CANONプリンタBJ-F900の復活作戦(Dec 26〜29. 2009)
今年の8月実家のメインプリンタであるCANONのBJ-F900が動かなくなった。2002年、同僚から譲り受けたモノで既に7年を経過している。
インクを交換した直後と言う事もあり、何とか復旧出来ないか躍起になった。
ところがCANONのWeb-Siteを調べると何と既にサービス完了の宣言。
そこを何とかならないかと、状況を細かく記したメモをサービスへメールを送りやり取り数回。
結局何をしても対応してもらえないと分かりメーカー修理は諦め自力復旧の道を歩む事になった。
状況は以下の通り。
@印刷が出来なくなった。
AUSB接続で使用(IEEE1394でも同様)。
B電源投入時、ヘッドが右端から出て来て1/3位の所で一旦停止、更に左端へドンとつかえた後右端へ移動、最後に中央に戻り停止。
CプリンタのLEDがオレンジ短く7回→緑やや長く1回点灯を繰り返す。
Dステータスモニタで「プリンタと通信できません」と表示される(左図)。
E電源を切るとヘッドは右端に収納される。
F最後に使用したのは2週間前。
IEEE1394で試す
USBがダメなら1394が使えるかも知れないと、ケーブルをマルツ電波で買い求めテストするが状況には全く変化が無かった。
いよいよ解体
それではと分解作業が始まった。最近この種の製品の金型は非常に精巧で、作られた樹脂製品は驚くほどの出来だ。無理に外そうとすると樹脂を傷めるので騙し騙し探りながら作業する。周辺に△マークを記した窓がある。この中に筐体部材間を接合する爪があるので押し込んで外す。この作業は側面から前面を包む黒の化粧板(2枚)を両側面の窓で、上部と下部の結合は背面の左右の窓で行う。
廃インク吸収マット絞り
今回の障害には直接影響は無いが、プリンタ底面の廃インク吸収マットに相当量のインク。マットを取り外し新聞紙やダンボールで包み体重を掛けて踏み吸い取った。放置すると「廃インクタンクがいっぱいになりかけています」メッセージが表示されるらしい。この件に関してはSH工房の解説が詳しい。
テスタで電圧を当たる
解体して出来る事は目視による基板や配線の確認とテスタで電源電圧の測定位しか出来ない。目視と軽い力を加えて配線を確認する。そしてテスタで5Vと28Vを確認。電源には16V出力もある模様だが、負荷が無いと出力されない仕掛けらしい。BJ-F900では使っていない様だ。
結局復旧に至らず
分解中でも電源の投入や動作テストは出来る。PC側のプリンタ設定メニューでテスト印刷やユーティリティによるプリンタチェックを行う。しかし状況は全く変わっていない。PC側がUSBでも1394でもデバイス及びプリンタを認識しているから、「プリンタと通信ができません」とする意味が今ひとつ理解できない。
でも諦めないぞ!・・・下左は上蓋を取り外した状態のプリンタ本体。下右はUSBとIEEE1394インターフェイスが組み込まれたボード。もしパラレルポートインターフェイスがあれば、そちら側が使えたかもしれない・・・。
オークションのJUNK品で2個1
何とか基板を入手するためにヤフーオークションを検索する。すると結構な数の出展。もう印刷はNGでも電気的な通信が出来ればと探した結果、東京の御仁より送料込み\2KのBJ-F900を入手。
早速動作テストを行うと良好に印刷が出来る。そのままインクを乗せ変えて使おうかとも思ったが、それでは余りにも芸が無いので夫々を分解し組み合わせテストを行った。
その結果予想を反して基板の問題ではなかった。詳細までは確認していないが、基板からは電源以外にモーターやセンサーへ6系統のケーブルと3系統のフィルムケーブルが渡っている。恐らく、これらの内のどれかが通信障害を起こしていると思われる。
電源投入時に行われるイニシャライズでヘッドの動き方が異なるので何となく分かる。
写真は分解した2台のBJ-F900。幾度も作業することで分解についてはお手の物になってしまった。
詳細を追うには時間不足のため、概観を含め2台で最良の部品を集めて1台を構成、すなわち2個1の作業を行った。
○JUNK購入したBJ-F900も廃インクマット(パッド)のインクが気になり水で洗浄し乾かして実装した。この機種を見ていると廃インクの量の多さや消費量の多さが気になってくる。
○ところで、ステータスモニタで「プリンタと通信できません」と表示される原因は未だ掴めていない。基板に接続される各系統を順次確認することでそれが実現すると思われる。
○そもそも「プリンタと通信できません」とするエラーメッセージは表現としてどうなのかと疑問が沸いてくる。PCはプリンタを認識しアラームも表示しており、装置間の通信は正常に思われる。むしろ「プリンター内通信が不良です」の如き表現の方が混乱がないと思うのだがどうだろう。