K4KIOのHex Beamアンテナ修理(Jul 30〜, 2018)
はじめに…7月30日
2018年7月28日の晩、遠州灘を東から西へ通過して行った台風18号。今まで聞いたことない異様な山鳴りを聞き、普段とは違う台風を印象付けて行った。翌29日は所用で外出のため確認できなかったが、30日にリモートシャックを点検に行くと愕然。タワートップに上げたHexBeamが無残な姿と化していた。東からの風にあおられ、東側を向いていたスプレッダ2本が根元で折れ、(差し込んだだけの)3本つなぎのスプレッダはバラバラになり、エレメントはあやとりゲーム状態だった。奇しくも10MHz/HB9CVも風にあおられて45度程傾き、このエレメントにもHexBeamのエレメントが絡み付いている。幸い50MHz/HB9CVとWindomは問題無かった。
以下復旧までの作業について以下にまとめてみた。
左は7月30日撮影の南側から見たリモートシャックアンテナ群(クリックで拡大)。下はタワー北西側からのあおりショット。



HexBeamを降ろす…8月28日
7月28日に通過した台風12号で被害を受けたリモートシャックのHexBeam、丁度1ケ月経った本日、ようやくタワートップから地上に下ろす作業が終了した。 HexBeamを下ろそうとタワートップへ上るとビックリ。45度程度傾いた10MHz/HB9CVのエレメント1本の先にHexBeamのエレメントが絡み付き、内心こりゃまずい!。HB9CVを水平方向へ戻そうとしても絡んでいて動かない。おまけにその反対側はWindomの南側エレメントに20cm程引っ掛かっている。熟慮の結果、HexBeamを外してロープで吊り、徐々にHB9CVへ浴びせ倒してHB9CVのブーム軸を回転させながら、下方へ移動する方法を取った。これ見事に成功しHB9CVをクリア。その後ロープで地上まで吊り下ろした。一部ヒノキの枝が邪魔していたが、これは枝払いして対応。 地上に下ろしてから軽トラのマストに挿し、Uボルト固定され折れたスプレッダ2本分を取り除き、残った部分を使い仮復元。エレメントとバラバラのスプレッダとの絡みは、一時はどうなるかと心配したが見事に形になった。そのままでは置き場所が無いので、茶畑の茶の木の上に置くことにしてこの日の作業を終えた。 写真は地上に下ろしたHexBeam。やはりそれなりの大きさだ。オンマウスは給電部のアップ。18時過ぎ家路を急いだが、この1ヶ月間の重荷が解けた感じで妙に充実した気分だった。



まじかに見るスプレッダパイプ…8月29日
スプレッダはグラスファイバ製で1本が3段つなぎになっていて、これが6本(組み)で全体が構成される。
その基部がUボルト2本でマウントに固定されている。基部の直径は25mm程度、内径は19mm程度。写真は千切れた基部先端でUボルト2本で固定されている部分。千切れた部分はささくれ立っている。
下は先端から覗いたスナップ。やや平らになっている方がマウント側。下からのあおり風の積み重ねでこの様に変形したと思われる。なおこのグラスファイバには初期段階から気泡が目立つ様な気がする。これが強度を落としている可能性もある。



HexBeamを修理する…9月2日
ホームセンターで直径19mm、肉厚0.8mm、長さ910mmのステンレスパイプを2本購入。其々3等分に切断し、長さ300mm程度の物を6本用意する。これをスプレッダの根元に打ち込み(挿入)、Uボルト締め1点に力が集中する現状を回避する。千切れたスプレッダは、ささくれ部を切り落としステンレスパイプを挿入してつなぐ。これをUボルト2本で固定する。同等の代替部品の入手が難しいので、最も簡単な方法をとった。スプレッダの基部が2分割し、スプレッダ自身の強度は落ちるが、ステンレスパイプがそれを支える。ちなみに両者は接着剤等浸透させていない。
写真は正常なスプレッダにステンレスパイプを打ち込み中のスナップ(クリックで拡大)。ステンレスパイプの切断は必ずパイプカッターを使い、打ち込み時に内壁をえぐるバリを作らない様にする。下はマウントへUボルト締めを完了した6本のスプレッダ基部。手前の左右2本が千切れたスプレッダ。ささくれ部を切り落としているので、長さは20mm程度短くなっていると思われるが、エレメントの張りには大きな影響はない。



写真は茶畑の通路で修理を終えたHexBeam。軽トラの上から撮影。下は作業を終え茶の木の上に退避させた様子。右後方にHexBeamの復帰を待つタワーとアンテナが見える。10MHzと50MHzのHB9CVだけではマストがチト寂しい。