらす)、 もスクロールに使える。

(8.10) スクロールバーは下端に出ることもある。その場合は左右に移動する。

(8.11) 練習:ターミナルや Netscape をいくつか起動して、以上を試せ。

(8.12) ※ Netscape を二つ以上起動するには、 起動した Netscape の中から 「ファイル」「新規作成」「Navigator ウィンドウ」と進め。 アイコンをクリックするのはうまくない。 (クリックすると「ユーザ プロファイルを選択」が出るが、 「終了」が無難。)

§9 テキストエディタ emacs

(9.1) この授業では、unix の標準的テキストエディタの一つである emacs を使う。 emacs にはそれ専用の(いわゆる)日本語入力の機能 Wnn が用意されている。 それは linux のそれ --- Shift+Space で On/Off するもの --- よりもはるかに高性能である。

(9.2) (たぶん)米国で作られた emacs を日本語などの言語にも対応できるようにしたものを、 一時期、mule と呼んでいた。 よって、いまでも mule と呼ぶ人がいるし、 mule の参考書として書かれた本やホームページも役に立つかもしれない。

(9.3)【設定】cp -ip ~cf2956/.emacs .」を一度だけ実行せよ。 この授業のページからコピー (§11) すれば簡単である。

(9.4)【起動】emacs filename」として起動する。 filename は実際には編集したいファイル名である。 「emacs filename &」とした場合との違いは次項を見よ。

(9.5) 練習: ファイル名は「a」「b」などの短くて打ちやすいものがよいだろう。 最初は空白の画面が出る。 次からは前に打って保存したものが出るはずだ。 & の有無の違いは

ファイル名なしで「emacs」として起動してしまったら、 あとで述べるようにして終了してからやり直し。 どんな名前のファイルを作ったかを忘れてしまったら、§10 で説明する Nautilus を使え。

(9.6)【操作法】 emacs の操作法を説明する場合に限り、 Ctrl キーを押し下げたまま X と書かれたキーを押すこと、 すなわち Ctrl+XC-x と書く。 Alt キーを押し下げたまま X と書かれたキーを押すこと、 すなわち Alt+XM-x と書く。 Alt+X が別の意味になる環境もあるので、 代用の操作法「ESC キーに続いて X と書かれたキー」 のほうを覚えておくほうがよいかもしれない。

(9.7) emacs には極めて多くのコマンドがあるので、 うっかり打ち間違えて予期せぬ動きが始まることがあるが、 Ctrl+G で中断できるかもしれないので試すこと。 それでだめなら emacs を終了する。

(9.8) 練習: Ctrl+H を二度打つと、下半分に Help が出るはずだ。 ここで Ctrl+G を打ってみよ。

(9.9) 四つの矢印キーでカーソルが動かせる。 マウスでクリックすることでもカーソルを動かせる。 左端のスクロールバーで表示範囲を変えられる。 キーを打てばその文字がカーソル位置にはいる。 Enter を打てばそこで改行。 Backspace キー、 Delete キーで文字を削除。 行末には、見えないが「改行」という文字がはいっている。 それを削除すれば二つの行が合併されて一つになる。

(9.10)【日本語入力】 Ctrl+\ で、 アルファベット入力モードと(いわゆる)日本語入力モードとが交互に切り換わる。 いまどちらにいるのかは画面左下を見ればわかる。 (\ の代わりに「」と書かれたキーを押してもよい。)

(9.11) 日本語入力モードではローマ字で読みを入力するとひらがなで表示される。 たとえば「tegami」と打つと「|てがみ|」のようになる。 両端の「|」はその間の文字が未確定であることを示している。 求める文字が出るまでスペースを打って変換し、 次の文字を入力すれば確定する。 (この操作ではほかに矢印キーを使う局面もある。 適当に試して覚えること。)

(9.12) 「|ぎょうでん|」を変換しようとして 「|行 出ん|」になってしまったように、 間違って切り分けられた場合は Ctrl+OCtrl+I を押してみよ。 (私が打とうとしていた語は「使徒行伝」の「行伝」。)

(9.13) 練習:これを試せ。自分の氏名も打ってみよ。

(9.14)【注意】 emacs では、 一行が画面上の複数行に渡る場合は画面外に曲がった矢印が表示される。 (そのように長い行は、 特に理由がなければ、短く切り分けるべきである。)

(9.15) 練習: これを試せ。 文字キーは押しっぱなしにすればその文字がくり返し入力される。

(9.16)【終了】 emacs を終了するには、 未確定文字のない状態で Ctrl+X Ctrl+C を順に押す。

(9.17) 「Save file filename?」と聞いてきたら、 セーブする場合は「y」、しない場合は「n」を押す。 「n」を押すと「Modified buffers exist; exit anyway? (yes or no) 」 と確認してくるので、本当に保存しないで終了するなら 「y」ではなく「yes」と答える。

(9.18) あるいは、emacs のウィンドウの「File」をクリック。 出てきたメニューの一番下の「Exit Emacs」をクリックし、 あとは上の例にならって質問に答える。 (「Exit Emacs」の右に C-x C-c と書いてあるのは同等のことがこのキー操作でもできる、 の意味である。)

(9.19) (保存しないで終わる場合、C-x k あるいは 「File」「Close (current buffer)」をしてから終了するほうが、 auto-save file --- #filename# のように元のファイル名の前後に # をつけた名前になる --- が作られないのですっきりする。)

(9.20) 補い: ESC に続いて「>」 (Shift キーを押しながらピリオド)を打つと、 ファイルの最後にカーソルが移動する。 このとき、

……です。
■
の位置にカーソルがあるのが“正しい”とされる。
……です。■
だったり
……です。

■
だったりしたらどうすればよいか。

§10 ファイル管理ソフト Nautilus

(10.1) デスクトップ左上の「〜のホーム」をダブルクリックして起動する。 自分のファイル一覧を見ることができる。

(10.2) ほかの人のファイルでも、許可のあるものは見ることができる。 それには、まず「上」をクリック。あとは各自で考えよ。 なお、元に戻れなくなってしまったら「ホーム」を押せ。

§11 テキストの範囲指定と移動・コピー

(11.1) テキストの「範囲指定」をするには、 始点でマウスの左ボタンを押し下げ、 押したままマウスカーソルを終点まで移動し、 そこでボタンを押すのをやめる。 指定された範囲は色が変わる。

(11.2) 「編集」「切り取り」 (または「Edit」「Cut」)で範囲指定された部分が消えてなくなる。 (ブラウザの中など、変更できないところではできないようになっている。)

(11.3) そのあとで emacs のウィンドウの中などをクリックしてから 「編集」「貼り付け」(または「Edit」「Paste」) とすると、上の操作で最後に消したものがそこに貼り付けられる。 結果として、テキストの一部を他の場所に移動したことになる。

(11.4) 範囲指定をしてから「編集」「コピー」(または「Edit」「Copy」)とすると、 範囲指定された部分が内部にコピーされる。 画面では何も変わらないので注意。 そのあとで上の貼り付け操作を行なうと、 範囲指定した部分が(普通の意味で)コピーできる。

(11.5) うまくゆかない場合、 「貼り付け」の代わりにマウスの左右のボタンの間にある灰色の豆のようなものを押すとうまくゆくことがある。

(11.6) 練習: これらを試せ。 「Netscape から emacs の中へ」 「一つの emacs の中で」 「『emacs a &』『emacs b &』 として二つのファイルの間で」など、いろいろ試せ。

§12 ファイルから Netscape へのコピー(ちょっと“裏技”)

(12.1) そのうち、各自の作成したファイルをメールで送ってもらうことになるが、 センターの linux では emacs から Netscape 内の投稿用の枠へのコピーがうまくゆかない場合がある。 そのときは次のような別法を用いるとよい。 (この授業の最初のページにテスト用の枠を用意しておいた。)

  1. Netscape の URI を打ち込む枠に /home/sgr5781/eb18b??(実際には「eb18b??」は自分の id) と打ち込むとファイル一覧画面になる。 このページにブックマークをつけておく。 (これは一度だけ行なえばよい。)
  2. 以後、Netscape の「ブックマーク」をクリックし、 file:///home/sgr5781/eb18b?? までマウスカーソルを移動すると、 右に自分の持っているファイル一覧が出る。 そこにあるファイル名をクリックするとそのファイルの中身が画面に表示される。 あとは、Netscape の間でコピーを行なえばよい。 なお、文書全体を範囲指定するには「編集」「すべて選択」が便利である。


岩瀬順一