2006 年度「情報処理基礎」 2006-06-09

§2.1 ウィンドウの操作

(2.1.1) ※ 多くの操作はマウスでもキーボードでもできる。 とりあえずはマウスのほうを覚えよう。

(2.1.2) Windows のソフト(アプリケーションとも呼ぶ) は「ウィンドウ」の中で実行される。

(2.1.3) ウィンドウの上辺の青い帯 --- 灰色に変わることもある --- を「タイトルバー」と呼ぶ。

(2.1.4) 「〜にマウスカーソルを合わせてマウスの左ボタンを押し、 押したままマウスを動かし、 しかるべき位置でボタンを離す(=押し続けるのをやめる)」ことを 「〜をドラッグする」と言う。 「〜をつかんで動かす」、あるいは「〜をつまんで動かす」 といった感じである。

(2.1.5) ウィンドウを移動するには、タイトルバーをドラッグする。

(2.1.6) [練習]タイピング練習のウィンドウを好きな位置に移動してみよ。 それからタイピング練習をいったん終了することでそのウィンドウを閉じよ。 それから先に進め。

(2.1.7) ブラウザで一画面に収まらないページを見たとき右端にでるのが 「スクロールバー」である。

することで、 画面に表示されている範囲が上下に移動する。 (「スクロール」とは、このように画面をウィンドウ内で動かすことを言う。)

(2.1.8) (これらをキーボードで行なうには、 矢印キー、PageUp キー、PageDown キーを用いる。 Home キー、End キーを押すと、ページの一番上、一番下へ飛べる。 また、マウスの二つのボタンの間についている灰色の玉を手前に、 あるいは向こうに動かすことでもスクロールが可能である。)

(2.1.9) [練習]Internet Explorer に適当なページを表示させ、これを試せ。 この実習のプリントのページでもできる。 マウスによる三つの操作は動きが異なるので、全て試すこと。

(2.1.10) ※ スクロールバーは下端に出ることもある。その場合は左右に移動する。

(2.1.11) 「最大化」については 1.5.6 で述べた。 最大化されていないウィンドウの大きさを変えるには、 四辺や四隅をドラッグする。

(2.1.12) ウィンドウの右上の「_」をクリックすると、 ウィンドウは「最小化」され、画面下部の「タスクバー」にはいる。 最小化を解除するには、タスクバーのほうをクリックする。

(2.1.13) (これらおよび 2.1.5 のウィンドウの移動をキーボードで行なう方法は、 Alt+Space を押し、出てきた選択肢を見て考えよ。 記号の読み方は 2.1.16, 2.1.18 を参照のこと。 「元のサイズに戻す」が最大化をやめることである。 「移動」「サイズ変更」は矢印キーで行ない、Enter で決定する。)

(2.1.14) [練習]Internet Explorer のウィンドウでこれらを試せ。 (タイピング練習のウィンドウは、 最小化は可能だが大きさは変えられないようになっている。)

(2.1.15) Internet Explorer は、 「ファイル」「新規作成」「ウィンドウ」の順にクリックすることで、 別のウィンドウを出すことができる。 複数のウィンドウで別々のページを見ることも可能である。

(2.1.16) ※ 画面上で 「ファイル(F)」「新規作成(N)」「ウィンドウ(W) Ctrl+N」 となっているのは、 「Alt を押したまま F, N, W の順にキーを押す」 あるいは 「Ctrl+N」でもこの操作が行なえる、の意味。

(2.1.17) 複数のウィンドウが開いているときでも、 「アクティブ」なのは高々一つであり、 そのウィンドウはタイトルバーが青いことでほかと区別される。 タイトルバーをクリックすればそのウィンドウがアクティブになり、手前にくる。 タイトルバーが全く見えていないときは、 タスクバー上のそのウィンドウに対応している部分をクリックすればよい。

(2.1.18) (Alt キーを押しながら Tab キーを押すと、 アクティブなウィンドウを次々と変えることができる。 この操作は Alt+Tab と略記する。)

(2.1.19) [練習]Internet Explorer の複数のウィンドウとタイピング練習のウィンドウで、 これを試せ。

(2.1.20) ※ 複数のボタンから選んでクリックするとき、 一つだけは影が濃いことがある。 「OK」がそれになっていることが多いが、 それをクリックすることは Enter を押すことで代用できる場合が多い。 「キャンセル」は Esc である。 また、 一つのウィンドウ内に複数の記入枠(など)がある場合、 Tab でそれらの間を移動できる。 Shift+Tab だと逆順に移動する。 「スタート」は左下の Ctrl と Alt の間のキーで代用できる。 ソフトの終了、シャットダウンは Alt+F4 である。 (F4 キーは Esc の右のほう。)

§2.2 ファイルとフォルダ

昔からの呼び方最近の呼び方
個々の“文書”ファイルドキュメント
“文書”の置き場ディレクトリフォルダ
           ファイルには「名前」と“中身”がある。

§2.3 半角文字と全角文字、テキストファイル

(2.3.1) コンピュータで扱う文字には、 ほぼ正方形の「全角文字」と、 それを縦に半分に割った形の「半角文字」とがある。
全角文字の例:
半角文字の例: A B C D E F a b c d e f 1 2 3 4 5 6 + - * / = ( ! ? # $ & %
(いわゆる)日本語は前者のみ。 アルファベットや数字などには両方がある。 「半角 / 全角」キーを押して(いわゆる)日本語に切り換えない限り、 キーボードから打ち込む文字は半角文字である。 スペースにも全角と半角があるので注意。

(2.3.2) 半角カタカナは、対応できないソフトが多いので、使わないように。

(2.3.3) 半角文字と全角文字をタイルのように並べてできる文書を収めたファイルを 「テキストファイル」という。 文字を大きくしたり小さくしたりすること、 フォント(=字体)を変えること、 「a²」のように文字の肩に別の文字を載せること、 などはできない。

§2.4 Explorer の使い方

(2.4.1) 「マイ コンピュータ」のアイコンをダブルクリック、 「'fs\home\...' の ... (Z:)」をダブルクリック。 ここ(「Z ドライブ」)が各自のファイルを置くところである。 普通は「マイ ドキュメント」に置くが、 センター実習室のパソコンでは違うので注意。 unix (linux) の用語を借用し、ここを「ホームディレクトリ」 あるいは「ホーム」と呼ぶことにしよう。

(2.4.2) そこにあるファイルとフォルダが、アイコンで表示されている。 フォルダみたいな絵の黄色いアイコンはフォルダである。

(2.4.3) フォルダのアイコンをダブルクリックするとその中のファイル ・フォルダが表示されるようになる。 正式な言い方ではないと思うが、これを 「そのフォルダに移った / 移動した」ということがある。 戻るには左上の「←戻る」をクリックする。 わからなくなったら Explorer をいったん終了すればよい。

(2.4.4) ファイルのアイコンをダブルクリックすればそのファイルが「開く」。 初心者のうちは、よくわからないファイルは開こうとしないこと。 クリックすればそのファイルが「選択」される (=アイコンとファイル名が青くなる)。 選択を取り消すには、 Explorer のウィンドウ内の何もないところをクリックする。

(2.4.5) テキストファイル (cf. 2.3.3) の名前は、 「.txt」という「拡張子」 (=名前のうち、最後のピリオド以降の部分) で終わっていなければならない。

(2.4.6)
操作やり方
テキストファイルの新規作成 「ファイル」→「新規作成」→「テキスト文書」。それから改名する。
テキストファイルの中身を見る・編集する ダブルクリックするとテキストエディタ「メモ帳」が起動する。 (「メモ帳」の使い方は後述。)
ファイルの改名 選択しておいて「ファイル」→「名前の変更」。 (拡張子は必要でない限り変えないこと。)
ファイルのコピー 選択しておいて「編集」→「コピー」、 続いて「編集」→「貼り付け」。それから改名する。
ファイルの削除 選択しておいて「ファイル」→「削除」。 (復元できないので注意。)
テキストファイル以外のファイルの新規作成などは出てきたときに説明する。

(2.4.7) フォルダの新規作成、改名、削除も上と同様。 ファイルを他のフォルダに移動するには、 選択しておいてから「編集」→「切り取り」、 移動先のフォルダに移ってから「編集」→「貼り付け」。

(2.4.8) ※ すでにあるフォルダやファイルは変更したり削除したりしないように。 tx.scr.txttx.usr.txt はタイピング練習の成果を収めたファイルである。 普通には変更したり削除したりできないように設定してあるが、 絶対にできないわけではないのでちょっと注意しながら開いてみよ。 (ただし、 タイピング練習をしているときは開いてもうまく表示されないようになっている。)

§2.5 「メモ帳」の使い方

(2.5.1) 起動のしかたは上に述べた。起動後に使うキーは次の通り。

(2.5.2) カーソルの移動はマウスでクリックすることでも行なえる。

(2.5.3) 「ファイル」→「上書き保存」でファイルに書き込む。 書き込みたくなければ終了してしまえばよい。終了は右上の「×」。 保存するかどうか聞かれたら、よく考えてクリック。 (そこに出る第三の選択肢「キャンセル」は終了することをキャンセルする、の意味である。)

(2.5.4) 一つのファイルを複数の「メモ帳」で同時に開いて編集すると、 せっかく打ったものを失う可能性があるので危険である。 なぜか。考えてみよ。 いらないファイルで試してみるのもよいだろう。

§2.6 練習問題(その1)

とりあえず「メモ帳」を使ってみよう。 次を順番にやってみよ。

  1. Z ドライブに、 テキストファイル a.txt を新規に作れ。 (すでに a.txt がある場合は別の名前にせよ。)
  2. a.txt のアイコンをダブルクリックしてメモ帳を起動し、 中身が空であることを確かめよ。
  3. そのメモ帳の画面に適当に文字を打ち込め。
  4. それを保存せよ。
  5. メモ帳を終了せよ。
  6. a.txt のアイコンをダブルクリックして開け。 中身は予想通りか?
  7. 適当に文字を打ち込んで追加せよ。
  8. それを保存せよ。
  9. メモ帳を終了せよ。
  10. a.txt のアイコンをダブルクリックして開け。 中身は予想通りか?
  11. 適当に文字を打ち込んで追加せよ。
  12. それを保存せずにメモ帳を終了せよ。
  13. a.txt のアイコンをダブルクリックして開け。 中身は予想通りか?
  14. メモ帳を終了せよ。

上の続きである。 次を順番にやってみよ。

  1. a.txt をコピーして b.txt という名前のファイルを作れ。
  2. b.txt を開け。中身は予想通りか?
  3. b.txt の内容を変更せよ。 それから a.txt を開き、内容が変わっていないことを確かめよ。
  4. a.txtb.txt を削除せよ。

§2.7 (いわゆる)日本語入力

(2.7.1) Windows では、 左上の「半角 / 全角」 キーを押すごとにアルファベット・数字の入力と(いわゆる) 日本語入力とが切り替わる。 画面右下のバーの中の「A」と「あ」が替わるのを確かめること。

(2.7.2) 日本語入力になっているときは、 ローマ字で打ち込むとまずひらがなで表示される。 それを必要なら漢字やカタカナに変換する。 「変換」はスペースバー。 次の読みを入力するか Enter を押すかすれば「確定」する。 「やまだたろう」を変換しようとすると「やまだ」と「たろう」 に分かれて変換されるが、 こういうときは「←」や「→」を使う。 切れ目がおかしいときは Shift キーを押しながら「←」や「→」を押す。

(2.7.3) ※ 2.7.1 の「A」や「あ」をクリックし、 出てくる候補からたとえば「全角カタカナ」をクリックして選ぶと、 以後の入力は全角カタカナになる。戻すには「ひらがな」をクリックする。

(2.7.4) ※ その右に二段に書かれている「CAPS」「KANA」は、 それぞれ、一度クリックすると様子が変わり、もう一度クリックすると元に戻る。 「CAPS」はアルファベットの大文字と小文字を入れかえる。 「KANA」はキーボードに刻印されたかなに対応する半角カタカナを入力する。 どちらもあまり使わない。 特に後者は 2.3.2 に述べた理由から、ほとんど使われなくなったと言ってよい。

(2.7.5) 【お願い】 ここまでで、「次週予告」に書いた 「最初に一度だけ行なう Active! mail の設定」ができるはずである。 来週のこの時間にやってもよいのだが、 全員が一斉に行なうと動きがきわめて遅くなるので、 できそうだと思う人は先にやってほしい。

§2.8 課題1

(2.8.1) 自分の氏名のみからなる一行だけを内容とする、 namae.txt という名前のファイルを作れ。 氏名は大学に届けてある通りの文字で書くように。 姓と名との間は 「空けない」「半角スペース一つ」「全角スペース一つ」 のどれでもよい。 姓の前、名のあとにはスペースは置かない。 また、このファイルはずっと残しておくこと。

(2.8.2) ※ 珍しい漢字はコンピュータでは使えないことがある。 そのときは適当な文字で代用するのだが、判断に困ったら相談すること。

§2.9 練習問題(その2)

以下も「メモ帳」の中で行なう。 順番にやってみよ。 保存はしてもしなくてもよい。

  1. 適当にキーを打っては Enter を押す、ということを数回くり返せ。
  2. 矢印キーで、いろいろな場所にカーソルを移動してみよ。 どうなるか。
  3. 普通のキーやスペースは押せばそのときのカーソル位置にその文字が挿入される。 いろいろな場所に文字やスペースを挿入してみよ。 すなわち、カーソルをいろいろな場所に移動し、キーやスペースバーを押してみよ。 また、Backspace キーや Delete キーで文字を削除してみよ。 消えるのはカーソルの左か? それとも右か?
  4. いろいろな場所に改行を挿入してみよ。 また、改行を削除してみよ。 なぜ画面がそう変化するか、納得できるまで考えよ。
  5. ある行を途中で二つに分けるにはどうしたらよいか? また、 隣りあった二つの行を連結するにはどうしたらよいか?
  6. 改行しか含まない行を「空行(くうぎょう)」ということがある。 例えば、次の左の例で2行めは空行である。
    1234                                    1234
                                            5678
    5678
    
    上の二つの状態の間を行き来する練習をせよ。 空行をいれる練習、空行を取り除く練習をしたことになる。

  7. 隣り合った二つの行の間にキーボードから行を挿入するにはどうしたらよいか。 また、元に戻すにはどうしたらよいか。

§2.10 テキストのコピーと移動

(2.10.1) テキストの一部(または全部)を「範囲指定」するには、 範囲の始点にマウスカーソルを合わせてマウスの左ボタンを押し、 押したままマウスカーソルを範囲の終点まで移動して離す (=ボタンを押し続けるのをやめる)。 範囲指定された部分は青地に白字となる。

(2.10.2) テキストの一部(または全部)を「コピー」するには、 範囲指定しておいて「編集」→「コピー」、 続いてコピー先にカーソルを移してから 「編集」→「貼り付け」。 (前半の操作では画面は何も変わらないので注意。 また、後半の操作をくり返せばいくつもコピーできる。)

(2.10.3) テキストの一部(または全部)を別の場所に「移動」するには、 範囲指定しておいて「編集」→「切り取り」、 続いて移動先にカーソルを移してから 「編集」→「貼り付け」。

(2.10.4) これらは、一つの「メモ帳」の画面の中でもできるし、 複数の「メモ帳」の間でもできる。 Internet Explorer から「メモ帳」へは、 コピーはできるが移動はできない。

(2.10.5) キーボードだけで範囲指定をするには Shift キーを押したまま矢印キーでカーソルを動かす。 ただし、Internet Explorer の中ではできない(と思う)。 切り取り、コピー、貼り付けは順に Ctrl+X, Ctrl+C, Ctrl+V である。

§2.11 練習問題(その3)

以下はそれぞれ独立した練習問題である。

  1. 一つの「メモ帳」の中で、あるいは複数の「メモ帳」の間で、 コピーや移動の練習をせよ。
  2. ホームページから適当な文章を「メモ帳」の中へコピーしてみよ。 一般には一行が長すぎるであろう。 ここで「横スクロール」の練習をせよ。 それから、適当に改行を挿入し、 一行が画面全体の半分ぐらいになるよう形を整えてみよ。 こうしても、ウィンドウ下部のスクロールバーは消えないが、 いったん終了してもう一度開けば出なくなる。
  3. 適当にキーを打ち、スペースバーを何度か押してから Enter キーを押し、 それから適当にキーを打て。 画面ではわからないが、 最初の行の終わりにはスペースがついている。 (次の例ではスペースを下線で置き換えて書いた。 実際はスペースなので全く見えない。)
    abcdef___
    ghij
    
    行末にはスペースはいれないのが普通なので、これは(一般には)かっこ悪い。 スペースがついていることは、 カーソルを動かすか、その行を含む範囲を範囲指定するかしてみればわかる。 このことを試せ。 また、行末のスペースを削除する練習をせよ。
  4. 適当に文章を打ったあとで、 こうするとカーソルはファイルの最後にくる。 そのとき、
    と思います。
    |
    
    のようになるのが(一般には)望ましく、
    と思います。
    
    
    |
    
    と思います。|
    
    はあまり望ましくない。 これらの状態を作り、また、望ましい状態に直す練習をせよ。
  5. 適当な名前のフォルダを二つ作って、 その間でファイルのコピー・移動などの練習をせよ。 済んだら、フォルダも消してしまって構わない。


岩瀬順一