TDK DBM CB3034Mを使った汎用DBMの製作

手元に幾つかあったTDKのパッシブ型DBM(CB3034M)を使って汎用のDBMを製作した。主な用途は周波数変換やヘテロダイン復調である。特にPCのFFTアナライザを使って自局の電波を測定するような場合は十分な入力レベルが得られるので妙な受信機を使うより遥かに精度の高いデータが得られる。またSSB波のモニターも同様で、DBM自身にはAGCの様なエンベロープ制限が無いので、信号源の様子が正確に把握できる。また2波の位相検波にも使用が可能である。

(1)構 成
TAKACHのアルミダイキャストボックスTD 4-6-3N(60x35x60)にBNCコネクタ3個を取り付け、主役であるTDKのCB3034Mを組み込む。各ポートRF/LO/IFはBNCコネクタでインターフェイスされる。長手方向のBNCがRF又はLOに相当し、下側のBNCがIF(DC〜復調・変換出力)に相当する。
PCのFFTアナライザで復調出力を測定する場合は、RFポートに適度にレベル設定された被測定信号、LOにVFOからのシングルキャリアーを入力するとIFに復調出力が得られこれをPCのサウンドカードに接続して行う。この際HUMが乗りやすいので十分に絶縁・シールドされたオーディをトランスを挿入すると良い。
アルミダイキャストボックスは皿ビス4本で蓋を取り付けると完全密閉となる。一つ作っておくと各種実験に使用できるので大変重宝する。

(2)内部構造
本来ならグランドはプリントパターンに一括してベタアースするのが適当だろうが、元々500MHz程度のDBMのため幅5mm程のリン青銅板で各ポートごとにリターンさせている。少なくともスズメッキ線を引き回すよりは良好な特性になると考えている。したがって各ポートのグランドはアルミダイキャストボックス経由で結合されている。
幾らパッシブ型と言っても各ポートの入力レベルには直線範囲と電力制限があり、測定は必要最小限の電力で行う必要がある。
なおここで使用したTDKのCB3034Mは1980年頃に購入したもので、数年前にカタログから姿を消している。同様なDBMは国内ではR&K(泉工業販売)が製造しており入手は容易である。

(3)系統図
CB3034Mの内部はダイオード4個によるリング回路であるが、内部詳細はここでは省略する。図はCB3034Mと各ポートとの配線状況についてのみ記している。●はCB3034Mの筐体(メタルカン)に接続されている。