電源トランスの電圧調整ノウハウ(Mar 10. 2011)


自作を楽しんでいるとちょっとした電圧の増減をAC段階で行いたいことがままある。
例えばヒーター電圧やグリッドバイアス電圧をちょっと上げたいとか、或いは下げたいとか・・・。
下げたい時は抵抗(R)の挿入で急場は凌げる。コンデンサ(C)やコイル(L)のリアクタンスを使いその目的を果たすことも出来る。
ところが上げたい場合はそんなに容易ではない。
そこで登場するのが電源トランスに補助巻線を巻き込み、これを当該電圧巻線へ同位相で直列につなぐ。
同位相だから電圧が加算され昇圧された電圧を得ることが出来る。
写真はロシア製4極管GU-74Bを組み込んだFL-2100Z(左)とFL-2100B(右)の電源トランス。
ロシア球は規格に幅があり、カットオフ時のグリッドバイアス電圧にも幅があって驚くことがある。
それで写真の様に電源トランスの隙間に補助コイルを巻いて不足分を補完する。
この場合1ターンで1Vの起電力を得ることが出来た。
ちなみに逆相でつなげば電圧を下げることが出来る。
普通なら電源トランスを用意して対策するのだろうが、この方法は簡単な作業でスペースも取らずに対策が可能である。
 関連情報・・・Yaesu FL-2100Z/Bのテストと改修