IC-756で出力が出ない(Aug 30〜. 2013)
IC-756(01090)の出力が突然出なくなった(受信は問題ない)。当初はほぼ同じタイミングで雷にやられたATUと同じ原因かと早合点していた。
しかし障害ヶ所を追って行くとその原因がRF基板のIC801(μPC1678G)と分かり、雷が原因ではなくたまたま同時期に発生したと結論付けた。
そうだよな、受信が問題ないのだから変だとは思っていたが、ATUの雷障害が併発したことで本質を見失っていた様だ。
以下復旧について記した。
左は調査のためにPA基板へ7MHzのCW(0dBm)をSG(8657D/HP)から放り込んでいる様子。
この調査で出力は勢い良く出てPA基板には問題がないことが判明。
下はPA基板のクローズアップ。ワニ口は入力端。



PA基板以降は正常なので、その前段であるRF基板上のバッファアンプを疑う。
このアンプは前述の如くμPC1678(NEC)。SSBモードでツートンで変調を掛けると一機に状況が判明。
アンプの出力が1/6以下にレベル低下している。そしてツートン波形が上下非対象になっていることが確認できた。
左はRF基板でバッファアンプμPC1678が中央に見える。
左下はその入力波形で右下が出力波形。オシロスコープ(475/Tektronix)は同一レンジで10mV/Div。
早々にμPC1678(NEC)を探すが中々入手難。結局Yahooオークションを頼った・・・。



ネット上でμPC1678Gを2個1組落札したが、2日目に入っても連絡が無い。止む無くBBSでヘルプすると富士市の友人から声が掛かり、9月2日早朝に尋ね4個頂戴。早々に交換し無事復活。
その後出展者から連絡があり、2個のつもりが3個も送っていただいた。それに別のサービス品まで・・・。
現在都合6個のμPC1678Gが手元にある。
このICOM/IC-756シリーズのRF基板上のμPC1678Gは伝統的に故障が多い様に思われる。海外サイトではその対策を記した記事がアップされている。その内容は放熱不足の指摘。適切な放熱のための施策が必要と思われる。
当初は雷の影響かと思ったが真相は良く分からない。何しろ電子機器の壊れ方は、筐体へ落雷(スタンガン等)させると、とんでもないところのデバイスが壊れる場合があるから・・・。


追伸・・・実はこのIC-756(01090)、昨年の同じ頃も同じICの不良で同様の現象に陥っている。動作中にICに触れると非常に熱く触れない程だ。このサイズのICとしては異常と思われる。何らかの放熱を施したくなる。ネット上にはヒートシンクを追加したりの細工を施されているOMもいらっしゃる。何らかの対策を講じる必要がありそうだ。