外観
写真は完成して電源を入れCxモード(C測定)にしている様子。この状態でZEROボタンを押すとLCDに表示された数字が0PFに校正され最小0.01PFの高精度で測定が行える。
ただしCxボタンとLxボタンは単独動作なので、目的のどちらか一つのみを押す。2個押すとエラー表示が出る。
このCxとLxのスイッチはメカニカルで相互でプッシュプルになっていると有り難い。しかしゼロADJ時は両者ともオフにする必要があるから・・・うーん一筋縄ではいかないか。
内部
写真は内部の様子。見やすくするためにLCD部は外している。
部品点数は少なく、アバウトなマニュアルだが完成写真を見ながら組み上げれば間違う事はない。日本語マニュアルはJA3KEVさんのサイト(国内の代理店)にあり、特に特殊モード解説は参考になる。
LCDのコントラストVR(基板左上の青色角型)が絞り気味だと、電源投入時に何も表示されない事があるので慌てない事。実はオーナーの場合がそうで、最初は電池や半田付けを疑ったが、何て事は無くVRを右に回したらLCDに文字が現れた。
プッシュボタン群の左にある黒っぽいブロックは密閉型リレー。その左はコンンパレータのLM311。下方にコアにまかれたコイルとコンデンサ群が見えるが、このコンデンのうちコイル側の2個は何故か別の紙袋に入っていた。
プッシュボタン群の上は5Vの3端子Reg。その左が水晶発振子で、その上は心臓部PIC16C622。LCD部はプラグイン構造で簡単に取り外す事が出来る。
2本の6角金属ポストへはケース前面から陸式ターミナルを締め付ける構造になっている。
Kitとしての再現性は非常に良く、どんな作り方をしても短時間で完成品と同じ性能のモノを出来る。
このL/C Meter UBの仲間入りで、DELICAのD1Sの登場頻度は激減するに違いない。
これは測定するのが楽しくなってくる事うけ合いである。
使用例
写真はローラーインダクタ(Vari-L)のインダクタンスを測っている様子。
ローラーを回転させる度に表示されるインダクタンスが変化して行くのが楽しい。インダクタンスは巻数の2乗に比例する事が良く分かる。
特質すべきはやはり最小測定値。ローラーインダクタのインダクタンス最小値が、0.001μHの分解能(誤差1%)で読めるので、今までは闇雲だった作業を相当な精度で行なう事が出来る。微小な値を測定する時に、いかにリードインダクタンス(キャパシタンス)のゼロアジャスト校正が重要かが良く分かる。これらは冒頭に記したHC6243(200PFレンジ)では不可能だった事だ。
ただ測定周波数は目的周波数とは無関係なので、表皮効果による影響は当然出てくる。ここはユーザー側が考慮しなけれればいけない。しかし経験的にはHF位なら全く問題ないと思われる。測定信号源を幾つか用意することが出来るとベターだが、これをやるとコストが上がってしまうだろう。