GU-74B/4CX800Aを実装したFL-2100Z/B用外部高圧トランス(Mar 27. 2010)
FL-2100Z/Bにロシア球GU-74Bを組み込むと2つの課題に遭遇する。一つは球の冷却で、もう一つは高圧電源容量不足だ。前者は可能な限り強力なファンを用意し、抵抗の少ない送風ルートを確保する。
さてここでのテーマは後者。一般には電源トランスの増力を思い付く。しかし、既にスペースは無く筐体内での対応は限界だ。
そこで発想転換。1KV超級のトランスを外部に用意する。それもAC回路のみで整流・平滑回路は本体に依存。 操作方法は変えたくないので、本体の電源スイッチに連動しトランスのAC入力を開閉し出力を本体に導く。外部トランスを使わない時は内部トランスでの運用が容易に出来るようにする。
下左はその基本イメージ。1000V/1AをFL-2100Z/Bへ供給し両波倍電圧整流、負荷状態でも2300V程度を維持出来るようにする。電圧を上げ過ぎると無負荷時の平滑ケミコンのWV(各500V)を越えるので注意。
下右は内臓トランスと同じトランスを外部に用意し並列接続して増力を図ろうとするイメージ。 同じトランスを同相で並列接続するだけなので作業は大変容易だ。トランスの特注を嫌う向きには受けそうな気がする。 3台の並列運転なら最高だろう。DCで500V近い電圧降下が半分以下になり飽和出力も伸びる筈だ。
左はロシア球GU-74Bを組み込んだFL-2100Bと2台のFL-2100Z(1台は50MHz機能追加)。3台並んで休日の朝の光を浴び「ポーズ」。



FL-2100BにFL-2100Zを寄せて高圧トランスの補完を試してみた。
写真は腹合わせにしてテストしている様子。左がテストするFL-2100Bで右が外部トランスとしたFL-2100Z。
FL-2100Zの上に置いてあるのはオンディレイリレー。整流・平滑回路が生きない様に外してある。
7MHzで試すと容易に1KW出力を達成。この時無負荷Ep=2330V、無入力Ep=2260V(Bias=100mA)。CW/60W程度でドライブすると、Ep=2100V、Ip=570mA。
もう少しEpを欲しいところだが、電源トランスの発熱は大幅に軽減される。
また外部に例えば2個のトランスを用意すれば電圧降下も更に抑えられ好結果を期待できる。
新規にトランスを巻くより、JUNKのFL-2100B/Zを探してトランスを投入する方がリーズナブルかも知れない。 (2011.03.29)
 関連情報・・・Yaesu FL-2100Z/Bのテストと改修