HDTV同期信号発生器(SG)の周波数変動をPix(画素)数から確認する方法(Nov 10. 2010)
 最近のHDTV用波形モニタは、位相ずれをPix単位でカウントする機能がある。
これを利用して、単位時間当たりのPix数を測定すれば、容易に周波数安定度を確認できる。

☆1080i/60の場合☆
リファレンスクロックfs=74.25MHz(1080i/60)。
試験SGのクロック周波数が+1ppm (=1*10E-6)ズレたとすると、+1ppm は1/1000000倍だから74.25Hzの周波数ズレ。
試験SGのクロック周波数は、74.25MHz+74.25Hz=74.25007425MHz。
周波数は、1秒間あたりの電気振動回数なので、リファレンスクロックに対して試験SGのクロック周波数は、74.25Hz分多くクロックを刻む。
つまり、1秒間に74.25サイクルのクロック差が生じる。
1080i/60(74.25MHzクロック)では、1ppmのズレは1秒間に74.25pixのズレとなる。

☆1080i/59.94の場合☆
リファレンスクロックfs=74.175824MHz(74.25MHz/1.001…1.001≒60/59.94)。
fsの周期ts=1/fs=1/74175824=13.481481ns。
74.175824MHzの1ppm(1/1000000)周波数fs_ppm=74175824/1000000=74.175824Hz。
fsが1ppmズレた場合の周波数fs_p_ppm=fs+fs_ppm=74175824+74.175824=74.175898MHz。
fs_p_ppmの周期ts_p_ppm=1/fs_p_ppm=1/74.175898=13.481468ns。
tsとts_p_ppmとの時間差ts_pd=ts-ts_p_ppm=13.481481-13.481468=0.013ps(13E-6ns)。
ts_pdより、1ピクセル毎(ts毎)に0.013psのズレが発生する。
1秒間にズレる量(時間)t_sec=ts_pd*1s/ts=0.013E-12*1/13.481481E-9=964ns。
fsに1ppmの偏差がある場合、1秒当りにズレるピクセル数d_dot=t_sec/ts=964E-9/13.481481E-9=71.5pix/s。
1080i/59.94(74.175824MHzクロック)では、1ppmのズレは1秒間に71.5pixのズレとなる。