K4KIOのHex-Beam製作日記(Oct 9. 2017)
今年3月、友人のJJ2NYTよりQSYしてきたK4KIOのHex-Beamアンテナの組み立てと設置がようやく始まった。
以下日記形式でアンテナの製作とリモートシャックタワートップへの設置について紹介する。
Hex-Beamアンテナの詳細については説明していません。メーカーサイトや下記ユーザーサイトをご参照ください。

添付マニュアル
G3TXQ Broadband Hesagonal Beam By K4KIO

概要説明
HEX BEAM By K4KIO

参考…YouTube動画サイト
1. Hexbeam SP7IDX Assembly - done by Kevin, VK2VH
2. My HEXBEAM HD MARK II from SP7IDX antenna
3. Radiowavz Sentinel Expedition Hex Beam
4. Putting up a Hex Beam Antenna
5. HEX-BEAM HD MARK II
6. MZ0JZE G3TXQ Hexbeam in 100km winds
7. Hexbeam vs Dipole antenna
8. 2el.HEXBEAM vs. Dipole - K9AEB, KP2AD reception

BBS
Hex-Beamアンテナ
自宅前で部品と構造の確認(Oct 9. 2017)
そもそのHex-Beamとは何ぞや…と興味津々で梱包を開け、部材を確認する。同梱の説明書を見ると意外とアバウトな感じに書いてある。組み立てイメージ図に従って、部分的な組み立てを行い構造のイメージを頭に入れる。最初は分かり難いが一度やっておくと現地での組み立てが非常にスムーズになる。
写真左は自宅前での様子。3段つなぎのポール2組を基部(ハブ)にUボルトで固定し、端を絶縁ロープで中央のポストへ引っ張り弓状の形を作ってみた。
写真下は基部のクローズアップ。中央のフランジに給電マスト(四角柱)を差し込み、フランジのイモネジ2個で締め付けている。給電マストの内部構造は分解しないと分からない。六角レンチはインチサイズなので紛失するとトホホ状態になるので注意する。
基部の下側も同様のフランジボルト・ナット締めされている。サイズはノーマル(1.25inchi用・給電マストと同径)とラージ(1.9inchi用)があるが、後者はオプション。今回は後者を利用している。



リモートシャック横の茶畑で組み上げと収容(Oct 10. 2017)
基部に一番太いポール6本を固定しても軽トラに何とか積める。それ以上は車からはみ出すので撤去して運ぶ。地べただと半径3m強の面積が必要になるので、写真のように軽トラの上にマストを仮設し、それに基部を差し込み組み立て作業を行う。特にエレメントワイヤーを通す時、このやり方は大変都合が良い。始めた時間が遅かったので、組み上がった時は既に日没。遠方に夕焼けの富士山が見える。
このまま茶畑に残置できないため、タワーの上段まで滑車とロープで引き揚げて固定。作業終了は17時半頃になった。



台風対策でタワーに固定(Oct 10. 2017)
5日間も雨で作業が出来なかったがこの日は朝から晴れ。これ幸いと思うも、諸事情で時間は昼前に1時間程しか取れない。隊粉が近づいていることもあり、10日タワーに収容したHex-Beamの固定をより確実にした。48mmパイプの60cm級をHex-Beam基部に取り付け、パイプをローテータ下にロープで固定した。滑車とロープによる固定も併用している。これで台風が凌げれば嬉しいが、果たしてどうなるか。クリックすると拡大します。
この日の午後からは曇りになり晩には雨になった。何とかならないものだろうかこの天気。

タワーマストトップへ固定するが…(Oct 24. 2017)
10MHZのHB9CVを垂直に回そうとクロスマウントのUボルト・ナットをレンチで回そうとしたら変!。2本の内1本のUボルトは問題なく緩んだが、もう1本のボルト・ナットが2個とも堅い。
何とかブームは動いたが、クロスマウントに位相ラインやブームをつなぐボルト等が接触し、90度まで回せない。なーんてこったぁ!。
それでも何とかHex-Beamのエレメントが無い面を巧く使い、10MHzのHB9CVを潜り抜けた。続く50MHzのHB9CVは外してしまい、その上の最上段の足場にかけたロープで引き上げる。そしてHB9CVは元に戻して足場として利用する。
最上段の足場から上は、落下方向にストップがかかるロープ結びで徐々に持ち上げマストトップまで引き上げる。最上段の足場に立つとマストトップは胸の辺りまで来る。
よーしとばかりHex-Beamに差し込んだ48mm×60cmパイプを両腕で掴んでマストへ差し込む。ところが、マスト内側は溶融亜鉛メッキの肉がやたらと厚い。 差し込もうとグルグル回して押し付けるとメッキが削れるがとてもリーマーの様には行かない。そこで、Hex-Beam基部のボルト突起をマストトップに引っ掛け、48mm×60cmパイプの裾をロープでマストへ括り付けた。
最後に10MHzのHB9CVを水平に戻すが、Uボルトの1本が前述の如く怪しい。締める方向も堅くなっている。ステンレスの弱点だ。想定外の事が多く苦笑しているが、こんなもんよと妙に平常心を保っている。写真は本日の最終状況(クリックで拡大)。
13時頃から始めて16時頃までタワーに上っていたが、夢中になっているから時間の経つのを忘れていた。

強風で仮設が傾く(Oct 25. 2017)
当地は10月25日に強風が吹いた。26日朝、写真撮影を兼ねてリモートシャックへ赴くと妙・・・。
24日にタワーマストトップへ仮固定したHex-Beamが見る方向によっては傾いて見える。
良く見ると、Hex-Beamのパイプ下部が風で振られ、マストへ固定していたロープ締めが上方へ動き出している。
台風も気になるため何らかの対策が必要になった。
写真は傾いた様子が一番良く分かる方向からの影(26日撮影・クリックで拡大)。

Uボルトブラケットで固定…恒久対策(Oct 26. 2017)
マストに差し込んでも回転防止貫通ボルト工事が必要なので、一番効率的な方法を模索していたら前項の如き「傾き」が発生してしまった。
静岡静岡トヨムラから55mm径のUボルトブラケット(デベロープ技研)を購入し、アンテナを固定することにした。Uボルトは8mmのステンレス製だが、私的には10mm以上の溶融亜鉛メッキ製を欲しかった。これしかないので止むを得ない。
トヨムラから戻ると15時半、タイラップや同軸も持ち込んで作業を開始。巻き込んであるロープを緩めながら、傾いたら直ぐ引き戻せる態勢にしてブラケットを挟み込んだ。
日没時間が早くなり、劇的な夕焼けを見ることが出来たが、降りるときに撮影した写真の時間は17時30分で、辺りは真っ暗だった。 左は翌27日撮影のタワー下から見上げた写真(クリックで拡大)。下は26日晩、無線Lan用パラボラ越しに見る月と夕焼け。



初運用(Oct 27. 2017)
昨日は日没で写真撮影が出来ず、早朝に赴いて見上げたのが写真左。2日続けての快晴は久しぶりだ。
同軸コネクタの先をニッパで切り開き、強引にBR-510で測定したSWRディップ点は、28MHzと50MHzがバンド下方へ外れ、他はバンド内に収まっていた。写真左下は14MHzバンドでの測定風景。14.072MHzがSWRディップ点で、この時の値は1.1と極めて良好。
午後、マルツからM-Pコネクタを購入。日没前に三角タワー内を引き下ろしていた同軸ケーブル(5D-2W)にコネクタを取りつける。バラン部を含め、給電点からの同軸超は約30mに達した。自宅からリモート運用でJA2AYHと51.14MHz/FMでHex-Beam初運用。アンテナを180度回してF/B/S比の存在を確認する。
IC-7300のSWRメータ表示によれば、51.14MHzでのSWR値は1.3程度だった。内臓ATUで瞬時に1.0に落ちる。
作りっ放しで、かつ上げっ放しでこの状況だから、ものぐさには打って付けのアンテナと言えそうだ。
写真右下はお昼前の茶畑ごしの風景(クリックで拡大)。



写真集


左上は吊り上げ途中の給電ポールとバランの様子。バランはフェライトビーズ8個で同軸にコモンモードのロードを掛けたもの。以前使っていたGAPアンテナのDX-10のフェライトビーズと同軸(約4.5m)を流用。エレメントは袋ナットで締めつけてあり、作業中ロープ等が引っ掛かり憎くて良い。遠見は新東名高速新清水JCT。
左は基部金具を通過する同軸ケーブル。M-PやN-Jは通るが、N-Pは通らない。また穴の周辺をさらって無い(面どり無し)ので同軸を傷め易いと思われる。同軸の固定位置のやスパイラル処理等の工夫で逃げる。
右上は最終的に設置したHex-Beam上に顔を出して撮影したフィードポール越しの清水港。マスト足場の最上段に足を掛けると、ここまで覗くことが出来る。これ以上は安全帯の掛け場所が無くなるので危険。それにしても63のジジィが良くやるよ、と思う。

左は10月30日朝6時過ぎ、日の出直前の状況。クリックすると拡大します。
Hex-Beamのロッドに横から陽が当たり出しています。

左は11月3日昼過ぎ、高倍率レンズを付けたカメラ持参で来られた友人Y氏の撮影。東側の谷(柑橘試験場付近)からの撮影。青空が大変綺麗です。クリックすると拡大します。


SWR特性
10〜60MHzのSWR特性をネットワークアナライザで測定しました。
作りっ放し、上げっ放しでこれだけの特性が得られるマルチバンドアンテナは非常に珍しく、納得できるアンテナだと思います。