スティックPC(DG-STK5S)の導入と消費電流(Jun 16. 2020)
リモートシャックのサーバーPCの省電力化は、リモートシャックを開設した2016年当時からの課題だった。これまでWindowsXp時代のノートから始まりWindows7そしてWindows10と、サーバーPCに投入された歴代のノートPCは5台にものぼる。DC12Vで使えないことはないが、内臓バッテリの充電を考慮すると、殆どが15V以上の電源を必要とした。そのために、DC12Vバッテリからインバータで昇圧して15Vを作り出しPCへ供給していた。
しかし、基本的な電力消費量は10数Wに及び、ソフトの運用状況によってはそれを超える。また、バッテリLowに陥ったときにインバータが連続して15Vを供給できるかの問題もある。また当初は無かった富士山カメラ(ネットワークカメラ)や収容箱カメラ(USB)の増設もあって、ソーラー発電・風力発電とバッテリによるシステムの限界を感じていた。
それで3年程前からタブレットPCなど、低消費電力PCの導入を考えていたが、電源の供給と信号のI/Oを1個のUSBコネクタで行うことの困難さに遭遇し、暫く作業が棚上げになっていた。そこで今回、これも3年前の選択肢にあったスティックPCの低電力化が進んだことがあり、思い切って導入(ドスパラ/DG-STK5S)することにした。
ディスプレイやキーボード・マウスが無いからと、ノートから発展しなかったことも事実だったが、持ち込みのHDMIモニターや無線キーボード・マウスで難を逃れることにした。
その結果は想像した以上だった。下の写真に、12V→5Vインバータの12V側の供給電圧と電流をテスタで測定している写真を貼った。アナログテスタはDC10Aレンジで、デジタルテスタはその時の供給電圧を示している。出力は5.3Vに設定。スティックPCの動作状態は、icomのリモートコントロールソフトRS-BA1のユーティリティソフトを起動させたディスクトップ。
12.6Vで0.22A、8.65Vで0.63Aを示している。写真にはないが15Vでは0.2Aを示した。また、入力電圧を下げていくと6Vでも5.3Vを出力しPCの動作を確認している。この値は無線LAN端末(インバータで24V生成しPOE)やHUBの動作最低電圧を下回っており、バッテリLow時に最後まで生き残れることが判明…これまでのノートPCの場合と逆になった。PC以外は電源が落ちても自然エネルギーの復活で復帰するが、PCについては絶対に落とせないので、かなり有利になったと思われる。
導入から期せずして梅雨入りとなり、連日曇天や雨天が続いている。これまでだと既にシャットダウンしただろうノートPCだが、スティックPCは何事もなかったように稼働を続けている。この状態のまま梅雨時を乗り切れるかどうか楽しみだ



写真左はリモートシャックでの設置状況。スティックPCへUSB&イーサネットHUBをtsなぎ、そこへ無線LANと無線機(IC-9100)にUSBカメラをつないでいる。PCを保守する時は、ディスプレイとマウス・キーボードを別途用意するか、持ち込みPCでTeamViwerでリモートデスクトップ操作する。
写真右は5V出力のインバータ。当初は右の小型のインバータで始めたが、容量不足で不安定(ソフトのハングアップ等)のため左の150Wインバータを投入した。いずれもネット上で売られている格安のインバータ基板。パッケージされた5Vインバータもネット上には多数出展されている。受信機への飛び込みノイズなどに注意して選択する。