2020 年度「データサイエンス基礎」 2020-05-26

§1.1 はじめに

(1.1.1) 2020 年度第1クォーターの数物科学類1年生を対象とする「データサイエンス基礎」 第 5 回である。

(1.1.2) しばらく試してもうまく動かない場合,あまり時間を費やさず, 担当教員の一人,岩瀬順一のメールアドレス iwase@staff.kanazawa-u.ac.jp にメールで連絡してほしい。アドバイスできるかもしれない。 それでも課題が出せない場合,対面授業が可能になってから補習をおこない, 単位を出すことが可能なので,あまり無理をしないように。 (単位の出る時期が遅れるかもしれないが,おそらく,進級や卒業には差し支えないと思う。)

(1.1.3) ほかの授業担当者が作られた掲示板などは私は読みません。ご了承ください。

(1.1.4) ここで念頭に置いているパソコンは, 昨年度生協が販売していたノートパソコンのうちのモデル B である。 OS は Microsoft Windows 10 である。 ほかの機種を持っている人は読み替える必要があるかもしれない。 なお,Mac については,牛島顕先生のご好意で読み替え法を載せることができました。 感謝します。(ただし,内容に関する最終責任は岩瀬にあります。)

(1.1.5) 電源の入れ方,切り方,ログイン,ログアウトのしかたは既知とする。

§1.2 マウスとタッチパッド

(1.2.1) マウスを机などの上で滑らすと,「マウスカーソル」が画面上を動く。 (こうやったとき,画面上を動くのがマウスカーソル,というふうに読む。)

(1.2.2) Windows の場合。 マウスカーソルが「デスクトップ」上の何もないところにある状態で次のマウス操作を試せ。 (マウスは右手で使うことを念頭に置いている。左手で使っても構わない。)

左ボタン(主 / 人さし指)右ボタン(従 / 中指)
一度押して離す(左)クリック右クリック
すばやく続けて二度クリックダブルクリック(あまりやらない)

Mac の場合。 右クリックは「『control』キーを押しながらクリック」と読み替える。

何かが起こったら,キーボード左上の ESC キーを押せば元に戻る。

(1.2.3) キーボード手前にある「タッチパッド」をマウスの代わりに使うことができる。

§1.3 キーボードからの打ち込み

(1.3.1) キーボードから文字を打ち込む際には, 打ち込み先にマウスカーソルを合わせてクリックし, そこに「カーソル」を出してからおこなう。

(1.3.2) 打ち間違えたら,「←」「→」キーで(必要ならば)カーソルを動かし, Windows の場合は BackSpace キー,Delete キーを使って, Mac の場合は Delete キーを使って,削除してから正しいものを打ち込む。 削除がどのようにおこなわれるかは,各自で試して覚えよ。

§1.4 インターネットを見る

(1.4.1) ブラウザ Edge の使い方は既知とする。 「検索または Web アドレスを入力」とあるところに 「https://www.yahoo.co.jp/」のような URL や, 「yahoo」のような語を打ち込んでサイトを見ること, リンクをたどってほかのページへ行くこともできるとする。

§1.5 ウィンドウの操作(その1)

(1.5.1) Windows, Mac のソフトウェア(ソフト,アプリケーション,アプリとも呼ぶ) は「ウィンドウ」の中で実行される。

(1.5.2) Edge を使って,ウィンドウ操作の練習をしよう。 Yahoo! の最初のページを表示させよ。

(1.5.3) 「〜にマウスカーソルを合わせてマウスの左ボタンを押し, 押したままマウスを動かし, しかるべき位置でボタンを離す(=押し続けるのをやめる)」ことを 「〜をドラッグする」と言う。 Mac の場合は一つだけあるボタンを押して同様の操作をする。 「〜をつかんで動かす」,あるいは「〜をつまんで動かす」 といった感じである。 タッチパッドでこれをおこなうには, ダブルクリックのように二度続けてたたくが, 二度目はパッドから指を離さずに,そのままパッドの上で指を滑らせる。

(1.5.4) 表示したいものが一画面に収まらない場合に右端 (右から左に向かって書く言語の場合は左端)に出るのが 「スクロールバー」である。

(1.5.5) ※ スクロールバーは下端に出ることもある。その場合は左右に移動する。

(1.5.6) Windows の場合。 ウィンドウ右上には「_」, 「『』または『』」みたいな印, 「×」と出ているであろう。 Mac の場合。 ウィンドウ左上に赤い「×」,だいだい色の「」,緑の「」が出ているであろう。

(1.5.7) Windows の場合。 ウィンドウ右上の 「」をクリックすれば,ウィンドウが「最大化」する。 「」みたいな印をクリックすれば元に戻る。 Mac の場合。 ウィンドウ左上の緑の「」を,option キー (←こういう名前の書かれたキーがある)を押したままクリックすると, 「最大化」と元のサイズが切り替わる。

(1.5.8) Windows の場合。 ウィンドウの右上の「_」をクリックすると, ウィンドウは「最小化」され,画面下部の「タスクバー」にはいる。 最小化を解除するには,タスクバーのほうをクリックする。 Mac の場合。 ウィンドウの左上のだいだい色の「」をクリックする。

(1.5.9) 最大化も最小化もされていないウィンドウの大きさを変えるには, 四辺や四隅をドラッグする。(どこをどうするとどうなるかは各自で試せ。)

(1.5.10) ウィンドウの上辺の部分を「タイトルバー」と呼ぶ。

(1.5.11) 最大化も最小化もされていないウィンドウを移動するには, タイトルバーをドラッグする。 (タッチパッドの場合,慣れるまでダブルタップとみなされやすく, その場合,ウィンドウは最大化されてしまう。 そのときはもう一度タイトルバーをダブルタップすれば元に戻る。)

§1.6 ウィンドウの操作(その2)

(1.6.1) Edge に Yahoo! のページを表示させよう。

(1.6.2) リンクをたどるには,マウスカーソルをあわせてダブルクリックするが, そうではなく,マウスカーソルをあわせて右クリック。 「新しいウィンドウで開く」を選ぶと別のウィンドウで開く。 これで,複数のウィンドウが開いたことになる。

(1.6.3) 複数のウィンドウが開いているときでも, 「アクティブ」なのは高々一つである。 それは,一番手前に見えるウィンドウ(の一つ)である。

(1.6.4) ここで, もしも一番手前のウィンドウが最大化されていたら,それを解除せよ。

(1.6.5) タイトルバーをクリックすればそのウィンドウがアクティブになり,手前にくる。 タイトルバーが全く見えていないときは, タスクバー上のそのウィンドウに対応している部分をクリックすればよい。 (Edge どうしの場合,タスクバー上のそこにマウスカーソルを合わせてしばらく待て。)

(1.6.6) Windows の場合。 Alt キーを押したまま Tab キーを何回か押し, 適当なところでキーを押すのをやめると, アクティブなウィンドウを変えることができる。 この操作は Alt+Tab と略記する。 Mac の場合。 command + tab でアクティブなアプリケーションを切り替えて, command + F1 でアプリケーション内のアクティブなウィンドウを切り替えることができる。

§1.7 Caps Lock キー

Windows の場合。 Caps Lock キーの On/Off は,Shift キーを押しながら Casp Lock を押す。 電源ボタンの左のランプで On/Off がわかる。 Mac の場合。 caps キーだけを押す。ランプはキーについている。 Windows でも Mac でも, On のときは,打ち込まれる文字の大文字と小文字が入れかわる。

§1.8 ファイルとフォルダー

(1.8.1)

昔からの呼び方最近の呼び方
個々の“文書”ファイルドキュメント
“文書”の置き場ディレクトリフォルダー

ここでは「ファイル」と「フォルダー」という名称を用いる。

(1.8.2) ファイルは,「開く」ことで中身を見たり, 編集したり(=書き足したり書き改めたり)できる。

(1.8.3) とりあえずは,デスクトップにフォルダーを作って,練習をしよう。 Windows の場合。 デスクトップの何もないところにマウスカーソルを合わせ, 右クリック,「新規作成」をクリック,「フォルダー」をクリック。 「新しいフォルダー」という名前のついた, フォルダーのアイコンができたであろう。 この状態でキーボードから「データサイエンス基礎」と打つと, 「データサイエンス基礎」という名前に変わる。 (後述のように,あとで名前を変えることもできるし, 別の場所に移動することもできる。よって,とりあえずこの名前でここに作ろう。)

(1.8.4) そのフォルダーのアイコンをダブルクリックすると,そのフォルダーが開き, そこにはファイルや,ほかのフォルダーを置くことができる。

(1.8.5) Windows の場合,最初に一度だけする作業: フォルダーが開いたら, 左上に「ファイル」「ホーム」「共有」「表示」とある中の, 「表示」をクリック。 上のほう,中央に「ファイル名拡張子」とあるが, その左の小さな正方形をクリックしてチェックをつける。 すでにチェックがついていれば何もしなくてよい。 「隠しファイル」についても同様にする。

§1.9 Excel のファイルの作り方,Excel の最小限の使い方

(1.9.1) 大きく分けて,二つの方法がある。

(1.9.2) その1.(Windows ではこちらがおすすめ。) フォルダーが開いた中の何もないところを右クリック, 「新規作成」をクリック, 「Microsoft Excel ワークシート」をクリック。 「新規 Microsoft Excel ワークシート.xlsx」という名前の, Excel のファイルのアイコンができたはずだ。 これも,好きな名前に変えることができる。 ただし,「.xlsx」の部分は変えてはいけない。 このアイコンの色・形を,だいたいでよいから,頭に入れよう。 「.xlsx」という「拡張子」で終わる名前のファイルは, Excel 用のファイルである。 このアイコンをダブルクリックすれば Excel が起動する。

(1.9.3) その2.Windows の場合。 画面左下隅の Windows アイコンをクリック。 どこにカーソルが出ているかは無視して excel と打ちかけると 「Excel」という文字列が出るので,そこをダブルクリック。 いくつかの画面テンプレートが出るので,「空白のブック」をダブルクリック。 Mac の場合。 下のほうにずらっと並んでいるアイコンのうち, X の字の書かれた緑のアイコンで, マウスカーソルを合わせると Microsoft Excel と表示されるものをダブルクリックすると Excel が起動する。 あるいは: 「アプリケーション」フォルダ内の Excel アプリケーションのアイコンをダブルクリック。 「空白のブック」を選ぶ。

(1.9.4) Excel の最小限の使い方。 Excel の画面は,縦横の表である。 行を 1, 2, 3, ..., 列を A, B, C, ... と呼ぶ。 行と列の定義は線形代数学で学んだとおり。 第 A 列の第 1 行のセル(=ます)を A1 と呼ぶ。 適当なセルをクリックしてから,適当に文字を打つ。 セルに打ち込んだ文字列の部分訂正は,セルの中ではできない。 そのやりかたは §1.12 で述べる。

(1.9.5) 「その1」の方法で始めた場合の終了法。 保存して終了するには,左上の「ファイル」,左の「上書き保存」。 右上のすみの「×」。 保存しないで終了するには,右上のすみの「×」。 「……変更を保存しますか?」と尋ねられるので,「保存しない」。

(1.9.6) 「その2」の方法で始めた場合の終了法。 Windows の場合。 保存して終了するには,左上の「ファイル」,左の「名前を付けて保存」, 何とかして,デスクトップの,(1.8.3) で作成したフォルダ内に, 適当な名前をつけて保存する。 Mac の場合。 「ファイル」メニューから「保存」を選び, デスクトップ内の所定の位置を選択して, ファイル名をつけて「保存」ボタンを押す。 Windows でも Mac でも,この場合,次にそのファイルを開くときは, そのアイコンをダブルクリックすればよい。また, そのファイルを保存するには,(1.9.5) のようにすればよい。

§1.10 プレインテキストのエディット

(1.10.1) コンピュータの世界では日本語の漢字かな交じり文のことを「日本語」と呼ぶことが多いが, ここでは「(いわゆる)日本語」とする。

(1.10.2) コンピュータで扱う文字には, ほぼ正方形の「全角文字」と, それを縦に半分に割った形の「半角文字」とがある。

  全角文字の例:あいうえおアイウエオ金沢大学ABCabc123+−=!$& 
  半角文字の例:ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTabcdefghijklmnopqrst123456+-*/=(!?#$&% 

普通にキーボードを打った場合,入力されるのは後者である。 アルファベットや数字などには両方があるが, (いわゆる)日本語は前者のみ。 スペースにも全角と半角がある。

(1.10.3) これらの文字をタイルのように並べたものを「テキスト」 あるいは「プレインテキスト」という。 文字の大きさや字体を変えたり, 「a2」のように文字の肩に別の文字を載せたりすることなどはできない。

(1.10.4) Excel を起動し,適当なセルをクリックせよ。

(1.10.5) キー A を押しっぱなしにしてみよ。 押しているあいだ,a の文字が打ち込まれる。

(1.10.6) 文字の削除は,BackSpace キー,Delete キーでおこなう。 キーを押しっぱなしにして,いま打ち込んだ a を全部削除せよ。

§1.11 (いわゆる)日本語入力

(1.11.1) 以下の練習も,Excel のセルの中でおこなうことができる。

(1.11.2) Windows では,左上の「半角/全角 漢字」キーを押すごとに, アルファベット・数字の入力と(いわゆる)日本語入力とが切り替わる。 画面中央に「A」「あ」の文字が一瞬うかぶのを確認せよ。 画面右下のバーの中の「A」と「あ」が替わるのも確かめること。 Mac では, メニューバー右側に表示される入力ソースの表示をクリックし,「ひらがな」を選ぶ。

(1.11.3) (いわゆる)日本語入力時には, ローマ字で打ち込むとまずひらがなで表示される。 それを必要なら漢字やカタカナに変換する。 「変換」はスペースバー。 次の読みを入力するか Enter を押すかすれば「確定」する。 「←」や「→」や, Shift キーを押しながら「←」や「→」を押す場合もある。 (習うより慣れよ,である。)

§1.12 文字列のコピーと移動

(1.12.1) 以下の練習は,Excel を起動し,並んでいるマス目のすぐ上にある, 「× レ fx」と書かれている部分の右の「数式バー」の中でおこなう。 すなわち,あるセルをクリックすると, そこに打ち込まれていたもののコピーが数式バーにはいる。 それから数式バーをクリックしてそこに文字を打ち込んだり変更したりすると, そのセルに打ち込まれているものも変わる。 以下の練習は,数式バーの中にカーソルを出して,そこでおこなう。 (数式バーの左の長方形は「名前ボックス」である。 いまどのセルが数式バーにコピーされているのかを示している。)

(1.12.2) 文字列の一部(または全部)を「範囲指定」するには, 範囲の始点にマウスカーソルを合わせてマウスの左ボタンを押し, 押したままマウスカーソルを範囲の終点まで移動して離す (=ボタンを押し続けるのをやめる)。 範囲指定された部分は様子が変わる。 (タッチパッドでもできる。やり方は各自で考えよ。(1.5.3) 参照。)

(1.12.3) 文字列の一部(または全部)を「コピー」するには, 範囲指定しておいて右クリック,「コピー」 (または Ctrl+C(Ctrl キーを押しながら C のキーを押す)), コピー先にカーソルを移してから右クリック,「貼り付け」(または Ctrl+V)。 (前半の操作では画面は何も変わらないので注意。 また,後半の操作のみをくり返せばいくつでもコピーできる。 貼り付け時に「貼り付けのオプション」が出たらその下のアイコンを押す。)

(1.12.4) 文字列の一部(または全部)を別の場所に「移動」するには, 範囲指定しておいて右クリック,「切り取り」(または Ctrl+X), 移動先にカーソルを移してから右クリック,「貼り付け」(または Ctrl+V)。

§1.13 ファイル操作

(1.13.1) ファイルは,そのアイコンをクリックすることで「選択」できる。 選択されたファイルは背景の色が変わる。 別のアイコンをクリックすれば,そちらに選択が切り替わる。 選択を解除するには,何もないところをクリックする。

(1.13.2) いまはまだ Excel ファイルしかないが,ほかの種類のファイルでも同様である。

操作やりかた
作成 §1.9 参照。
開く アイコンをダブルクリック。(そのあとは §1.9 を参照。)
改名 選択,右クリック,「名前の変更」。
コピー 選択,右クリック,「コピー」, 続いて何もないところを右クリック,「貼り付け」,改名。
削除 選択,右クリック,「削除」。(これで「ごみ箱」に移る。そこからの復元も可能。)

Mac では,改名は「選択して return キーを押す」でもできる。

(1.13.3) コピーは,選択してから Ctrl+C で,貼り付けは Ctrl+V で, 削除は選択してから Delete キーで,代用ができる。

(1.13.4) フォルダーを閉じるには,右上隅の「×」をクリック。

(1.13.5) 削除されたファイル・フォルダーは「ごみ箱」にはいる。 ごみ箱のアイコンは,デスクトップの左上にある。 ごみ箱にはいったファイル・フォルダーは, 決まった量を超えると古いものから消えてゆく。

(1.13.6) ごみ箱からファイルを復元することができる。それには, ごみ箱のアイコンをダブルクリックして開き, 必要なファイルを選択してから「管理」の中の「選択した項目を元に戻す」。

(1.13.7) また,ごみ箱を空にすることもできる。それには, ごみ箱のアイコンをダブルクリックして開き,「管理」の中の「ごみ箱を空にする」。

§1.14 練習

(1.14.1) 上の (1.8.3) で作ったフォルダーの中で,上の節で述べたファイル操作の練習をせよ。 ……と言われても何をしてよいのかわからない人は,以下をおこなえ。

(1.14.2) 練習のため,次の操作を順におこなえ。

  1. a.xlsx という名前の Excel 用ファイルを新規作成せよ。
  2. それを開いて,編集を開始せよ。 すなわち,適当なセルに適当な文字を打ち込み,保存して Excel を終了せよ。
  3. もう一度,それの編集を開始せよ。内容が前に保存したときのものであることを確認せよ。 適宜変更して,保存して Excel を終了せよ。
  4. もう一度,それの編集を開始せよ。内容が直前に保存したときのものであることを確認せよ。 適宜変更して,こんどは保存せずに Excel を終了せよ。
  5. もう一度,それの編集を開始せよ。一つ前の変更が内容に影響していないことを確認せよ。 変更せずに Excel を終了せよ。
  6. a.xlsxb.xlsx と改名せよ。
  7. その中身を見よ。見たら,Excel は終了せよ。
  8. それをコピーして c.xlsx という名前の Excel 用ファイルを作れ。
  9. c.xlsx の編集を開始せよ。適宜変更し,保存し,Excel を終了せよ。
  10. b.xlsx の中身を見て,c.xlsx を変更したにもかかわらず, こちらは変わっていないことを確認せよ。それから,Excel を終了せよ。
  11. b.xlsx, c.xlsx を削除せよ。 (これでこの練習を始める前の状態に戻ったはず。)

§1.15 フォルダーの操作

この節と次の節はあとでやってもよい。

(1.15.1) ファイルが多くなってきたら,フォルダーを使って分類すると整理しやすい。 たとえば,次のようになっているとき:

データサイエンス基礎 -+- excel -+- a.xlsx
                      |         |
                      |         +- b.xlsx
                      +- a.xlsx
                      |
                      +- c.xlsx

フォルダー データサイエンス基礎 を開くとフォルダー excel, ファイル a.xlsx, c.xlsx が見える。 フォルダー excel を開くとファイル a.xlsxb.xlsx が見える。 (二つある a.xlsx は別物である。)

(1.15.2) フォルダー excel から見たとき, フォルダー データサイエンス基礎 を「一つ上のフォルダー」と言う。 フォルダー excel は フォルダー データサイエンス基礎 の「直下にあるフォルダー」と言う(こともある)。 (左が上,右が下。)

(1.15.3) フォルダーも,クリックすることで「選択」できる。 フォルダーの改名,コピー,削除はファイルと同じ。削除すると, フォルダーの中のものを含めてごみ箱に移るので注意。

操作 やりかた
新規作成 何もないところを右クリック,「新規作成」,「フォルダー」,改名。
開く ダブルクリック。
一つ上のフォルダーへ 左上の「↑」をクリック。
いま見ていたフォルダーへ 左上の「←」をクリック。

(1.15.4) フォルダーからフォルダーへの,ファイル・フォルダーの移動は, 移動したいファイル・フォルダーを選択,右クリック,「切り取り」, 移動先フォルダーを開いて何もないところを右クリック,「貼り付け」。

(1.15.5) 直下にあるフォルダーへの移動は,次のようにもできる。 移動したいファイル・フォルダーのアイコンをドラッグして, 移動先のフォルダーのアイコンの上まで移動し,ボタンを押すのをやめる。 (これを「ドラッグ & ドロップ」という。)

§1.16 フォルダー操作の練習

(1.16.1) フォルダー操作の練習のため,次の操作を順におこなえ。

  1. フォルダー データサイエンス基礎 を開け。 上部(タイトルバーではない。「ホーム」「共有」「表示」の少し下)に 「> データサイエンス基礎 >」と出ていることを確認せよ。
  2. そこにフォルダー a とフォルダー b を作れ。
  3. フォルダー a を開け。上部に「> データサイエンス基礎 > a」 と表示されたことを確かめよ。(以下同様。)
  4. フォルダー データサイエンス基礎 に戻れ。
  5. フォルダー bc と改名せよ。
  6. フォルダー c に移れ。
  7. フォルダー データサイエンス基礎 に戻れ。
  8. フォルダー c を削除せよ。
  9. フォルダー a を削除せよ。(これでこの練習を始める前の状態に戻ったはず。)
  10. ×」を押してウィンドウを閉じよ。

(1.16.2) フォルダー間でのファイルの移動の練習のため,次の操作を順におこなえ。

  1. フォルダー データサイエンス基礎 を開け。
  2. フォルダー a を作れ。
  3. フォルダー データサイエンス基礎 に Excel 用ファイル f.xlsx を作れ。内容は適当に。
  4. ファイル f.xlsx をフォルダー a に移動せよ。
  5. フォルダー a を開け。
  6. ファイル f.xlsx の内容を確認せよ。
  7. ファイル f.xlsx をフォルダー データサイエンス基礎 に移動せよ。
  8. ファイル f.xlsx の内容を確認したのち,ファイル f.xlsx を削除せよ。
  9. フォルダー a を削除せよ。 (これでこの練習を始める前の状態に戻ったはず。)
  10. ×」を押してウィンドウを閉じよ。

§1.17 ファイルのダウンロード・アップロード

(1.17.1) ここは,必要になったときに試せばよい。

(1.17.2) インターネットなどで, リンク先が Excel などのファイルになっている場合,それをクリックすると 「開く」「保存」「キャンセル」と出ることが多い。 「保存」のわきには, のような印が出ることが多い。 その をクリックすると,「名前を付けて保存」が出る。 それをクリックすると「名前を付けて保存」というウィンドウが出る。 左にはフォルダーなどが出ている。この中から, 「デスクトップ」のフォルダー「データサイエンス基礎」を選ぶ。 「保存」をクリックすれば,そこにファイルは保存される。 これが「ダウンロード」である。

(1.17.3) 「アップロード」は,逆に,パソコン内のファイルをネット上にあげて送ること。 ファイルを名前で指定して送ることになるが, その枠のそばには「参照...」と書かれていることが多い。 それをクリックすると「開く」というウィンドウが出る。 左にはフォルダーなどが出ているので,その中から, 「デスクトップ」のフォルダー「データサイエンス基礎」を選ぶ。 すると,アップロードしたいファイルが見えるはずだから, そのアイコンをダブルクリック。 さっきの「参照...」の左に,ファイル名を含む文字列がはいったであろう。 この状態で「レポート提出」をクリック。

§1.18 Excel の使い方

(1.18.1) Excel の画面について,説明する。 上部に,「ファイル」「ホーム」「挿入」……とあるのが「タブ」である。 ふだんは[ホーム」にしておくとよい。

(1.18.2) これらのタブのうち,「ファイル」以外をクリックすると, その下の,高さ 3 センチメートルほどの部分が変わる。この部分を「リボン」という。 リボンが消えた場合はタブをクリック。

(1.18.3) 「ファイル」タブをクリックすると別画面になる。 戻るには,左上の「←」をクリックする。

(1.18.4) データの入力。目的のセルをクリックしてから打ち込む。 Tab キーを打つと確定され,その右のセルに入力箇所が移る。 Enter キーを打っても確定され,その下の行に入力箇所が移る。 途中で打ち間違いに気づいた場合, 「←」「→」キーを使うとうまくない。どうなるかは各自で試せ。 そうではなく,最初から打ち直すか,数式バー (1.12.1) をクリックしてそちらを修正する。

(1.18.5) データの修正。セルにカーソルがある状態で Delete キー, BackSpace キーを打つと全部消えてしまう。 一部を訂正するには数式バーを編集する。(1.12.1) 参照。

(1.18.6) 元に戻す。 適当なセルに適当に文字を打ってから,画面左上の, 斜めの「⊃」に矢印がついたようなアイコンにマウスカーソルを合わせると, 「元に戻す ... (Ctrl+Z)」が現れるであろう。 これをクリックするか,Ctrl+Z を押すと,いまの入力が取り消される。 このように,一つ前の操作を取り消すのが「元に戻す」である。

(1.18.7) やり直し。「元に戻す」のすぐ右の,斜めの「⊂」に矢印がついたようなアイコン。 これは,「元に戻す」で取り消したものを再度実行する。Ctrl+Y でもできる。

(1.18.8) 削除,コピー,移動は §1.12 で説明した。

§1.19 練習(等差数列,関数の利用,グラフの利用)

(1.19.1) これは練習なので,適当なファイル名で実験し,終わったら削除してしまって構わない。

(1.19.2) セル A1 に 1, A2 に 2 と入力せよ。 それからこの二つのセルを範囲指定する。 (それには,マウスカーソルを A1 に合わせてマウスの左ボタンを押し, そのままマウスカーソルが A2 に合うまでマウスを動かし, 左ボタンを押すのをやめる,のだった。)

(1.19.3) A2 の右下に小さな正方形が出るので, それを真下に,A5 の右下までドラッグ (1.5.3) する。 これで A3 に 3 が,A4 に 4 が,A5 に 5 がはいったであろう。 このように,等差数列を簡単に入力することができる。 確認したらこれらを削除せよ。 (A1 から A5 までを範囲指定してから Delete キーを押すと楽である。)

(1.19.4) A1 に 0 を,A2 に 0.125 を入力せよ。 上で練習した要領で,A1 から下へ向かって, 初項 0, 公差 0.125 の等差数列が,7 まで表示されるようにせよ。 (途中,たとえば A18 までで止まってしまった場合, A17 と A18 を範囲指定して, A18 の右下の小さな正方形を下へドラッグすれば続きができる。 行きすぎてしまった場合は,余分は消す。)

(1.19.5) B1 に「=a1*a1」と入力せよ。すると表示は 0 となるであろう。 A1 かける A1 が計算されたのである。 B1 を範囲指定し,右下の小さな正方形を下にドラッグすると, B2 には A2 かける A2 が, B3 には A3 かける A3 が,……,はいる。 Excel はこういうふうにできているのである。 これを,さっき入力したうちの最後の 7 のところまで,おこなえ。 (これも,途中で止まってしまったら,そこから続ければよい。)

(1.19.6) 列記号の「B」という文字をクリックして,B 列を範囲指定せよ。 「挿入」タブの中の「グラフ」のうち, 折れ線グラフのうちの「2-D 折れ線」の,どれか一つをクリック。 すると y = x2 のグラフ,すなわち放物線の半分が表示されるはずだ。 グラフは,その中の適当な部分をクリックしてから Delete キーを押せば消える。

(1.19.7) こんどは,C1 に「=sin(a1)」と入力せよ。これは正弦関数である。 いまやったことを思い出し,C2 を sin(A2) で,C3 を sin(A3) で,……,埋めよ。 そして,C 列の数値を折れ線グラフにせよ。正弦曲線が表示される。

(1.19.8) 基本的な,使える表現をまとめておこう。

=数値+数値」「=セル名-セル名」「=数値*セル名」。 例:「=b3-c3」「=b3*100/c3」。

(1.19.9) 演算子をまとめておこう。 「+ 足し算」「- 引き算」 「* 掛け算」「/ 割り算」 「^ ベキ乗」。

(1.19.10) セルの選択。

(1.19.11) Excel で使える「関数」の一部。なお,「引数」は「ひきすう」と読む。 sum(引数1, 引数2, ...) は,sum(a1:a100) のように使う。 これでセル A1 から A100 まで,の意味になる。

sum(引数1, 引数2, ...)合計を求める
max(引数1, 引数2, ...)最大値を求める
min(引数1, 引数2, ...)最小値を求める
mode(引数1, 引数2, ...)最頻値を求める
average(引数1, 引数2, ...)平均値を求める
var.p(引数1, 引数2, ...)分散を求める
stdev.p(引数1, 引数2, ...)標準偏差を求める
count(引数1, 引数2, ...)引数に含まれる数値の個数を求める
fact(引数)階乗を求める
abs(引数)絶対値を求める
sin(引数),cos(引数),tan(引数)正弦,余弦,正接を求める(引数の単位は radian)
ln(引数),log10(引数)自然対数,常用対数を求める
sqrt(引数)正の平方根を求める
pi()円周率を返す定数関数(小かっこは省略不可)
rand()0 以上 1 未満の乱数を返す関数(小かっこは省略不可)

§1.20 課題(第5回)

(1.20.1) 微分積分学でマクローリン展開を学ぶはずである。 正弦関数 y = sin(x) のマクローリン展開の,収束の様子をグラフにしてみよう。 sin(x) = x - x3/3! + x5/5! - x7/7! + x9/9! - ... である。 この級数を途中で打ち切ると,sin(x) の近似値が得られる。 それをグラフにしてみるのである。

(1.20.2) 新規ファイル 200526.xlsx を作り, A 列に,-6.5 で始まり 6.5 で終わる,公差 0.25 の等差数列を入力せよ。 これが x になる。

(1.20.3) B 列に,x の正弦を記入せよ。 まだ C 列以降は記入していないが, B 列から G 列までを「折れ線グラフ」で表示せよ。 それには,列記号の B から G までを範囲指定してからグラフを書かせる。 正弦曲線になるはずだ。

(1.20.4) C 列に,x を記入せよ。この x が,sin(x) の一次関数による近似である。 C 列の値が 6.5 まで大きくなるので,グラフが縦に圧縮されてしまう。 そこで,C 列のうち,絶対値が 2.5 より大きいものを,手作業で消せ。 グラフは縦に伸びたであろう。

(1.20.5) D 列に,x - x3/3! を記入せよ。 3 の階乗は fact(3) とするのであった。 このグラフも縦に圧縮されているので, D 列のうち,絶対値が 2.5 より大きいものを消せ。

(1.20.6) 同様にして,E 列に x - x3/3! + x5/5! を, F 列に x - x3/3! + x5/5! - x7/7! を, G 列に x - x3/3! + x5/5! - x7/7! + x9/9! を入れ, 大きすぎるデータは消して,折れ線グラフにせよ。 グラフは,ドラッグで位置が,四辺や四隅をドラッグすることで大きさ・形が調整できる。 (グラフタイトルはそのままにしておく。)

(1.20.7) それぞれ,一次式,三次式,五次式,七次式,九次式による近似である。 しばらくながめてみよ。

(1.20.8) ファイル 200526.xlsx を提出せよ。


岩瀬順一