PC-FFTとD/C受信機によるIMD測定について
PCがハムの道具となってから久しい。オーディのFFTアナライザもその一つである。オーナーはIMDの測定にシェアウェアのウエーブアナライザ32を使用している。
IMDの測定についてはこのFFTアナライザのほかに何らかの受信機が必要になる。IF帯域が十分に広い受信機を使用する手もあるが、帯域内のリップルやサグ等のf特があると測定データが怪しくなる。
そこで手っ取り早い方法として被測定信号をダイレクトコンバージョン(D/C受信機)する方法がある。しかしダイレクトコンバージョンの場合、高次歪を含めると相応の帯域幅になるため、主信号が元通りに復調されたとしても高次歪みが局発(Lo)とのゼロビートを境に折り返してくる。
その結果、折り返さない部分と重なってしまい分別が難しくなる。またその場合は低周波回路はDC成分を含む超低域も通過させる必要がある。
そこで、局発周波数にオフセット(Lo±)を与える事で、主信号と歪がオーディオ帯域上に順序良く並ぶように工夫をする。
左図はその様子を示している。図は7次まで標記しているが、もし原音を復調すると、高次が局発(Lo)とのゼロビートを境に折り返す。
これを解決するには、測定のためにLo周波数に5〜10KHz程度のオフセットを与え、5次・7次・9次・・・がオーディオ帯域に順序良く並ぶようにする。
受信機はDBMとPC-VFOを使い、入力レベルは変換歪みが最小になるように(VFOレベル含む)ATTで設定する。出力には低周波トランス(AFT)を入れ、@ステップアップ・Aグランド分離(ハムノイズ対策)・B可聴域LPFを兼ねている。
PCのサウンドカードとのやり取りは不平衡であるから、GND電位によっては誘導音が混入する。f特の平坦なトランスを挿入し、場合によってはGNDの切り離し等で誘導音をカットする等の工夫が必要である。