岩瀬順一の「中岡稔「位相幾何学 ―ホモロジー論―」を読んでみて」

p.6, 函手の定義

「写像」という語が二度あらわれるが、前者は「写像」と呼べる?

p.9, 最終行

P0, P1. …, Pq で張られる q 次元単体》 の定義がない。これらの点を含む最小の凸集合、でよい?

p.11, 下から 7 行め

これらの2つ x, x' ∈ X は同一の弧状連結成分に属しているときしかもそのときに限り同一のホモロジー類を代表する》。 同一のホモロジー類を代表していれば x-x' ∈ B0(C) だから有限個の特異 1 単体の一次結合のバウンダリーになっている。 ただ、それらをうまく並べ直してつなげないと、x から x' への道にならない。 一般には、和がサイクルをなす 1 単体たちもあるだろう。それらは除かないと。 サイクルをなす 1 単体たちは、x, x' とは別の弧状連結成分に属しているかもしれない。

p.14, 13 行目

ε* だが、どういう意味で * をつけているのかがわからない。 H0(C) = C0 / Im ∂1 だから ε* の定義はわかるが。

p.15, 3 行目

容易に示されるように、これがチェイン同値写像ならば C は非輪状である》。 チェイン同値写像だとホモロジー群は等しく、0 次元だけ R では?  きっと何かカン違いしている。

p.15, 下から 11 行目

Rq は ℝq の誤植であろう。

p.19, 下から 5 行目

カップ積の定義に出てくる dp+1dp+2...dp+qσ と d0d1...dp-1σ だが、幾何学的意味がわからなかった。

p.20, 1 行目

単位コサイクル 1 を恒等射と誤解してはならない。

p.20, 補題 2 の証明

初期の版には誤植あり。

p.30 下から 2 行目

a', a1' ∈ A' を h'(a') = h'(a1') なる元とするとき とあるが、 「a'' ∈ A'' とし a', a1' ∈ A' を h'(a') = h'(a1') = a'' なる元とするとき」 であり、次のページ 2 行目の u''(h'(a')) = u'(a') は「u''(a'') = u'(a')」である。

p.44 下から 6 行目

任意の部分集合が閉集合になるのはなぜ?

p.45 帰納的極限と特異コホモロジー群

第二段落から ANR の前までの部分がよくわからず。 補題 3 の証明はとばそう、ということにした。

p.61 の式 (2)r

一本目の右辺 ρrτr - 1 は τrρr - 1 では。 τ の定義域は S(X)⊗S(Y) なので。 こう直すと、下から 3, 4 行目の計算が合う。

p.62 8 行目

「S(X)⊗S(Y) が非輪状」の X, Y はしかるべき次元の Δ の誤り?


Iwase Zjuñici (岩瀬順一)