ACプラグとテーブルタップの焼損(Sep 23. 2008)
あまり自慢できる話ではないが、何処でも可能性がある障害事例を紹介する。実家でテーブルタップとプラグの焼損騒ぎがあった。負荷は大電力と思いがちだがせいぜい110W程度と聞くからオヤッと思ってしまう。

その実態は
実家では親父が毎朝電気マッサージ機に乗る。その時間は60分にも及ぶ。しかしマッサージ機の消費電力は仕様によると110W程度。負荷は動力源であるモーターが中心と思われるから、皮相電力(VA)としてみればもう少し大きいかも知れない。しかし力率は経験的に見てせいぜい0.8程度と思われる。したがって電流としては1.4A程度と見込める。
そこで左の写真を見て欲しい。この程度の電流でも黒焦になり、プラグ側は完全に炭化している。炭化は片側ラインだけだが、両ラインに跨ると完璧に短絡状態を招く。しかしどうだろう、大電流が流れれば配電盤のMCB(NFB)がトリップしてくれる。逆に小・中電流により部分的な発熱が起きると、電流は永遠に流れ続ける可能性がある。親父は365日マッサージ機に乗るので徐々に炭化が進行して行ったものと推測される。さてその原因はと言うと、やっぱりACコードのビス締めが弱かった事に尽きる。ACコード末端は丸型にしてハンダを流してあったが、ビスの緩みには成す術がなかったのだろう。
写真の右は炭化したACプラグ。左はそれが刺さっていたテーブルタップ。即ち2個のテーブルタップで壁コンセントを延長しマッサージ機に接続されていた。何処でもこのような事態になる可能性がある。プラグやソケットのビス締めには細心の注意を払うと共に、発熱や匂いについても同様でありたい。