受け装置がトランス受けの場合はトランスのCT(センタータップ)へR1(3.4KΩ)を介して、またトランス受けでない場合は、Hot及びColdラインにR3(=2R1=6.8KΩ)を介して+48Vを(GNDに対して)供給する。
この場合後段への影響を避けるために、C2で直流をブロックする。
T1・T2には直流が流れ込むが、CTから流入出するので磁界が打ち消し合いトランスが直流的に磁化される事は無い。
マイク側はCTより得た直流電圧をR2とC1で平滑しアンプに供給する。
各抵抗値については装置の設計思想により異なるが、代表的な値を記した。
DC48Vファンタム電源方式の他に図の如きDC12Vを使用する方式がDIN(45-595)で規格化されている。業界ではこれを「AB電源方式」と呼んでいる。ゼンハイザー社のMKH-416Tはこの規格に基づいている数少ないマイクの一つである(注:MKH-416Pは48Vファンタム)。図は12V電源供給とオーディオ信号の流れについての概要を説明している。DC12VはHot側にR1を介してGNDとの間に供給する。マイク側はHot側からR2経由で取り出しC1との平滑回路を経てアンプ電源となる。
MKH-461Tの場合、マイク出力は平衡伝送されるが受け装置に入ったところでCold側が接地れる。したがってこの方式は、誤ってダイナミックマイクを接続すると、Hot-Cold間にDCが印加されマイクにダメージを与えるので、取り扱いには注意が必要である。R1はメーカーの考え方の違いによりまちまちで、調べると180~390Ω程度の範囲に収まっている。