Yagi Antenna TV Directional Coupler DCE-174の思いがけない構造(Jul 29. 2010)

7月25日、JA1TGC石毛OMがSkypeのChatで呼んできた。「ハムフェはどうするの?」の問いに「まだ未定」の返事。
そして暑くてホトホトまいっている旨のやり取りがあった後、古いMコネのTV共聴分配器が改修工事で出てきたので送ると打ってきた。あまりゴミになってもなぁと思ったが、後輩の向学のためにと送って頂く事になった。
27日に届き分解してみるとあ然。写真がその内部。名盤にはTV DIRECTIONAL COUPLERとあって、ただ事ではない雰囲気を漂わせていたが、予想以上の造りだった。恐らく昭和40年前後の製造と思われる。
今の分配器は、フェライトコアにコイルを巻いた伝送線路トランスで、コイルのつなぎ方でHYB、つまり方向性を持たせる分配を実現している。高透磁率コアで巻数を減らせばHF〜UHFの広帯域分配はお手のものだ。
ところがこの時代はそんな便利な部品は無く、線路に沿わせたピックアップライン方式を採用している。ラインの片方は75Ωで終端しもう片側から分配出力を得る。この回路がMコネのIN-OUT間に4個組み込まれMコネで出力されている。先輩たちの苦労や時代を偲ばせてくれる一品だ。
写真左はDCE-174のトップビュー、左下は内部構造、下は現物を見て書き起こした回路図。
後日周波数特性やIsolation特性を取ってみる予定だ。