BRAUN社シェーバー4403を修理する(Aug 16, 2009)

もう10年以上愛用していたBRAUN社のシェーバー(電気髭剃り器)4403が動かなくなった。
最近充電をしても元気がなく、叩くとようやく動き出すような状況だった。
変だなぁと思っていたが遂にウンともスンとも言わなくなった。LEDランプも点かなくなった。
一寸前に予備歯に交換するなどしていて、外観は古さを感じさせない。
分解して後述する抵抗1本を交換してみたが回復しないため、メーカーのサービスを訪ねた。
ところが担当者によると、既にサービス完了品で補修部品の在庫が無いと言う事で受付を拒否されてしまった。
そのままゴミにするには余りにももったいない。
それで何とか修理が出来ないものか挑戦してみた結果、見事復活に漕ぎ着けたので以下に概要をまとめてみた。

注意:シェーバー内部はAC100Vやその整流出力DC140Vが剥きだしになっていて危険を伴います。作業する場合は十分な検討の上、個人の責任の中での実施をお願いします。

分解する要領を説明する。4403底部に電源コネクタがある。その両サイドに黒い化粧蓋が取り付けられた部分ある。この蓋を先の鋭い道具を使って引き出す。内にセルフタップビスが顔を出すので左右2本を緩め外す。次に本体を上下に開き分解する。この際底部は容易に開くが上部はかかりがあり中々外し難いので注意する。力を入れ過ぎると樹脂がかけたりする。様子を見ながら騙し騙し外していく。左は化粧蓋とビスの状況、下は内部の基板の表裏。



分解後、部品を目視と匂いで異常が無い事を確認する。以下対応状況。
@R1=1MΩが断と思える現象・・・これを交換して電源を入れるが状況変わらず。
A基板にACを投入・・・ブリッジ整流出力にはDC135V程度が確認できるが電池両端は0.4V程度。
Bモーター配線外し・・・基板から切り離し、外部からDC3Vを加えると元気良くモーターが回り歯が動く。
C電池取り外し・・・基板から外しフロートさせると1.3V程度で充電が始るが、時間が経っても充電されない。
D電池不良と断定・・・実装品はNiCd?か。
手持ちには基板用電池が無いため、単3型NiMH電池にリード線をハンダ付けして基板に実装。
以上にて復活となった。
写真はNiMH電池に交換し、外部からワニ口リードでAC100Vを供給している様子。充電電圧は約1.4Vであった。
ケースを始めとする機構部品の多くは樹脂製であり、過度の力を加えると破損するので取扱いには十分注意する。


作業中の様子。中央に分解した4403。その下にある緑色が基板に実装されていたオリジナル電池。周辺に単3型のNiMH電池が転がっているが、一度捨てた物の中から一番元気の良さそうなのを選んだ。右にサンハヤトのDC電源が見えるが、最低電圧3Vで強引にテストした。上には小型デジタルテスター。その他シリコンスプレーやワニ口リード線やACカールコード等が散乱している。
そんな事する時間があったら買って来た方が・・・と言われそうだが、休日の一時、こんな物をと思っても空けてみると、設計者・製作者の考えやメーカーのポリシイが伝わってきて勉強になる。
分解してみて分ったが、シェーバーの中心は超小型充電器または電源にある。過充電にならない様如何に電池をいたわり寿命を延ばすか、ユーザーには分らない努力の跡を感じる。
何もヒゲを剃るだけならこんなに複雑にする必要は無いはず。ところ狭しと基板両面に配置されたトランジスタやダイオードにトランス等の電子部品を見ると、何もそこまでやら無くても良いのではと思ってしまう。
以上半ば諦めていたシェーバーが復活する事になった。大した事では無いように思えるが復活した喜びはこの上なく、思わずニヤッとなる。そしてまた暫く付き合いが始まる事も嬉しい。
ゴミにしてしまう前にこのようなトライがあると、愛着がわきHandMadeLifeもより楽しくなる。