Atoz社EZgo+の復活作戦(Nov 30, 2009〜)
EZgo+の思い出
2006年の5月、同僚と秋葉原ツアーに出掛けた際衝動買いした、Atoz社の超小型PCのEZgo+。 当時\39.8Kで、Celeron1.1GHzにメモリ128MB、HD20GBでWinMeOS付きはどう見ても買いだった。仲間うちではサイコロPCと呼んだ。
購入後FreeNASをインストールしサーバーとして活躍を始めたが3年経過した今秋突然ダウン。当初3Vの内臓電池がおかしのではと思っていたが事はそんなに簡単ではなかった。
小型ながら殆どのI/Fを周辺に配し、おまけにNTSCビデオ出力も用意されていた。実はこのNTSC、VGAから生成しようとすると当時それなりのスキャンコンバータが必要だった。ビルトインされているとなるとビデオ技術屋は放っておかない。友人知人に情報を流すと50台を遥かに超える注文が小売店の秋葉原Sofmapに殺到、店側も困惑したらしい。
余談はさておき、このゴミにしても仕方ないPCの復活をアマチュアスピリッツ宜しく試みることにした。
写真は分解したAtoz社のEZgo+。右上がCPUの乗るMBとHD。左上が上面カバーやモデム基板。左下がCD-RとCPUシロッコファン。右下が底面カバー。
なおAtoz社及びAtozJapan社は既にネット上からは姿を消してから久しく、メーカーのサービスは全く期待できなくなっている。

障害状況の整理
それでまず現状の整理をする。
起動しなくなったEZgo+を2台(私物と友人所有)用意し、それぞれの動作状況を以下にまとめた。

@電源SW投入…電源LED(緑)が点灯、ファンが回るがHDアクセスせず、映像出力無し、電源SWの長押しでシャットダウン出来ず。
A上記@の状態を暫く続け(温まるまで)電源再投入…電源LED(緑)とHD_LED(橙)が点灯するが、他は@と同じ。
B直ぐ電源再投入…電源LED(緑)は点灯、HD_LED(橙)は一瞬点灯後直ぐ消え、他は@と同じ。
C知人のEZgo+で電源投入…Bの状態となり、温めても状況は変わらなず、電源SW長押しによるシャットダウン可能。
D@とCのPCを相互に構成品(CPU・HD・メモリ・電池・CDetc)を入れ替えると状況はマザーボードに付いて回った。

以上からBISO起動以前のマザーボード(ハードウェア)の問題と結論付けた。

調査開始
そこでマザーボードをじっくり眺める。
以前より気になっていたのだが、CPU脇に1500μF/6.3V(105℃)のケミコンが5個直線に並んでいる。それに隣縁の端にも1個。
頭が膨らんで黄色の液体が流れて乾いた様な跡がその幾つかにある。
105℃規格とは言え、良くもこんな熱い所にと思ったが、CPUファンのお零れが流れるから良しとしているんだろうと納得。
でも液が流れるのは問題だじゃない。

1500μF/6.3Vケミコンを撤去
先ずここを疑いケミコンを全て外し様子を見る。写真はマザーボードの真俯瞰とCPU周辺のアップ。ケミコン6個は既に撤去済み。プリントパターンはスルーホール処理がされているが、半田ごて当ては細心の注意を払って行う。



1500μF/6.3Vケミコンを実装・通電
1500μF/6.3Vケミコンを購入するためにマルツ電波へ走った。ただ余り高さを気にせず購入したらCPUクーラーと接触しNG。出直しで背の低い物を探すが@\300と高価なため購入は一旦棚上げ。背の高いのを横に寝かせ3個だけ実装し様子を見る事にした。はやる気持ちを抑えながら組み戻す。期待と不安の気持ちを電源SWに込め押すと電源LEDが点灯・・・しかし状況に特段変化は無い!。
ケミコンの容量測定
そこで一体どれ位の容量になっているかデリカのミニブリッジDS1で測定した。写真は1個単独実装されていたモノを測定中で1310μFを示している。ところが他は凡そ1/10の容量に低下し全滅だtった。
5本中3本しか実装できないので未だ不足なのだろうか。またCPUから離れた位置にも数本のケミコンが存在する・・・近日中にフル実装を試みる予定だ。

マザーボードのケミコンは明らかに不良だった。もう少し温度に対し余裕を見た作りをすれば寿命はもっと伸びるだろうにと内心思っている。それから、やっぱり24H通電するサーバーには向かないPCなのかも知れない。さりとて、他の部品は今でも良好に動作しているのであるから、装置全体のバランスから見たら弱点である事には変わりはない。
長年愛用して不具合に陥ったマザーボードを観察すると良い。殆どの場合、ケミコンの交換により復活すると思われる。またPC内は、CPUの冷却も大事だが周辺部品も同様に考慮したい。