GU-84B/50MHz HPAでドカーン(Mar 7. 2013)
久しぶりに電源を投入しダミーロードで1KW出力で数分間キーイングしていたらドカーン。この程度のランニングで壊れたことはなかったのに…それで重いアンプを引き出し中の様子を見る事になった。
症状は…
 a.ドカーン(バーン)と強烈な破裂音、異臭は無い。
 b.Ipが何をしても流れない。
 c.IsgがRF無入力なのに多く、RF入力しても変化無し。Esg表示が300Vを切り低い。
内部を覗くと…
 d.アブソーバ抵抗のセメント抵抗(1Ω/5W)がエレメントを残した状態で破裂飛散、エレメント断。
アブソーバ抵抗を交換するとGU-84Bの電圧やBias環境は復活。
しかしドライブしてもIpに変化は無く出力も無いのため、入力回路を覗く。
 e.入力カップリングCのモールドが破裂、容量400PFが60PFに低下。
交換して無事復旧。

@7年振りに上蓋を開け顔を出したGU-84Bと出力タンク回路。
余談だがロードVCはVVCにしておけば良かったのにと思ったりするが、それは早合点で、ダイアル機構や大半を固定電力コンに依存していることから判断したことを忘れている。

A破断したアブソーバ・セメント抵抗のエレメントが見える。
セメントや外枠のセラミック容器吹き飛んで飛び散っていた。中央にプレートRFC、その右に見えるのがプレート補助RFC。左の赤色はHV貫通コン。
下の青色はプレートRFCコールド側のバイパスコン。セメント抵抗は1Ω/5Wだったが、手持ちの関係で0.5Ω/5Wを実装した。
電圧やBIAS関係は正常になった。しかしこれだけでは復旧しない。
調べると入力側のカップリングコンが破断し容量低下になっていた。

B破裂した200PF/500Vマイカコン。
手前はモールド部が破裂、奥側はクラックが入った。
容量は400PFある筈が実測で60PF程度に落ちていた。
電流の腹が発生したのか…負荷側は50Ω終端なのでそんなに妙な現象は起きない筈。

CGU-84B入力回路と電源プラグイン。
200PF/500Vは手元に無かったので300PF/500Vを2個並列にして実装。
これで完全復旧となった。
GU-84Bへの電源供給をバナナプラグによるプラグイン機構で行っているが、これによる保守性の良さは抜群だ。

D取り外したGU-84Bサブシャシ。
アブソーバ抵抗の半田付けを外し、プレートとロードチューンのシャフトカップリングとビス4本を緩めると、この様な形で取り出すことが出来る。
中々のアイデアだと自己満足。

E保守中のGU-84B/50MHzアンプ
重量が50Kg近くあり、取り出して上蓋を開けるだけでも大仕事だ。